Ueno Art Walkの「歴史VRと世界遺産体験ツアー」で最後に訪れたのが国立西洋美術館。ここも世界遺産のひとつ。ル・コルビュジエにより1959年竣工されました。ピロティー、スロープ、自然光を利用した照明などの彼の魅力が詰まってます。
外壁はのっぺりしないように小石が張られ、建物を支える丸い柱は型枠に木を使ったため美しい木目が見られます。デザインを損なわないように、雨樋をあえて屋内に設置したというこだわりにもびっくり。支柱の隣に楕円柱型の雨樋が館内を垂直に通っていました。
関西大震災以降、建物に施されたのが日本初の免震レトロフィット。建物の周囲にある排水溝が免震システムとの境目。地下のガラス窓から構造の一部を見ることができます。前庭の彫刻にも免震台が施され、敷地は道から1メートルほど盛り上がっています。入るときには全く意識してなかったんだけど、こういうことだったんですね。
一階ミュージアムショップ入り口付近には、ル・コルビュジエが西洋美術館と共にやりたかった構想が壁に。西洋美術館建築にはル・コルビュジエの基本設計を前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3人の弟子が実施設計したそうですが、後に、向かいに建った東京文化会館は前川國男によるもの。実現できなかった彼の意思を引き継いだ形になってます。面白いことに、西洋美術館の前庭にある御影石の細い目地は文化会館の柱に続き、ひときわ太い目地は文化会館のホール中央に続くのだとか。師弟関係の強い絆が感じられます。
2019年3月 Ueno Art Walk 歴史VRと世界遺産体験ツアー
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