以下、読書メモ。
<全体>
今のコーヒー業界は、一部の高額な、、Cup of Excellenceで優勝や入賞したコーヒーの値段が話題になるけど、圧倒的多数の人にとっては関係ない。
入賞できる見込みはなく、満足な生活ができる収入を得られない人がいて、そこをどうするかが大切だと思う。
<P5>
清田さんは、48歳のときに熊本で自家焙煎のオーガニックの珈琲店を立ち上げた。
<P28>
「日本フェアトレード委員会」は清田和之さんが作った。
<P42>
1503年にコーヒースリランカに伝わった。
<P46>
ロンドンにはかつて(1714年)8000軒以上のコーヒーハウスがあった。1739年には500軒までに減った。英国でもかつてはコーヒーが多く消費されていた。。国策かな。コーヒーの方が消費するまでに手間がかかるからね。
<P47>
スリランカではサビ病が発生して、コーヒーの栽培をしなくなったと言われているが、英国がコーヒーよりも儲かるお茶に大転換をした。その時に、インドからタミル人を連れてきて、優遇した。(その後、スリランカが英国から独立した後に差別されて、それが内戦の火種になった。
<ランダム>
スリランカではかつでコーヒーが栽培されていたことすら忘れられていた。
<P57>
相棒のスリランカ人はスポーツ省の役人だった。ピアテッサさん。
<P65>
スリランカも、他の植民地の国のように、貧困から脱出できないシステム。大規模な単一栽培を北の先進国に買い叩かれて、適正な収入が入らない。経済支援の名のもとに貸し付けられたお金は債務として発展途上の国を苦しめる。
<P86>
スリランカ人の気質は日本人との仕事には合わないことが多い。のんびりだったり。指示していたことを守れない、とか。
<P94>
「草の根技術協力事業」 by JICA(独立行政法人国際協力機構)。
NPO法人や民間の団体の活動をJICAが支援し、共同で事業を実施するという制度。
→→制度はある。これ以外にもあると思う。知らないだけだ。もっと知っていれば、なにができるのかイメージすることもできるようになるだろう。
<P95>
生山洋一。日本フェアトレード協会で現地に駐在していた人。
→→少しググってみた。まだ本書に近めのご活動をなさっている。
<P103>
お金をせびられたりもする。
→→そう。清貧ってわけではない。貧しさは人の心を卑しくすることもある。子供は天使ではないように。
<P104>
500kg。輸入するときは、このくらいのボリュームがないと、コンテナとか他の輸送やその他あらゆる手配にかかるコストが見合わないってことなんだろう。。
ある程度の規模が必要なのである。
<P119>
吉盛真一郎さん
前田建設で働いていて、キャンディでカフェを開店した人。清田さんに刺激を受けて、人生を変えた人。
<P121>
裨益(ひえき)
ある事の助け、補いとなり、利益となること。
<P123>
手ひどい裏切りや欺瞞がある。
→→本当に甘く無いんだ。こうゆうことがある。人生には。
<P125>
スリランカは自殺率が高い国。2015年は世界ワースト1位。特に女性が高い。
<P127>
KAFOGA 「Kandy Forest Garden」
スリランカ人が自立的に運営する拠点。
<P134>
「KIYOTA Coffee Company」
清田さんの名前をとって設立された会社。
カフォガの代わりに作られてた。スリランカで自国のコーヒーを流通させるため。2017年。
<P148>
「最後に勝つのは品質」
スリランカで成功すると、類似ビジネスが大量に発生した。
地元のネットワークを駆使して豆を横どりしたり。
こうしたとき、最後に勝つのは品質。
→→真似をする奴ら、嫌がらせをする奴らはどこにでもいると思う。そいつらとの競争とか戦いを強いられる。
そんな時、最後に勝つのは確かに品質で、それは伝染する情熱によって支えられるものだと思う。情熱は真似できない。コピーできないオリジナル。で、そんな本物になるには、自分を信じつづけるしかないのだ。
<P148>
スリランカ政府もアラビカ珈琲の人品種改良に取り組んでいた。「ラクパラクン」。これはスリランカに実在した王様の名前。
<P161 - P165>
スリランカ経済
テロとコロナで観光収入に打撃
ロシアのウクライナ進行でエネルギーコストが上昇
中国からの「支援」から発生する債務
さらに、、、
2019年に当時の大統領ラージャパクサ氏が国内の農業をすべて有機無農薬栽培に移行するという政策をとった。段階的にやるべきだったと思うが。
2023年、7月5日にウィkジュラマシンハ首相が議会で国の破産を宣言した。ラージャパクサ大統領一族は国外に逃亡した。
→国が不安定で、ビジネス環境としても非常にハード。日本から送金しても、ちゃんとに着金するかわからないと日本で銀行から言われる、、とか。ほんとに想像を絶する状況。
<P173>
「スリランカ人と自分の間にいつも大きなギャップを感じていた。……これで最後にしようと何度も思ったことか」
→→僕も外国で仕事した経験から非常によくわかる。日本にいても、他人と違うと感じることはよくあるけれど。
それより、常に情熱に燃えていたり、使命感を強く感じていたり、充実感に溢れてたのではないことがわかった。
<P179 - P182>
吉盛真一郎さん。カフェ・ナチュラルコーヒーを開いた人。
2019年にテロが発生して観光客が激減。一等地の高い家賃。さらに、スリランカ人のパートナーに裏切られた経験をお持ち。
インドの日系会計事務所に就職した。今は南インドに進出する日本企業のコンサルタントもしている。
社名は株式会社 環(わ)のもり
カフェも継続している。2022年にスリランカ人女性と結婚した。
→→大変なことも多いと思うけど、すばらしい生き方だと思う。
<P183>
2022年末に発送された豆。欠点豆の混入が多くてほとんど使えなかった。カビが生えているもある。船のなかでカビる。それは、現地での乾燥の仕方に問題がある。
→→品質の問題は20年たっても変わらない。経済環境が悪化して、コーヒーの質が振り出しまでではないかも知れないけど、かなり戻ってしまったのだと思う。
一方で、「完璧を求める必要があるのか?」ともこの本は問う。
KCCのコーヒー豆はスリランカ内では高品質と評される。
→→確かに、値段と品質が合致していれば良いのかも知れない。でも、今は、味にうるさい人くらいしかコーヒーの品質にこだわらないかも知れない。スリランカくらいの品質とその価格に対する需要が無いんだね。。
<P185>
気候変動の影響で2025年にはコーヒーを栽培できる土地は現在の50%になってしまう可能性がある。
「2050年問題」。
→→2050年問題はもう少し詳しく勉強したい。良質なコーヒーの配給は不足する。
<P189>
20億円かかるが、スリランカから日本の動物園に象を連れていこうとしている。
→→夢を持って生きることが大切だよね。
<P192>
清田さんの奥さん、明子さん曰く「家族として、大変な部分は一割。お金もかかる活動だから。でも、あとの9割はたのし活たことばかり。だからそれでいいの。夫のおかげで、日本にいてはできない経験がいっぱいできたもの。それは何にも代えがたいことだから
→最高のことだと思う。人生を振りかって上記のように思えたら本当に最高だよ、
<P195>
「構造的な貧困」
→→これにタックルしたい。小学生だったころ、学校で「ソマリアの子どもたちのために募金をお願いします」と言われた。子どもながらに「募金するとしても、お父さんのお金しかない。僕にはなにもできない」と思って、僕は父親にお願いする気になれる、結局は協力できなかった。これが原体験だと思う。
そして、ソマリアは今も貧しいままだ。
なにかおかしいだろう。もっと良い方法があるはずだ。それはビジネスなんだ。思慮、情熱、行動によって作り出されるビジネスなんだ。そいつを実現するために、今日も学び、前に進むのだ。
<P197>
内戦の火種
イギリスがスリランカを植民地支配した際、紅茶生産のためにインドから多くのタミル人を連れてきて、タミル人を優遇する政策をとったことが発端になっている。
1948年にスリランカが独立した後、シンハラ人がタミル人を差別するようになった。
→英国人はどこでも悪いことをしているよね。僕の仕事も大きな流れの中ではあるが、このような流れに加担している方の勢力だな。。
<P200>
清田の言う「ほんとうのフェアトレード」は消費行動だけに留まらない。交流を通した持続可能なフェアトレードのことだ。
<P201>
コーヒー、カカオはスリランカに自生する。その輝きに現地の多くの人は気がついていない。
→→だから外部の人の目線が必要。文化人類学のような目線が。
<P201>
ふと出会った人や、ありふれたもの・ことに魅力を見出す。
イノベーションはそこから生まれる。チャンスはいつでも、どこでも、誰にもあるのだと、清田さんは教えてくれる。
清田さんは現在、熊本でスリランカ産カカオを使ったビーン・トゥ・バーチョコレートの事業を立ち上げて奮闘中。
→→脱帽。
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