8日、第67回 桜花賞が阪神競馬場で開催される。
今回は、ウオッカ、アストンマーチャン、ダイワスカーレットの3頭が傑出しており、3強対決という声も聞かれるが、大方の見方ではウオッカが果たしてどんなレースをして「勝つ」かに焦点がいっているみたいだ。
ウオッカはかつて、タニノハローモア、タニノムーティエ、タニノチカラらを輩出した名門、カントリー牧場で生まれ、父・タニノギムレットもまたこの牧場で生まれた。
カントリー牧場といえば、上記3頭のオーナーブリーダーであった、先代の谷水信夫さんが有名。
素直にならない馬の鼓膜を破ってみたり、はたまた、「馬は経済動物だ!」の信念のもと、短期間のローテーションで競走に出すなど、破天荒な育て方や使い方をしたことで有名な名物オーナーブリーダーだった。
息子の雄三氏に代わってもその「伝統」は受け継いでいるみたいで、例えばタニノギムレットも月1回のペースで必ず走っていて、皐月賞→NHKマイルカップ→日本ダービーのローテーションで来たときには、
「馬を壊す気か!」
といったファンからの批判の声も上がっていた。
そしてウオッカもまた、今年はエルフィンS、チューリップ賞と使ってきている。
ところで、ここの牧場で生まれた競走馬というのは、競ったら必ず勝つ、という勝負根性が生まれたときから根付いているみたい。つまり、「ひ弱さ」という面を抱える馬が少ないということ。
昨年の阪神ジュべナイルフィリーズ。逃げるアストンマーチャンをゴール直前で交わしきったし、桜花賞トライアルのチューリップ賞でも、これまた逃げるダイワスカーレットをG直前、クビ差だけつけて勝った。
差はわずかなんだが、それが決定的に「届かない差」となって現れているように感じるだけに、歴代の先輩馬がそうであったように、「この馬にどうやっても勝てない」といったシーンを桜花賞でも見せてくれるかもしれない。
いや、ここの牧場で育った以上、既に勝負根性は競走馬になる前からついていて、あとはいかにして勝つかだけ、ともいえるのか。
しかし一方で、アストンには武豊、ダイワにはアンカツと、今、乗れてる2人が迎え撃つ。四位は果たしてどんな形でこの2頭を「料理」してくれるのか?