胞子でふえる植物(2) ゼニゴケのなかま
今回はコケのなかまの紹介
ゼニゴケのなかまは理科の教科書に、苔類の代表として掲載されている。人家の近く、特に家の北側など、やや湿った場所にみられるコケ。
コケのなかま
小さな緑もこの地域では200種類ぐらい見られます。1ミリにもみたない小型の種類から、10センチ以上になる大型のものまで小気候の環境下で様々な生育形態をしています。河川の下流部の開けたところは氾濫原として表土がかき回されるので短期に生育を繰り返す種類が多く見られます。中上流域になると、大小さまざまな岩が点在し、大きな樹木が育たない、開けた日照の厳しい環境下になりますが、そのなかでも耐乾性を持った種類がみられます。最上流域となると、谷も狭まり、空中湿度も高く、一般的なコケによい生育環境となり多くの種類が生育しています。都市部のコンクリート壁や道路沿いの砂塵が積もるようなところのやや湿り気のあるところにも幾種類かのコケがたくましく生育しています。いづれにしても、他の植物が生育していない隙間を埋めている「緑」が広範な性質を持ったコケ植物です。
ゼニゴケのなかま
ハタケゴケ
秋から冬にかけて、田、畦や川原の粘土質の土の上に、この仲間は2年草的な生育をします。氾濫原が元々の生育地と考えられています。
ミカヅキゼニゴケ
1926年仙台で見つかりました。現在では都市部を中心に庭先などによく見られます。ヨーロッパ原産の帰化植物と考えられています。
フタバネゼニゴケ
ゼニゴケの仲間は、杯状体をもち、その中に無性芽(ヤマノイモのムカゴにあたるもの)をたくさん作り、繁殖します。
ケゼニゴケ
ビロウド状の暗緑色の体の先端には、細かな毛がいっぱい生えていてこの名があります。
世界中に分布し、土手や谷川沿いに多く、日陰地を好みます
ホソバミズゼニゴケ
流水中や水の滴るところに生えます。写真のようにタイ類(ゼニゴケの仲間)の胞子体はモヤシのような軸をもつのが特徴です。
フル ノコゴケ
クサリゴケのなかまで、やや乾燥しやすい場所の樹幹や岩上に群生します。次のヤスデゴケのなかまと同様に乾燥に比較的強く、一般てきなコケのイメージとは違います。
ヤスゲゴケの一種
前種と同様に、茎と葉を持った体のつくりになっています。タイ類のなかまは、ほとんどこの形態で、特にヤスデゴケの葉は壺状の特異な形をしています。
ジャゴケ
谷沿いのやや日陰地に生え、北半球に広く分布していますが、熱帯や南半球には生育していません。和名は、葉状体の表面の区画模様をヘビの鱗になぞれたものです。
トサカゴケ
茎葉体のコケでは、葉の形に特徴があります。このコケは葉の先が二裂しています。
ミ ド リヤスデゴケ
人家に近いカキの木などの樹幹によくみられます。乾燥に強く、標本にしていた紙袋の中で半年以上生きています。
フジウロコゴケ
清流に生育する種類です。いつも水の流れがあることが必要で、しかも急すぎず、深すぎず、暗すぎず、限られた場所にみることができます。
(「生きている猪名川」旧版より ; 生きているシリーズで猪名川旧版が一番コケの紹介が多い。)