UN大浦のブログ

徒然なるままの手記。
大半が、山と猫様、そして妄想の徒然草。

かつて神さまがお詫びして。

2015-10-21 21:17:14 | 日記
 甘い香りが鼻腔を颯爽と突き抜ける。
 豊かに湧き続ける水がもたらしてきた恩恵を人々は覚えているか。欲のない彼らの、水の響きを覚えているか。
   

 手前側は砂の色をありのままに投影したような薄い茶色みのある鶏卵色。
 奥に向かうにつれ、
 水縹色(みはなだ)から青磁色へとその主張を強めていき、浅葱色(あさぎいろ)へと転じる。
     
 清冽な水が、媒介となり、
 砂や岩、苔、岸壁に根を張る樹、そして綺麗な水辺に好んで住まう蟹などの生き物を一つにしている。

 砂の擦れ合う音も、水が進む音も、樹々が風に揺れる音さえも全てがここで混じり合う。
 
 
 ここで注がれたものは10日かけて東大寺・二月堂の「若狭井」に届くそうな。
 ただ、ゆったりと自然のままに送るすべを思い出す。