猪名川上流中流の魚たち(「生きている猪名川改訂版」より
山間部から盆地にでると猪名川の流れが緩やかになります。周りの山々からの土砂がたい積して谷底平野ができます。谷底平野は、猪名川では数か所あり、渓谷でつながっています。
アカザ(ギギ科)
水のきれいな上流中流域に生息します。体長約10cm。一見ナマズのこどものようにみえますが、口ひげが4対8本あるのと、体の色が淡い褐色をしていることで見分けがつきます。夏でも水温が低い場所をこのみます。昼間は市の下に身を潜め、夜になるとえさを求めて石の間をぬうように泳ぎます。肉食で、おもに水生昆虫などをたべます。背びれと胸鰭にとげがあり、不用意に触れると刺されることがあります。
兵庫県ランク:地域限定貴重種;環境省ランク:VU
ギギ(ギギ科)
体長15cm。河川の中流域に生息しています。石の下や水草などが茂っているところに潜み、小魚、エビや底生動物などを食べます。卵は石の下や石垣の中に産み付けます。胸びれのとげと基底部の骨をすり合わせてギーギーと音をだします。
流域では、「ギギタ」ともよんでいます。
カワヨシノボリ
体長5cm。一生を川で過ごし、河川の中流域を中心に平瀬や淵の周辺に生息しています。胸鰭の条数が15~17本で、ほかのヨシノボリより少ないのが特徴です。おもに石についた、藻や水生昆虫などをたべます。産卵は砂に埋まった石などの下面にメスが卵を産み、オスが卵を守ります。