万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2255 我がやどの2086

2016年10月16日 | 万葉短歌

2016-1016-man2255
万葉短歌2255 我がやどの2086

我がやどの 秋萩の上に 置く露の
いちしろくしも 我れ恋ひめやも  

2086     万葉短歌2255 ShuE647 2016-1016-man2255

わがやどの あきはぎのうへに おくつゆの
 いちしろくしも あれこひめやも
=作者未詳。
【編者注】寄露(10-2252~2259、八首)の第4首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第17首。男歌。
【訓注】我がやどの(わがやどの=吾屋前)。秋萩の(あきはぎの=秋芽子)。いちしろくしも(市白霜)[はっきりと。下記注]。
【編者注-いちしろく】出現個所は、04-0688灼然(いちしろく)、08-1643灼然、10-2197灼然、-2155市白霜(いちしろくしも)、-2268灼然、-2274灼然、-2339市白霜、-2346灼然(或本歌も)、11-2497灼然、-2604灼然、12-3021市白久(いちしろく)、-3023灼然出(いちしろくいでぬ)、-3133灼然、16-3811(長歌)伊知白苦(いちしろく)、17-3935伊知之路久伊泥奴(いちしろくいでぬ)、19-4148灼然。


万葉短歌2254 秋萩の2085

2016年10月15日 | 万葉短歌

2016-1015-man2254
万葉短歌2254 秋萩の2085

秋萩の 上に置きたる 白露の
消かもしなまし 恋ひつつあらずは  

2085     万葉短歌2254 ShuE647 2016-1015-man2254

あきはぎの うへにおきたる しらつゆの
 けかもしなまし こひつつあらずは
=作者未詳。
【編者注】寄露(10-2252~2259、八首)の第3首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第16首。男歌。08-1608(弓削皇子)歌の重出。
【訓注】秋萩(あきはぎ=秋芽子)。消かもしなまし(けかもしなまし=消鴨死猿)。


万葉短歌2253 色づかふ2084

2016年10月14日 | 万葉短歌

2016-1014-man2253
万葉短歌2253 色づかふ2084

色づかふ 秋の露霜 な降りそね
妹が手本を まかぬ今夜は  

2084     万葉短歌2253 ShuE646 2016-1014-man2253

いろづかふ あきのつゆしも なふりそね
 いもがたもとを まかぬこよひは
=作者未詳。
【編者注】寄露(10-2252~2259、八首)の第3首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第15首。男歌。
【訓注】色づかふ(いろづかふ=色付相)。手本(たもと)。まかぬ(不纒)。


万葉短歌2252 秋萩の2083

2016年10月13日 | 万葉短歌

2016-1013-man2252
万葉短歌2252 秋萩の2083

秋萩の 咲き散る野辺の 夕露に
濡れつつ来ませ 夜は更けぬとも  

2083     万葉短歌2252 ShuE646 2016-1013-man2252

あきはぎの さきちるのへの ゆふつゆに
 ぬれつつきませ よはふけぬとも
=作者未詳。
【編者注】寄露(10-2252~2259、八首)の第1首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第14首。女歌。
【原文】10-2252  秋芽子之 開散野辺之 暮露尓 沾乍来益 夜者深去鞆  作者未詳


万葉短歌2251 橘を2082

2016年10月12日 | 万葉短歌

2016-1012-man2251
万葉短歌2251 橘を2082

橘を 守部の里の 門田早稲
刈る時過ぎぬ 来じとすらしも  

2082     万葉短歌2251 ShuE644 2016-1012-man2251

たちばなを もりべのさとの かどたわせ
 かるときすぎぬ こじとすらしも
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第8首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第13首。女歌。
【訓注】橘(たちばな)[地名?枕詞?]。守部の里(もりべのさと=守部乃五十戸)[所在未詳。下記注]。
【依拠本注-五十戸】「里」の原文「五十戸」は、戸令(こりょう)その他に五十戸をもって里となすとあるのによる表記。


万葉短歌2250 春霞2081

2016年10月11日 | 万葉短歌

2016-1011-man2250
万葉短歌2250 春霞2081

春霞 たなびく田居に 廬つきて
秋田刈るまで 思はしむらく  

2081     万葉短歌2250 ShuE643 2016-1011-man2250

はるかすみ たなびくたゐに いほつきて
 あきたかるまで おもはしむらく
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第7首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第12首。男歌。
【訓注】春霞(はるかすみ)。たなびく(多奈引)。廬(いほ)。まで(左右)。思はしむ(おもはしむ=令思)。


万葉短歌2249 鶴が音の2080

2016年10月10日 | 万葉短歌

2016-1010-man2249
万葉短歌2249 鶴が音の2080

鶴が音の 聞こゆる田居に 廬りして
我れ旅なりと 妹に告げこそ  

2080     万葉短歌2249 ShuE642 2016-1010-man2249

たづがねの きこゆるたゐに いほりして
 われたびなりと いもにつげこそ
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第6首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第11首。男歌。
【訓注】鶴が音(たづがね=鶴鳴)。田居(たゐ=田井)。廬り(いほり=五百人)。我れ旅なり(われたびなり=吾客有)。


万葉短歌2248 秋田刈る2079

2016年10月09日 | 万葉短歌

2016-1009-man2248
万葉短歌2248 秋田刈る2079

秋田刈る 仮廬を作り 廬りして
あるらむ君を 見むよしもがも  

2079     万葉短歌2248 ShuE642 2016-1009-man2248

あきたかる かりいほをつくり いほりして
 あるらむきみを みむよしもがも
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第5首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第10首。女歌。
【訓注】仮廬を(かりいほを=借廬)。廬り(いほり=五百人)。


万葉短歌2247 秋の田の2078

2016年10月08日 | 万葉短歌

2016-1008-man2247
万葉短歌2247 秋の田の2078

秋の田の 穂向きの寄れる 片寄りに
我れは物思ふ つれなきものを  

2078     万葉短歌2247 ShuE641 2016-1008-man2247

あきのたの ほむきのよれる かたよりに
 われはものもふ つれなきものを
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第4首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第9首。
【訓注】我れは物思ふ(われはものもふ=吾者物念)。つれなきものを(都礼無物乎)。


万葉短歌2246 秋の田の2077

2016年10月07日 | 万葉短歌

2016-1007-man2246
万葉短歌2246 秋の田の2077

秋の田の 穂の上に置ける 白露の
消ぬべくも我は 思ほゆるかも  

2077     万葉短歌2246 ShuE641 2016-1007-man2246

あきのたの ほのうへにおける しらつゆの
 けぬべくもわは おもほゆるかも
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第3首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第8首。
【訓注】穂の上(ほのうへ=穂上)。我は(わは=吾者)。思ほゆる(おもほゆる=所念)。


万葉短歌2245 大刀の後2076

2016年10月06日 | 万葉短歌

2016-1006-man2245
万葉短歌2245 大刀の後2076

大刀の後 玉纏田居に いつまでか
妹を相見ず 家恋ひ居らむ  

2076     万葉短歌2245 ShuE638 2016-1006-man2245

たちのしり たままきたゐに いつまでか
 いもをあひみず いへこひをらむ
=作者未詳。
【編者注】寄水田(10-2244~2251、八首)の第2首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第7首。
【訓注】大刀の後(たちのしり=剣後)。玉纏(たまむき)[所在地未詳]。いつまでか(及何時可)。


万葉短歌2244 住吉の2075

2016年10月05日 | 万葉短歌

2016-1005-man2244
万葉短歌2244 住吉の2075

住吉の 岸を田に墾り 蒔きし稲
かくて刈るまで 逢はぬ君かも  

2075     万葉短歌2244 ShuE638 2016-1005-man2244

すみのえの きしをたにはり まきしいね
 かくてかるまで あはぬきみかも
=作者未詳。
【編者注】題詞は、寄水田(10-2244~2251、八首)、その第1首。秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第6首。
【訓注】住吉(すみのえ)[大阪市住吉(すみよし)区辺]。岸を田に墾り(きしをたにはり)[01-0069崖之埴布(きしのはにふ)。下記注]。
【依拠本注-岸乎田尓墾】「岸」は山脇の崖っぷち。開墾しにくい所。I69参照。「墾(は)る」は山野を新たに開いて田畑や道路を作ること。蒔きし稲(まきしいね=蒔稲)[ここだけの表記]。


万葉短歌2243 秋山に2074

2016年10月04日 | 万葉短歌

2016-1004-man2243
万葉短歌2243 秋山に2074

秋山に 霜降り覆ひ 木の葉散り
年は行くとも 我れ忘れめや  

2074     万葉短歌2243 ShuE634 2016-1004-man2243

あきやまに しもふりおほひ このはちり
 としはゆくとも われわすれめや
=柿本人麻呂之歌集。
【編者注】秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第5首。男女誓歌。左注に、「右柿本朝臣人麻呂歌集之歌集出」。
【原文】10-2243  秋山 霜零覆 木葉落 歳雖行 我忘八  柿本人麻呂歌集


万葉短歌2242 秋の野の2073

2016年10月03日 | 万葉短歌

2016-1003-man2242
万葉短歌2242 秋の野の2073

秋の野の 尾花が末の 生ひ靡き
心は妹に 寄りにけるかも  

2073     万葉短歌2242 ShuE634 2016-1003-man2242

あきののの をばながうれの おひなびき
 こころはいもに よりにけるかも
=柿本人麻呂之歌集。
【編者注】秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第4首。男歌。
【訓注】末の(うれの=末)。心は(こころは=心)。寄りにけるかも(よりにけるかも=依鴨)。


万葉短歌2241 秋の夜の2072

2016年10月02日 | 万葉短歌

2016-1002-man2241
万葉短歌2241 秋の夜の2072

秋の夜の 霧立ちわたり おほほしく
夢にぞ見つる 妹が姿を  

2072     万葉短歌2241 ShuE634 2016-1002-man2241

あきのよの きりたちわたり おほほしく
 いめにぞみつる いもがすがたを
=柿本人麻呂之歌集。
【編者注】秋相聞(10-2239~2311、七十三首)の第3首。男歌。
【訓注】霧立ちわたり(きりたちわたり=霧発渡)。おほほしく(凡々)。夢(いめ)。妹が姿を(いもがすがたを=妹形矣)。