村上春樹と夏目漱石――二人の国民作家が描いた(祥伝社新書243) | |
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祥伝社 |
大学の文学論講義にありそうな内容。
そういった講義は一つも受けたことがないけども。
P19の「漱石の作品において、主人公は、ほとんど常に近代日本の暗喩としての側面をはらみ、
その作中での行動や振舞いは、同時代の日本の政治的な動向を写し出しています。」
という記述。
文学論としては常識なんだろうけど、僕は初めて知った。
こうゆう面があるから「国民的作家」になるんだなと思い知る。
他は詳しい解説になる。社会情勢やそれに対する著者の思想・姿勢が
丁寧に解説されている。
文学論の手法を会得していると、小説もこうゆうふうに読めるんだね。
豊かさを感じる。
久々に新鮮な感覚を覚えてた。
僕の中で乾いていた部分が少し潤った気がした。