ノウルシ(トウダイグサ科)
「生きている淀川」で紹介したノウルシ。最近自生地が少なくなり、淀川右岸鵜殿に春だけ見られる植物(春植物)です。花時には苞が黄色くなるので、花が咲いたように見えます。
結実するころ、周りのヨシが成長するので、それにあわせて夏になると地上部が枯れてしまい、翌早春まで地下の根茎で過ごします。(スプリングエフェメラルといいます。)
ノウルシは苞が花のように見え、花弁や萼片はありません。
外花弁に見える部分は杯状花序(はいじょうかじょ)の基部にある総苞葉・苞葉になります。
さて、兵庫県では三田市、西脇市、加東市、多可町、たつの市、丹波市でみられる貴重種です。
武庫川では上流の日出坂付近でみられます。
土手焼きのあとの川原で見られます。
葉や茎を傷つけると出る白い乳液がでるのが漆の汁に似ている出のノウルシとつきました。
ノウルシの汁に触れると皮膚に炎症を起こす有毒植物です。
花の様子を観察すると、子房は球形で表面にはイボ状の突起があり、3花柱が立ち更に先端が2つに分かれているがわかります。
全国レベルでは絶滅のおそれがあり、近隣府県でも減少しています。
(2020年時点):
環境省レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
滋賀県レッドデータブック2020年版:―(指定外)
京都府レッドデータブック2015:準絶滅危惧種
三重県レッドデータブック2015:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
大阪府レッドリスト2014:絶滅危惧Ⅱ類