春を代表する花−コバノミツバツツジ
コバノミツバツツジ
武庫川流域で見られる里山の花で春先、雑木林のなかで鮮やかな赤紫色の花が目に付きます。葉が出る前に花が咲くので目立ちます。コバノミツバツツジです。
コバノミツバツツジで有名なのが武庫川下流の西宮市の広田神社。
神社のコバノミツバツツジが昭和44年兵庫県指定天然記念物に指定されました。
神社の敷地内に約2万株が群落を形成しているそうです。
「おじいさんは山へしばかりに・・・」関西ではしばは、「コバノミツバツツジ」
「山に柴刈り」の意味がわかない人も多いかと、
ガス電気のない昔、煮炊き用の木を集めに山に取りに行くことを「柴刈り」といいます。
最近の子どもは、ゴルフ場の芝を刈ると思っている話をきいて笑いましたが。
岐阜県から中国地方にかけてみられるコバノミツバツツジです。
兵庫県では ふつうにみられるツツジです。但馬地方にはユキグニミツバツツジがみられます。
コバノミツバツツジの葉柄は毛があり、ユキグニミツバツツジにはないことで区別できます。
また、ユキグニミツバツツジの葉は一回り大きく、よりひし形に近いことからも見わけられます。
六甲山でも一部ユキグニミツバツツジが見つかっていますが、ほとんど全部がコバノミツバツツジとみてよいでしょう。
それ以外の地域でもほとんどがコバノミツバツツジですが、日本海側にいくとユキグニミツバツツジをみることができます。ユキグニミツバツツジは、秋田県以南、鳥取県までの東北、北陸、山陰地方の日本海側に分布する日本海要素植物の植物です
兵庫県内には、ほかにダイセンミツバツツジ、トサノミツバツツジ、オンツツジが生えているそうです。
参考文献 「人と自然のワンダーランドへ、ようこそ」兵庫県立人と自然の博物館編 2023年神戸新聞総合出版センター