公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

スプリンターズステークス回顧

2006-10-01 17:48:05 | 大レース回顧集

第40回スプリンターズステークスは、今年から国際G1レースに昇格するとともに、グローバルスプリントチャレンジ(GSC)の第6戦にも指定され、例年にない、海外強力遠征馬が集結した。

1番人気は現在GSC総合トップで、GSCでは第1戦(豪G1・ライトニングS)及び第3戦(英G2・キングスタンドS)を勝利している豪州の13・テイクオーバーターゲットで、4.2倍。

2番人気はサマースプリントシリーズ初代王者で、GSC第5戦のG2・セントウルSを勝っている5・シーイズトウショウで6.3倍、同じく6.3倍の3番人気に昨年の同レース覇者・香港の超特急、14・サイレントウイットネス

5番人気にGSC第4戦(英G1・ゴールデンジュビリーS)並びにジュライカップと、G1を連覇している英国の3・レザークが支持され7.0倍。6番人気は今年の高松宮記念優勝馬、7・オレハマッテルゼで、7.4倍。7番人気に16・チアフルスマイルが支持され9.6倍となり、10倍以下の単勝オッズ支持馬が7頭と、明らかに混戦ムード漂う一戦となった。

スタート前、4・メイショウボーラーがゲート入りを嫌う。結局福永騎手が一旦下馬して、先に馬をゲートに入れ、ゲートに入ってから福永騎手が跨るという形となった。

スタートはサイレントウイットネスが好発馬。これに15・ステキシンスケクン、テイクオーバーターゲットも反応し、先頭はこの3頭。その後ろにメイショウと9・ベンハウンがつけ、レザーク、オレハマッテルゼ、シーイズトウショウがほぼ中団位置で並ぶ。追い込みにかける2・タガノバスティーユは最後方グループ。

3~4角にかけ、コーナーワークを利してテイクが先頭。先頭の3頭の中からは先にステキが後退。サイレントは食らいつくが、大外を回ってオレハとシーイズの日本2騎が一気に前団を伺う。

しかし直線に入ってテイクはさらに加速。結局大外から突っ込んできた2騎は坂の手前で力尽きる。一方、最内を通ってメイショウ、さらにサイレントもしぶとい競馬を見せるも、テイクは他を圧倒。結局2着に2馬身半の差をつけ「圧勝」。GSC初代王者をほぼ確定づける勝利となった。

2着には経済コースを終始通ったメイショウボーラーが粘り切り、最後の坂でバテた感のあるサイレントを交わして、タガノバスティーユが3着に入った。

ステキシンスケクン、サイレントウイットネスという、屈指のスタートダッシュの馬に対して果敢にテンからおっつけて挑み、3~4角では2頭をよりも前に出て、最後はスピードで突き放した感のあるテイクオーバーターゲット。

直線コースだった英国での2つのG1戦はイマイチ伸び切れなかったところがあったみたいだが、今回は2回コーナーを回るコースであることも幸いし、また、自身も実にうまいコーナーワークぶりを発揮して圧勝した。

1999年生まれながら、デビューは何と2004年になってからという遅さであったが、ミスタープロスペクターの血を引く、仏ダービー馬のセルティックスイングの仔という毛並みの良さも手伝って、デビューから何と7戦全勝、それも圧勝続きの状態を維持したまま豪G1のサリンジャーSを制し、一時伸び悩みを見せるも昨年暮れから3連勝を果たし、陣営は今年から創設されたグローバルスプリントチャレンジに意欲を示した。

そして早くも第一戦の豪G1・ライトニングSを制覇。3月の豪G1・ニューマーケットHを制したあと英国に遠征し、GSC2戦並びにジュライカップと意欲的にレースに参加。

さらにGSC戦線で有利に駒を進めるべく、前走は中京のセントウルSに出走して2着。そして今回、GSC第6戦を迎えた。

それにしても、韋駄天ぶりで知られている上記の2頭に果敢に挑んでいった、J・フォード騎手の度胸ぶりもさることながら、よどみなく流れていく中山の1200Mのコースも熟知しているかのような走り。直線の坂での勝負となるといささか厳しい面も考えられるため、その前に決着をつけた感じだ。

まさに強いの一言。このあと、GSCは12月の香港スプリントが最終戦だが、ひょっとするとそれにも出走してくるかも。さらに香港スプリントは今年から直線レースではなくなり、中山のコースとほぼ同じような形で1200M戦となる。

さすればさらに強さを発揮しそうな感じ。セン馬に加え、まだ使い減りも考えられないことから、来年もまた、来日して日本のファンに度肝を抜くような走りを見せてくれるかもしれない。

メイショウボーラーはかなりスタート前に入れ込んでいたが、それがレースとなっていい方向に向かったのか、テイクとは逆に行きたがる面を我慢して、経済コースを終始通って2着を確保した。最近は不振が続いていたが、これでスランプ脱出のきっかけになるかも。

タガノバスティーユは道中動きを見て、狭い内を突っ込んで最後はサイレントを交わして3着。よく頑張ったといえる。サイレントはやはり馬体重の重め残りが最後に響いた様子。

レザークにとってみれば少々忙しい競馬となり、見せ場を作れず7着どまり。日本勢では人気となっていたオレハとシーイズの2頭は逆に前を捕らえにかかるも直線に入って伸びきれず、前勢の速さに屈した感じだ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地方競馬で大記録誕生の瞬間か

2006-10-01 00:07:50 | 競馬

それにしても、1日って、「競馬デー」となりそう。

スプリンターズSや凱旋門賞だけでなくて、実は地方競馬も話題満載。そして、偉大なる記録が誕生しようとしている。

まずは高知のエスケープハッチ

現在のNAR(地方競馬全国協会)は1962年8月に設立されたが、それ以降の地方競馬平地競走馬としては現在、ニホンカイキャロルと並んで通算46勝をマーク。1日行われる尾花特別で新記録樹立を狙う。

むろん、ここでも断然人気を背負うことだろうし、相手関係からいっても何度も戦ってきたような面々ばかりだから、まず負けようがないと思う。そして。

どうやら、エスケープの宿敵、マルチジャガーは出走取り消しとなった模様。

エスケープを唯一力でねじ伏せられる馬と目されていただけに、なおさらエスケープ新記録達成の可能性は高くなった。

続いては岩見沢開催のフィナーレを飾るばんえい競馬「4大タイトル戦」のひとつ、岩見沢記念に、3連覇をかけてアンローズが出走。

岩見沢記念は一昨年、王者・スーパーペガサスを封じ、しかも続く北見記念でもペガサスを一蹴した。しかし、無念にもその後、調教中に膝を折りすぎて脚を痛め、ばんえい記念には出走できず。

しかし昨年、またしても王者を一蹴して連覇達成。そして今年、岩見沢記念3連覇を狙う。

ちなみに昨シーズンは北見、ばんえい記念といずれも競走中止となってしまい、その影響があってか、今シーズンは6月からのスタートとなったが、8月のばんえいグランプリで「復活」してからは3連勝中で、脚の故障が続くといわれる「王者」が不在の今回も、恐らく本命を背負うことになると思われる。

ばんえい記念は確かにスーパーペガサスがただいま4連覇中であるが、その他の4大タイトル戦では3連覇した馬は最近ではない。したがってある意味、群雄割拠の時代が続くばんえい競馬の世界において、牝馬のアンローズが大偉業達成となると、これも大きな話題となろう。

凱旋門賞は馬券が買えないし、スプリンターズSは外国馬が多い上に、どんな馬が勝てそうなのかも分かりにくいということであれば、こうした地方競馬のレースを買ったほうがいいかも。オッズパークがあれば両方楽しめます。

(追記)

めでたく、エスケープハッチも、アンローズも、記録達成となった。

エスケープハッチ47勝目の映像はこちら。

http://www.oddspark.com/cs/Satellite?gACBackFlg=0&gACDispDate=20061001&gRaceNo=10&gRacetrackCd=31&gSelAreaNm=%E9%AB%98%E7%9F%A5&pagename=oddspark_h%2FPage%2FOP_AC0003

アンローズ、岩見沢記念3連覇の映像はこちら。

http://www.oddspark.com/cs/Satellite?gACBackFlg=0&gACDispDate=20061001&gRaceNo=11&gRacetrackCd=02&gSelAreaNm=%E3%81%B0%E3%82%93%E3%81%88%E3%81%84&pagename=oddspark_h%2FPage%2FOP_AC0003


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12年前の屈辱を晴らすとき

2006-10-01 00:05:32 | 競馬

今日、いよいよ(とはいっても日本では2日になるが)、ディープインパクトが凱旋門賞に参戦。

ちなみにこの日のロンシャンは凱旋門賞を含めてG1が6レース、全部で8レースあるが、武豊の騎乗は凱旋門賞と2レースの2鞍だけ。G1は凱旋門賞だけである。

当然、武豊の名はフランスでも知られているわけだから、もっと騎乗してもおかしくないはずだが、2鞍だけにとどめているといえる。

ところで武は、過去凱旋門賞には2回騎乗があり、サキーが勝った2001年にはサガシティで3着に入ったこともある。しかしながら、94年、3番人気に推され、しかもキングジョージでは2着だったことから、凱旋門賞制覇に近いと目されたホワイトマズルに騎乗したきは恥辱にまみれることに。

ホワイトマズルは最終的には3番人気だったが、一時は日本の天才ジョッキーが騎乗するということから、ブックメーカーはオッズを切り下げて1番人気に推されたこともあった。だが。

この年の凱旋門賞は傑出馬不在で、G前は大混戦のレースとなったが、ホワイトマズルはその中に加われずの6着。キングジョージでは敗戦を喫した1番人気のキングスシアターには先着したが、当地の競馬マスコミはこぞって、

「武を騎乗させなければ、ホワイトマズルにも勝つチャンスがあったレースだった。」

と酷評。

さらにあとのレースにおいて、武は1着入線を果たしながらも失格し、

「もう日本でずっと騎乗しておいたほうがいい。」

とケチョンケチョンだった。

それから12年。今度は自らの「お手馬」で三度、凱旋門賞へと挑む。

しかしながら今回の凱旋門賞においては、スポーティングライフを見ても武の写真がドーンと出てきたり、とにかく、ディープインパクトのジョッキーというだけで取材陣に取り囲まれている様相。

そして、今度もし敗戦するようだとそれこそ、ホワイトマズルどころの話ではなくなるのは必至。

だが、武は本当にディープインパクトに関しては自信を持っている。よって12年前の恥辱を、ここで覆すかもしれない。

また武はそういった批判を、日本でも何度もされながらも、ことごとく跳ね返してきた。今度はロンシャンでも跳ね返すつもりだろう。

もしも今日の凱旋門賞で勝つようならば、武は終生、欧州の競馬関係者から語り継がれる騎手となる。とにかく華のあるジョッキーなだけに、それも可能かもしれないね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする