憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

ワイダとアールーヌーボー

2022-09-19 12:57:40 | 憂生日記 その1

ワイダーの地下水道の中でも、象徴的にくりかえされるのが、

ドイツ軍が毒ガスをまいた。

と、いう言葉なのだが、

これは、地下水道、むしろ、地下下水道の水底からわきあがる瘴気・・例えば、メタンガスとか?

この毒素とドイツ兵の襲撃による、毒ガス散布が、映画を見ている側にも、どっちが、事実かわからなくなる。

閉じ込められた世界というものは、ただでさえ、人の精神を侵す。

死の恐怖と閉鎖世界のなか、瘴気の毒素なのか、ドイツ軍の毒ガスなのか、

認識することもできず、パニックになっているとも解釈できる。

それをどちらとも、取れる表現にすることで、精神的パニックを描いてるのだと思うから

この手法にのみこまれ、後半で、精神崩壊をおこす人間がでてくるわけだけど、

そこへの、暗黙的了解を観客にしきつめてしまう。

見事な演出構成だと思う。

 

こういうパターンの最たるところが、実は四谷怪談ではないかと思う。

状況は違うけれど、怨念が実体化していく。

通常に考えれば、ありえない。そんなスーパーマン?みたいに

自由自在に怨念をわが身(お岩)があやつれるものか。

ところが、幽霊になって、伊ヱ衛門を取り殺してもおかしくないと

観客に暗黙的了解をしきつめてしまうわけだ。

 

こういう部分の、作り方というのは

別の言い方をすれば、因果応報的作り方でもあるといえるとおもうのだが、

ワイダの作品が、やけに日本的感覚にあっているとかんじたのも

このせいだろう。

そして、ワイダをしらべれば、日本への傾倒がみうけられ、

ワイダに日本をおしえたのは、アールーヌーボーではないか?

アール・ヌーボーといえば、(同じようにドイツに苦しめられたチェコ)ということもあり、

ロートレックより、アルフォンス・ミュシャがうかんだ。

そして、以下のぶぶん・・・。

1939年3月、ナチスドイツによってチェコスロヴァキア共和国は解体された。プラハに入城したドイツ軍によりミュシャは逮捕された。「ミュシャの絵画は、国民の愛国心を刺激するものである」という理由からだった。ナチスはミュシャを厳しく尋問し、またそれは78歳の老体には耐えられないものであった。その後ミュシャは釈放されたが、4ヶ月後に体調を崩し、祖国の解放を知らないまま生涯を閉じた。遺体はヴィシェフラット民族墓地に埋葬された(現在はヤンラファエルのクベリーク親子と同じ墓石に埋葬されている)。

 

同じく、スメタナもあった。

 

ドイツ軍侵略といえば、もうひとつの物語。

C・モルガンの「人間のしるし」がうかびあがってもくるし、

アンネ・フランクも頭をかすめる。

 

話がどんどん、とびすさっていくので、元にもどして、

今度はスメタナを調べてくる。


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