公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

競輪を大きく変える男?

2007-04-03 00:06:06 | 競輪

KEIRIN.JPの世界選レポート第五報に、フレデリック・マニェ テクニカルディレクターが今大会を振り返っている部分があるが、結構興味深い。

http://keirin.jp/pc/dfw/portal/guest/kyogi/report/sekaisen/A_sekaisen/2007/sekaisen_07_5.html

(中略)

一番の敗因はハード日程にある。「日本選手権」最終日の4日後に大会初日では、主力の競輪選手が十分に調整できるはずがない。どの国も大舞台へ向けて日程を組んでいるのに、これで戦えというのは無理な話。フレデリック・マニエ監督も「今回の結果にはがっかりしているが、選手の責任ではない。一番大切なのは時間。(GIレースなど)イベントの多いのが(成績に)影響している」と言う。

(中略)

マニエ監督は「17、8歳の若い人もトレーニングしたい。長期的に準備しないと世界選手権やオリンピックは戦えないからね。競輪選手と世界を目指す若い選手を分けるのもいいかも」と新たなシステムを考えている。さらに「各地域、学校のトレーナーを集め、訓練方法も教えていきたい」と意欲的。一度にすべてを実現させることは無理だろうが、監督の〝座右の銘〟の一つ「聞く耳を持つ」を日本は実行する時かもしれない。

これまでは、競輪の延長線上に自転車競技がある、という考え方が踏襲されていた。

言うまでもなく、中野浩一さんがそうやって世界選プロスプリント10連覇を達成したからに他ならなかったわけだが、一方で当時はプロ・アマのすみわけがなされた時代でもあり、トラック競技はアマのほうが東欧勢がいる分だけプロよりもレベルが高いという見方もできた。当然のことながら、当時はトラック専門のプロ選手はかなり少なかった。

しかし今はプロ・アマオープンの時代であり、競輪の延長線上に自転車競技があるといった考え方はなかなか難しくなってきた。

そこで、マニェ監督が、「競輪と競技を分離する」という話を持ち出してきたのだと思うが、実際に今の時代、競輪選手でなくともトラック専門のプロ選手として、国際大会などに参加することは可能である。

橋本聖子が一時期、自転車のプロ選手として登録されたことがあり、彼女はトラック専門であったから、競輪選手以外でトラックのプロ選手になったのは彼女が事実上日本では最初である。

問題はスポンサーをいかにつけるか、ということ。

それと、日本自転車競技連盟との兼ね合いをどうするのか?こちらはまだ、プロとアマの区別を厳密には取っていない(会長は岩楯昭一・日本競輪選手会理事長)。

また、自転車競技連盟が実施する競技はUCIに準拠したものとなっており、当然、「ケイリン」はそれにしたがっている。

「競輪」もUCI方式にしたがった形でレースを行うようになれば問題は解決されるんだろうが、

「ギャンブルとしての競輪はケイリンとは違う!」

といった根強い考え方をどう払拭できるか?

恐らく、いまだ別個に考えられている、「競輪」と自転車競技は近い将来、融合させなければならないとは思う。

ただそれをやろうと思えば、それこそJリーグを発足させたような、大変革が求められる。

マニェ氏はとりあえずは競輪と競技を分離し、競技で通用する「プロ選手」の育成を目指している意図があるんだろうが、何といっても、競輪選手の平均年収は1000万円ほどあるし、それほどのビッグマネーを捨てて競技プロになろうという選手はほとんどいまい。但し、スポンサーがつけば話は別。

ただ来年度からは競輪も短期シーズンオフ制度が導入される運びだし、少なくともトラックレースのシーズン中である、11~3月の間は、G1などの大会は極力なくす方向へともっていってもらいたいもの。

せいぜいこの期間といえば、グランプリと競輪祭以外のビッグ開催は不要に思うし、競輪祭も、現行の1月ではなく、2月(あるいは3月)にずらすなどしたやり方が求められるように思う。

もちろん、例の「三点セット」の実現は一層不可欠となり、今検討されているという、G2の一部廃止といった話も早急に進めていかねばなるまい(G2は共同通信社杯とふるさとダービーのそれぞれ年1回だけで十分)。

というか、結論からすれば、競輪が今抱えていると思われる問題点を一つずつ解決していけば自ずと「融合」は図れそうな気がする。

つまり、

「三点セット」の実現→グレードレースの廃合→UCIケイリンの実現。これにより、事実上、日本自転車競技連盟との合体→さすれば、別に「競輪選手」ということにとらわれずに、「競技プロ」としての活動も可能になる

でもロンドン五輪まであと5年だから、少なくとも上記シュミレーションは3年ないし4年で実現させねばならない。

となると、マニェ氏のリーダーシップは一層発揮されなければならない、といえるかも。

本気で考えているんだったら、応援するよ。

ところでそうなると、

「ケイリンなんかやってられるか!俺はケイリンなんか絶対にやらない!」

といったファンの受け皿はどうしようか?今度は、「新たなケイリンファン」を作っていく必要性があるということか・・・

コメント (18)
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