万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2134 葦辺にある1965

2016年06月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2134 葦辺にある1965

葦辺にある 荻の葉さやぎ 秋風の
吹き来るなへに 雁鳴き渡る  

1965     万葉短歌2134 ShuE547 2016-0615-man2134

あしへにある をぎのはさやぎ あきかぜの
 ふきくるなへに かりなきわたる
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第7首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第139首。脚注に、「一云 秋風尓 鴈音所聞 今四来霜(あきかぜに かりがねきこゆ いましくらしも)」。
【訓注】葦辺(あしへ)。さやぎ(左夜芸)。なへに(苗丹)。雁(かり=鴈)。


万葉短歌2133 秋の田の1964

2016年06月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2133 秋の田の1964

秋の田の 我が刈りばかの 過ぎぬれば
雁が音聞こゆ 冬かたまけて  

1964     万葉短歌2133 ShuE545 2016-0614-man2133

あきのたの わがかりばかの すぎぬれば
 かりがねきこゆ ふゆかたまけて
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第6首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第138首。
【訓注】秋の田の(あきのたの=秋田)。我がかりばか(わがかりばか=吾刈婆可)[「はか」は「範囲」、「はかどる」の語源。04-0512穂田乃苅婆加(ほだのかりばか)、16-3887苅婆可(かりばか)]。雁が音(かりがね=鴈之喧)。冬かたまけて(ふゆかたまけて=冬方設而)[下記注]。
【編者注-かたまけて】現代訓「近づいて」。原文出現は、02-0191春冬片設而(ときかたまけて)、05-0838波流加多麻気弖(はるかたまけて)、10-1854時片設奴(ときかたまけぬ)、-2133冬方設而(ふゆかたまけて)、-2163夕片設而(ゆふかたまけて)11-2373夕方任(ゆふかたまけて)、13-3255(長歌)命方貯(いのちかたまけ)、15-3619秋加多麻気弖(あきかたまけて)。


万葉短歌2132 天雲の1963

2016年06月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2132 天雲の1963

天雲の 外に雁が音 聞きしより
はだれ霜降り 寒しこの夜は  

1963     万葉短歌2132 ShuE545 2016-0613-man2132

あめくもの よそにかりがね ききしより
 はだれしもふり さむしこのよは
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第5首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第137首。脚注に、「一云 弥益々尓 恋許曽増焉(いやますますに こひこそまされ)」。
【訓注】天雲(あめくも)。外に雁が音(よそにかりがね=外鴈鳴)。はだれ霜(はだれしも=薄垂霜)[08-1420薄太礼尓零(はだれにふる)、09-1709落波太列(ふりしはだれ)、10-2337薄太礼零(はだれふり)、19-4140波太礼(はだれ)]。


万葉短歌2131 さを鹿の1962

2016年06月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2131 さを鹿の1962

さを鹿の 妻どふ時に 月をよみ
雁が音聞こゆ 今し来らしも  

1962     万葉短歌2131 ShuE545 2016-0612-man2131

さをしかの つまどふときに つきをよみ
 かりがねきこゆ いましくらしも
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第4首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第136首。
【訓注】さを鹿(さをしか=左小壮鹿)。妻どふ時(つまどふとき=妻問時)。よみ(吉三)。雁が音(かりがね=切木四之泣)[06-0948(長歌)折木四哭(かりがね)、両表記各1か所]。


万葉短歌2130 我がやどに1961

2016年06月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2130 我がやどに1961

我がやどに 鳴きし雁がね 雲の上に
今夜鳴くなり 国へかも行く  

1961     万葉短歌2130 ShuE540 2016-0611-man2130

わがやどに なきしかりがね くものうへに
 こよひなくなり くにへかもゆく
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第3首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第135首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋戸)。雁がね(かりがね=鴈哭)。今夜(こよひ)。行く(ゆく=遊群)。


万葉短歌2129 明け暮れの1960

2016年06月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2129 明け暮れの1960

明け暮れの 朝霧隠り 鳴きて行く
雁は我が恋  妹に告げこそ  

1960     万葉短歌2129 ShuE540 2016-0610-man2129

あけくれの あさぎりごもり なきてゆく
 かりはあがこひ いもにつげこそ
=未詳。
【編者注】「詠鴈」(2128~2140、13首)の第2首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第134首。
【訓注】明け暮れ(あけくれ=明闇)。朝霧隠り(あさぎりごもり=朝霧隠)。雁は我が恋(かりはあがこひ=鴈者言恋)[下記注]。
【依拠本注-あがこひ】…「我が」の原文「言」は、「我」の意。…11-2533・2534 など、例が少なくない。
【編者注-あがこひ】10-2129言恋(あがこひ)、11-2533言者(われは)、-2534言恋(あがこひ)。同旨表記、ふつうには「我恋」「吾恋」で、双方とも多い。


万葉短歌2128 秋風に1959

2016年06月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2128 秋風に1959

秋風に 大和へ越ゆる 雁がねは
いや遠ざかる 雲隠りつつ   

1959     万葉短歌2128 ShuE540 2016-0609-man2128

あきかぜに やまとへこゆる かりがねは
 いやとほざかる くもがくりつつ
=未詳。
【編者注】題詞は「詠鴈」(2128~2140、13首)、その第1首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第133首。
【訓注】大和(やまと=山跡)。雁がね(かりがね=鴈鳴)。いや遠ざかる(いやとほざかる=射矢遠放)。雲隠り(くもがくり=雲隠)。


万葉短歌2127 秋さらば1958

2016年06月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2127 秋さらば1958

秋さらば 妹に見せむと 植ゑし萩
露霜負ひて 散りにけるかも   

1958     万葉短歌2127 ShuE537 2016-0608-man2127

あきさらば いもにみせむと うゑしはぎ
 つゆしもおひて ちりにけるかも
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第34首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第132首。
【原文】10-2127  秋去者 妹令視跡 殖之芽子 露霜負而 散来毳  作者未詳


万葉短歌2126 秋萩は1957

2016年06月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2126 秋萩は1957

秋萩は 雁に逢はじと 言へればか
声を聞きては 花に散りぬる   

1957     万葉短歌2126 ShuE537 2016-0607-man2126

あきはぎは かりにあはじと いへればか
 こゑをききては はなにちりぬる
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第33首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第131首。第3句割注読下しに、「一には<云へれかも>といふ」。
【訓注】秋萩(あきはぎ=秋芽子)。雁(かり=鴈)。声(こゑ=音)。花に散りぬる(はなにちりぬる=花尓散去流)。


万葉短歌2125 春日野の1956

2016年06月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2125 春日野の1956

春日野の 萩は散りなば 朝東風の
風にたぐひて ここに散り来ね   

1956     万葉短歌2125 ShuE536 2016-0606-man2125

かすがのの はぎはちりなば あさごちの
 かぜにたぐひて ここにちりこね
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第32首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第130首。
【訓注】春日野(かすがの)[奈良市春日大社辺]。萩(はぎ=芽子)。朝東風の(あさごちの=朝東)。ここに(此間尓)。[散る=落(2か所)]。


万葉短歌2124 見まく欲り1955

2016年06月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌2124 見まく欲り1955

見まく欲り 我が待ち恋ひし 秋萩は
枝もしみみに 花咲きにけり   

1955     万葉短歌2124 ShuE536 2016-0605-man2124

みまくほり あがまちこひし あきはぎは
 えだもしみみに はなさきにけり
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第31首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第129首。
【訓注】我が(あが=吾)。秋萩(あきはぎ=秋芽子)。しみみに(思美三荷)[下記注].[咲く=開]。
【編者注-しみみに】対応原文の出現か所は、次のとおり。03-0460(長歌)京思美弥尓(みやこしみみに)、10-2124枝毛思美三荷(えだ、しみみに)、11-2529路毛四美三荷(みちもしみみに)、-2748四美見似裳(しみみにも)、12-3062垣毛繁森(かきもしみみに)、13-3324(長歌、2か所)王都志弥美尓(みやこしみみに)、砌志美弥尓(みぎりしみみに)。


万葉短歌2123 我が待ちし1954

2016年06月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2123 我が待ちし1954

我が待ちし 秋は来りぬ しかれども
萩の花ぞも いまだ咲かずける   

1954     万葉短歌2123 ShuE536 2016-0604-man2123

あがまちし あきはきたりぬ しかれども
 はぎのはなぞも いまださかずける
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第30首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第128首。
【訓注】我が(あが=吾)。萩の花(はぎのはな=芽子之花)。[咲く=開]。


万葉短歌2122 ますらをの1953

2016年06月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2122 ますらをの1953

ますらをの 心はなしに 秋萩の
恋のみにやも なづみてありなむ   

1953     万葉短歌2122 ShuE534 2016-0603-man2122

ますらをの こころはなしに あきはぎの
 こひのみにやも なづみてありなむ
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第29首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第127首。
【原文】10-2122  大夫之 心者無而 秋芽子之 戀耳八方 奈積而有南  作者未詳


万葉短歌2121 秋風は1952

2016年06月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌2121 秋風は1952

秋風は 日に異に吹きぬ 高円の
野辺の秋萩 散らまく惜しも   

1952     万葉短歌2121 ShuE534 2016-0602-man2121

あきかぜは ひにけにふきぬ たかまとの
 のへのあきはぎ ちらまくをしも
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第28首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第126首。
【訓注】日に異に(ひにけに=日異)。高円(たかまと)[奈良市東南部山麓、春日山南。下記注]。野辺の秋萩(のへのあきはぎ4=野辺之秋芽子)。散らまく惜しも(ちらまくをしも=散巻惜裳)。
【編者注-高円】たかまと。地名としての出現は、02-0231高円之野辺秋芽子、-0233高円之野辺乃秋芽子、06-0948霞田名引高円、06-0981猟高乃高円山、-1028(題詞)天皇遊猟高円野之時、-1028大夫之高円山尓、08-1440高円山、-1571高円乃、-1605高円之野辺乃秋芽子、-1629(長歌)高円乃山、-1630高円之野辺乃容花、10-1866高円辺丹、-2121高円之野辺之秋芽子、20-4295(題詞)登高円野、-4506思高円。


万葉短歌2120 秋萩に1951

2016年06月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌2120 秋萩に1951

秋萩に 恋尽さじと 思へども
しゑやあたらし またも逢はめやも   

1951     万葉短歌2120 ShuE534 2016-0601-man2120

あきはぎに こひつくさじと おもへども
 しゑやあたらし またもあはめやも
=未詳。
【編者注】「詠花」(2094~2127、34首)の第27首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第125首。
【訓注】秋萩(あきはぎ=秋芽子)。しゑやあたらし(思恵也安多良恵)。[逢ふ=相]。
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