万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌3965 春の花3687

2021年05月17日 | 万葉短歌

2021-0517-man3965
万葉短歌3965 春の花3687

春の花 今は盛りに にほふらむ
折りてかざさむ 手力もがも  大伴家持

3687     万葉短歌3965 ShuI190 2021-0517-man3965

□はるのはな いまはさかりに にほふらむ
  をりてかざさむ たぢからもがも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第76首。題詞に、「守大伴宿祢家持贈掾大伴宿祢池主悲歌二首」。続けて漢詩(要旨)に、枉疾(わうしつ)累旬(るいじゅん)に苦しみ百神を祷恃(こひたの)み、なほ身体疼羸(どうるい)筋力怯軟(けふぜん)にして展謝(てんしゃ)に堪(あ)へず。されど春朝春花春苑春暮春鶯春林の今、独り帷幄(ゐあく)の裏(うち)に臥していささかに寸分の歌を作る、と[下記注]。その第1首。
【訓注】手力(たぢから=多治可良)[「手の力。腕力」(『詳説古語辞典』)。03-0419手力毛欲得(たぢからもがも)、など集中3か所]。
【依拠本注-漢文の序】倭歌(やまとうた)に漢文の序(前文)を付すという形態は、父旅人の報凶問歌(05-0793)に始まるもので、旅人と憶良のあいだでしきりに用いられた方式・・・。家持自身にあっては、・・・弟書持への贈歌3911~3においてはじめて用いている・・・。
【原文】17-3965  波流能波奈 伊麻波左加里尓 仁保布良牟 乎里氐加射佐武 多治可良毛我母  大伴家持