猪名川中下流の魚たち(「生きている猪名川改訂版」より
山間部から盆地にでると猪名川の流れが緩やかになります。周りの山々からの土砂がたい積して谷底平野ができます。流れが緩やかになると砂地の場所ができます。カマツカやニゴイは砂地の好きな魚類の仲間です。
カマツカ(コイ科)
体長約20cm。平らなおなかをしています。口ひげが1対あり、唇のまわりに小さな突起があります。砂や小石が混じる川底に住んでいます。雑食性で砂とともに水生昆虫などを吸い込み、えらあなより砂をはきだします。
ニゴイ(コイ科)
体約50cm。コイと似ているのでこの名前が付きましたが、コイよりスマートで、顔が長く、口が下を向いています。また、口ひげは1対です。流れの緩やかな砂地を好みます。雑食性で、水生昆虫や石についた藻などをたべます。
ムギツク
体長約10cm、河川の中流下流域にある流れのおだやかな淵やよどみなどの岩場に生息しています。おもにユスリカの幼虫などの水生昆虫を食べる雑食性で、石などの表面をつつきながら食べます。卵は石の下などに産みつけます。ドンコやオヤニラミなどの巣に托卵することもわかってきました。