知らなかった

京都の出町柳のほんやら洞は２０１５年１月１６日の火災で全焼して２１日をもって閉店していたのだった。まあ　あたしは席を確保するのも困難だった全盛期を知ってるんだが　全焼する数年前に行ったら　誰も客がいなくて　ああ時代は変わったんだな・・と思った記憶がある。最後の店主の写真家の甲斐扶佐義氏は今は木屋町で八文字屋ってバーをやってるそうな。まあ色々覗いてみたら　大人のほんやら洞・・って位置づけみたいである。ひとつの時代がひっそり終わったんだな・・と思う。全盛期は京都の文化　関西フォークの拠点だったが　あたしが最後に行ったころは　もう残り香すら無かったからああ　終わったんだな・・と思ってたけど　物理的に終わってるとは知らなかった。あたしが自分で作るチキンカレーはこの店の味とよく似ている。当時千本今出川下るのスーパーで金も無いのに無理やり買った寸胴鍋は　未だに現役だったりするが　あの店はもう無い。寂しいものである。ほんやら洞の裏手に　高校の友人のＭ君の下宿があった。冬の小雪が舞う中を下駄履きで下鴨の飲み屋に行ってたが　そのＭ君も若くして鬼籍に入ったらしい。四条のマンホールも　蝶類図鑑も　三条のビッグボーイも　荒神口のしあんくれーるも今は無い。しあんくれーるに至っては　立命まで衣笠に移転しちゃったからもう面影すらない。あたしも歳くったな・・と思う。いろんなものがなくなっていく。あたしも２０１６年１月１１日には運が悪ければ全焼というかあの世行きだったんだから　まあまだマシか・・・・