週間レースの4月20日号に、注目の観音寺競輪の記事が掲載されてあった。
冨田幾夫局長によると、
「毎週のように週末や休日はビッグや記念開催がされ、その場外発売のために全国的にF1・F2は平日に押しやられているが、これではますます衰退していくだけ。多くの人に生で競輪を見る機会を与えるべく、観音寺ではなるべく本場開催を土日に入れるようにしている。平日のみの開催では未来はない。」
「昨年4~7月はバンク改修のため場外発売だけだったが、その後明らかに入場者が減った。テレビモニターだけの観戦では客は来なくなる。」
なかなかに核心を突いた内容である。
確かに今、競輪は土日に必ずG開催が入っていて、その開催中はほとんど場外発売に専念させられ、それが終わった翌日から、悪しき、「洪水開催」を強いられる。
観音寺は昔は高松と相互開催を行っていたばかりか、相互に場外発売も行われていた。そうしてやっている間は現在のように極度の経営不振に陥ることはなかったわけで、要は2002年4月から始まった現在の番組制度の一番の犠牲者となった。
一方で、今や昔みたく、ヒラで稼いでビッグはおまけ、というやり方は通用しないことは言うまでもない。すると、やはり、本場開催は密度の濃い内容のものが求められるし、日程的にも平日の洪水開催では、客はその間、
「どうせ平日で行けないし、また記念が土曜日から始まるからそれまで待とう。」
ということになってしまう。
少なくとも、今のやり方がそう長く続くとは思えない。となると、観音寺は今、
「観音寺みたいな客が少ない場はさっさと潰れるか、サテライトに転換すればいいこと。」
「香川一県で2つも競輪場なんていらないだろ。」
という批判の目がある中で、現在よりも本場開催半減を提唱し、しかも実現に向かってまい進していることに対し、尊敬の念を抱くばかり。
また、冨田局長の話を読む限り、観音寺はまだまだ競輪事業に対する意欲が失われていないことが分かるばかりか、むしろ競輪の今の流れを変えようと努めている。
そして、大概の競輪場では観音寺の考え方に賛同しているのではないか。
まもなく法改正が通過する運びの改正自転車競技法が成立した後に、いよいよ開催半減の要旨がまとめられた案を国会に提出する運びだという。
そんな状況下で19日より開催されるふるさとダービーだが、メンバー的には今年のG1を制覇している山崎、有坂も出るし、9年前の当地ふるさとダービーを優勝してから一躍トップスターにまで上りつめた小倉竜二も出場と申し分のないメンバー構成となりそう。
「恐怖の観音寺案」の国会提出を控え、まずはふるさとダービーで改めて全国的に観音寺をアピールしていくことだろう。