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美の脇役

2010年06月04日 22時30分24秒 | 音楽~映画~本


今回の京都旅行で、参考書にさせていただいたのが、この
『美の脇役』~光文社、知恵の森文庫~です。

裏表紙に書いてあります。

四天王に踏まれる邪鬼、灯籠に彫られた兎、書院ふすまの引き手、山道に佇む石仏……。
注目されずとも、特異な存在感を放つ「美」がここにある。
京都・奈良を中心に、黙々とそろった百の「脇役」。
鮮烈で精緻な写真と共に、作家・俳人・学者・僧などがその魅力を語る。
作家・司馬遼太郎氏が産経新聞社時代に手がけた好評企画、待望の文庫化。

、、だそうです。



まだ、竜馬がゆく、を世に出す前の司馬さん、現在はプロカメラマンの井上博道さん
(当時は新聞社のカメラマン)が組んだ新聞の連載企画だったのです。

井上博道氏の写真に各氏の解説が素晴らしいです。
昭和33年から産経新聞に掲載されたものを2005年末に文庫化した本です。
産経新聞の福田定一氏(彼の作家名は司馬遼太郎)が井上氏を呼び出して始まった企画です。



国宝や重文は素晴らしいものでしょう。
がしかし、野原に一つ国宝が有っても、それは味気ないもの。
一つだけ突出したものが無から急に出来る道理もありません。

頂点があると言うことは、それを支える無数の名もない?文化が有ると言うことだと思います。

そう言った、誰もが注目する(寺院等の)本尊などではなく、広縁や手水鉢、門の大鋲から平等院の鳳凰まで多彩な脇役に光りをあてている本なのです。


司馬さんの遼のシンニュウは、本当は点が2つ(楷書)。
辷みたいに。
だから進も近も本来は点2つ。
当用漢字で点1つに省略されてしまったのです。


ひょっとしたら、ですが、この企画の後に始まった竜馬が行く。
司馬さんは(まだまだ当時は認知度が低かった)坂本龍馬を『維新の脇役』
として調べ始めたのかな。。。。
なんてね!





この本には、西本願寺の美の脇役も紹介されています。
がしかし、わたしが見つけたちっぽけな石では無かったですが。。

この本には感銘を受けました。
これからも、私なりに小さな小さな美の脇役を探していきたいと思っています。。


●今朝の月です。



陰陽のこと、太陽に対して考えれば、月もまた一種の『美の脇役』なのかもしれませんね。。




アップし忘れていた、5月18日の月です。

PCが、またまたご機嫌斜め。
しばらく更新が滞るかもしれません。。