それが一番の問題

概要は後からついてくる

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書) 谷岡 一郎

2008年10月11日 | 
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
谷岡 一郎
文藝春秋

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ごもっとも。

内容の大半は、大学の社会学の授業で習った。
社会調査の結果は日常的に目にするのに、習ったハズのことを意識して生活していなかった。
このことに気がつけたのは、自分のためになると思う、、、また忘れなければね。

一番感心したのは、著者の姿勢。終始一貫、ブレがない。
新聞社を批判するときは、記者ではなくて、「組織の中の誰か」と書き、
現場の人間のレベルの低さなどで片付けない。
つまり、背後で大きな力が働いていることを前提として書いている。
著者の目的は、ゴミみたいな社会調査の根絶ではなくて、
読者のリサーチ・リテラシーを向上させることにある、、、と思う。
実はそれが、ゴミ調査を根絶する一番の近道かも知れないし。

著者自身が研究者だし、僕の理解では基本的に研究者は一匹狼なので、同じ
研究者に対する批判は痛烈。反論があれば必ず受けて立つ、と書いた上
でのことなので、筋が通ってると思う。

初版が平成12年だから、、、2000年か。
新聞社や役所が行う社会調査は変わったのかな。

僕の勝手な考えでは、最大の敵は、日常生活の忙しさ。
新聞社の調査の詳細を問い合わせるどころか、疑問に思うことままならない。
だからこそ、汚染された情報の蔓延に警笛を鳴らす本書を読んでると、心が引き締まる気がする。
故に、こうゆう本を書く研究者は社会にとって有益であり得る。

こんな記事を書いといて、実はこの本自体がゴミだったりして。
最後には、自分が賢くなるしかないね。

精度100%の社会調査の登場は期待してない。ただ、hidden intentionを見抜けるように
なりたい。さも無ければ、一生懸命に議論しても踊らされてるだけだもの。

それにしても、新聞社の思想や役所の思惑が存在するのは理解できるんだけど、
それを操ってるのは、どんな人たちなんだろ。

知らないのは僕ぐらいなのか。
それとも、本当は誰も知らないのか。

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