万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2884 恋ひつつも2696

2018年07月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌2884 恋ひつつも2696 

恋ひつつも 今日はあらめど 玉櫛笥
明けなむ明日を いかに暮らさむ  

2696     万葉短歌2884 ShuF506 2018-0716-man2884

こひつつも けふはあらめど たまくしげ
  あけなむあすを いかにくらさむ
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第21首。女。
【原文】12-2884  恋管母 今日者在目杼 玉匣 将開明日 如何将暮  作者未詳
【類歌】10-1914  恋乍毛 今日者暮都 霞立 明日之春日乎 如何将晩  作者未詳
           (こひつつも けふはくらしつ かすみたつ あすのはるひを いかにくらさむ)
     15-3726  己能許呂波 古非都追母安良牟 多麻久之気 安気弖乎知欲利 須弁奈可流倍思  狭野弟上娘子
            (このころは こひつつもあらむ たまくしげ あけてをちより すべなかるべし  さののおとかみのをとめ)


万葉短歌2883 外目にも2695

2018年07月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2883 外目にも2695

外目にも 君が姿を 見てばこそ
我が恋やまめ 命死なずは  

2695     万葉短歌2883 ShuF506 2018-0715-man2883

よそめにも きみがすがたを みてばこそ
  あがこひやまめ いのちしなずは
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第20首。女。左注(読下し)に、「一には<命に向ふ 我(あ)が恋やまめ>といふ」。
【訓注】外目(よそめ)。我が恋(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌2882 逢はずして2694

2018年07月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2882 逢はずして2694

逢はずして 恋ひわたるとも 忘れめや
いや日に異には 思ひ増すとも  

2694     万葉短歌2882 ShuF505 2018-0714-man2882

あはずして こひわたるとも わすれめや
  いやひにけには おもひますとも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第19首。男。
【訓注】忘れめや(わすれめや=忘哉)。いや日に異には(いやひにけには=弥日異者)。


万葉短歌2881 立ちて居て2693

2018年07月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2881 立ちて居て2693

立ちて居て すべのたどきも 今はなし
妹に逢はずて 月の経ゆけば  

2693     万葉短歌2881 ShuF505 2018-0713-man2881

たちてゐて すべのたどきも いまはなし
  いもにあはずて つきのへゆけば
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第18首。男。左注(読下し)に、<或本の歌には「君が目見ずて 月の経ゆけば」といふ>。
【訓注】すべのたどき(為便乃田時)[「たどき」は手がかり]。


万葉短歌2880 うつつにも2692

2018年07月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2880 うつつにも2692

うつつにも 今も見てしか 夢のみに
手本まき寝と 見れば苦しも  

2692     万葉短歌2880 ShuF500 2018-0712-man2880

うつつにも いまもみてしか いめのみに
  たもとまきぬと みればくるしも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第17首。男。左注(読下し)に、<或本の歌の発句(ほっく)には「我妹子(わぎもこ)を」といふ>。
【訓注】うつつ(得管)。夢(いめ)。手本まき寝と(たもとまきぬ=手本纒宿)。


万葉短歌2879 み空行く2691

2018年07月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2879 み空行く2691

み空行く 名の惜しけくも 我れはなし
逢はぬ日まねく 年の経ぬれば  

2691     万葉短歌2879 ShuF500 2018-0711-man2879

みそらゆく なのをしけくも われはなし
  あはぬひまねく としのへぬれば
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第16首。男。
【訓注】み空行く(みそらゆく=三空去)[下記注]。我れ(われ=吾)。
【依拠本注-み空行く】『古今集』恋歌13-0676「知るといへば枕だにせでねしものを 塵(ちり)ならぬ名のそらに立つらむ」
【編者注-類歌】04-0616  剣大刀 名惜雲 吾者無 君尓不相而 年之経去礼者  山口女王
       (つるぎたち なのをしけくも われはなし きみにあはずて としのへぬれば)
12-2984  剣大刀 名之惜毛 吾者無 比来之間 恋之繁尓  作者未詳
       (つるぎたち なのをしけくも われはなし このころのまの こひのしげきに)


万葉短歌2878 ぬばたまの2690

2018年07月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2878 ぬばたまの2690

ぬばたまの 寐寝てし宵の 物思ひに
裂けにし胸は やむ時もなし  

2690     万葉短歌2878 ShuF500 2018-0710-man2878

ぬばたまの いねてしよひの ものもひに
  さけにしむねは やむときもなし
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第15首。女。
【訓注】ぬばたまの(黒玉之)。寐寝てし宵(いねてしよひ=宿而之晩)。物思ひ(ものもひ=物念)。


万葉短歌2877 いつはなも2689

2018年07月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2877 いつはなも2689

いつはなも 恋ひずありとは あらねども
うたてこのころ 恋し繁しも  

2689     万葉短歌2877 ShuF500 2018-0709-man2877

いつはなも こひずありとは あらねども
  うたてこのころ こひししげしも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第14首。男。
【訓注】いつはなも(何時奈毛)[宣命語法、「なも」は中古語「なむ」]。うたてこのころ(得田直比来)[「なぜか奇妙に、いつもと変わってやたらに」。10-1889菟楯頃者(うたてこのころ)、11-2464宇多手比日(うたてこのころ)]。


万葉短歌2876 里近く2688

2018年07月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2876 里近く2688

里近く 家や居るべき この我が目の
人目をしつつ 恋の繁けく  

2688     万葉短歌2876 ShuF500 2018-0708-man2876

さとちかく いへやをるべき このあがめの
  ひとめをしつつ こひのしげけく
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第13首。男。
【訓注】この我が目(このあがめ=此吾目)。人目(ひとめ)。


万葉短歌2875 天地に2687

2018年07月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2875 天地に2687

天地に 少し至らぬ ますらをと
思ひし我れや 雄心もなき  

2687     万葉短歌2875 ShuF500 2018-0707-man2875

あめつちに すこしいたらぬ ますらをと
  おもひしわれや をごころもなき
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第12首。男。
【訓注】少し至らぬ(すこしいたらぬ=小不至)。ますらを(大夫)。我れ(われ=吾)。雄心(をごころ)。


万葉短歌2874 確かなる2686

2018年07月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2874 確かなる2686

確かなる 使ひをなみと 心をぞ
使ひに遣りし 夢に見えきや  

2686     万葉短歌2874 ShuF497 2018-0706-man2874

たしかなる つかひをなみと こころをぞ
  つかひにやりし いめにみえきや
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第11首。男。
【訓注】確かなる(たしかなる=慥)。心(こころ=情)。夢(いめ)。


万葉短歌2873 里人も2685

2018年07月05日 | 万葉短歌

2018-0705-man2873
万葉短歌2873 里人も2685

里人も 語り継ぐがね よしゑやし
恋ひても死なむ 誰が名ならめや  

2685     万葉短歌2873 ShuF497 2018-0705-man2873

さとびとも かたりつぐがね よしゑやし
  こひてもしなむ たがなならめや
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第10首。男。
【訓注】語り継ぐ(かたりつぐ=謂告)。よしゑやし(縦咲也思)。


万葉短歌2872 逢はなくも2684

2018年07月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2872 逢はなくも2684

逢はなくも 憂しと思へば いや増しに
人言繁く 聞こえ来るかも  

2684     万葉短歌2872 ShuF497 2018-0704-man2872

あはなくも うしとおもへば いやましに
  ひとごとしげく きこえくるかも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第9首。男。
【訓注】憂し(うし=懈)[12-3166越懈乃 子難懈乃(こしのうみの こがたのうみの)、12-3183言紐緒乃 結手懈毛(わがひものをの ゆふてたゆきも)、用字は以上3首]。


万葉短歌2871 人言の2683

2018年07月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2871 人言の2683

人言の 讒しを聞きて 玉桙の
道にも逢はじと 言へりし我妹  

2683     万葉短歌2871 ShuF497 2018-0703-man2871

ひとごとの よこしをききて たまほこの
  みちにもあはじと いへりしわぎも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第8首。男。
【訓注】讒し(よこし=讒)[「事実を曲げて謗(そし)る、悪口を言う」。この用字、この1か所だけ。] 玉桙(たまほこ)[下記注]。我妹(わぎも=吾妹)。
【編者注-たまほこ】「玉桙」以外の表記は、以下のとおり。04-0546珠桙、11-2643玉戈、17-3957(長歌)多麻保許、-3962(長歌)多麻保己、-3969(長歌)多麻保許、-3978(長歌)多麻保己、-3995多麻保許、-4006(長歌)多麻保許、-4009多麻保許、18-4116(長歌)多末保許、20-4408(長歌)多麻保己。


万葉短歌2870 我が背子が2682

2018年07月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌2870 我が背子が2682

我が背子が 来むと語りし 夜は過ぎぬ
しゑやさらさら しこり来めやも  

2682     万葉短歌2870 ShuF495 2018-0702-man2870

わがせこが こむとかたりし よはすぎぬ
  しゑやさらさら しこりこめやも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第7首。女。
【訓注】しゑやさらさら(思咲八更々)。しこり(思許理)[「まちがう、やり損なう」、07-1264買師絹之 商自許里鴨(かひてしきぬの あきじこりかも)]。