慰安婦問題「蒸し返されるのはおかしい」 籾井NHK会長会見要旨
産経新聞 1月25日(土)21時14分配信
籾井勝人NHK新会長就任会見の要旨は次の通り。
【任期中の課題】
放送法を職員一同、順守し、それに沿った経営をする。また国際放送で(海外向けに)領土問題について、明確に日本の立場を主張するのは当然だ。
【放送センター建て替え】
(老朽化しているので)2020年の東京五輪に間に合えばいいと思っている。NHKは公共放送として放送を中断するわけにはいかない。新センターを作る必要がある。
【番組の印象】
民放化しているのではないか。NHKでみんながバラエティーを見たいと思っているのか、検討しないといけない。
【編集権と会長見解】
個人的見解を番組に反映させることはない。放送法に基づき判断する。
【政権との関係】
放送法があるがゆえに距離を保てる。
【慰安婦問題】
慰安婦は、今のモラルでは悪い。僕はいいと言っているのではない。しかし、そのときの現実としてあった。この2つを分けないと分かりづらい。個人的見解だが、韓国だけではなく、戦争地域に僕はあったと思う。ほかの地域になかったという証拠はない。ドイツにもフランスにも、ヨーロッパにはどこでもあっただろう。この問題は、韓国が日本だけが強制連行したように主張するから話がややこしい。それは日韓基本条約で国際的には解決している。それを蒸し返されるのはおかしい。
【領土問題】
尖閣、竹島は明確に日本の領土。弁解がましくいうことはない。それを国民にはっきり理解してもらう必要がある。
NHKは「何とかウヨ」が好みそうな番組体制になるかも?
暴言連発 NHK籾井会長に年俸3100万円のアホらしさ
日刊ゲンダイ 2014年1月28日 掲載
就任会見で政権寄りの発言を繰り返したNHKの籾井勝人会長(70)。“身内”の菅官房長官は、「すべて取り消すと言っているので問題ない」と擁護したが、いまさら「なかった」で済むわけがない。一日も早く辞任すべきだ。
籾井会長は「不偏不党」「表現の自由」を定めた放送法を守ると話している。「放送法を守れば、右だ左だ真ん中だと言われることはない」とした。だが、会見での発言は明らかに右だ。安倍首相に近いことがよーく分かる。
元NHK職員でジャーナリストの立花孝志氏が言う。
「安倍首相の靖国参拝について、『良い悪いという立場にない』と話す前に、『総理は信念で行かれた』と前置きしている。参拝を肯定したわけです。問題が指摘されている特定秘密保護法も、『通っちゃったんで、言ってもしょうがない』としていた。不偏不党を守れば“真ん中”になるはずなのに、それまで否定するような発言をしているのもおかしい。NHK会長=ジャーナリストということを理解していないのでしょう。こんな人に編集権を与えたくないし、こんな人が会長なら受信料を払いたくないという視聴者が増える危険性もあります」
NHK会長には月額報酬と期末手当を合わせ、年間3092万円(2013年)の給料が支払われる。退職金もあるので、実質給与はさらに高い。原資はもちろん、われわれが支払っている受信料だ。
「NHKは職員の給与からして高い。松本正之前会長は、衆院総務委員会で『国家公務員I種の給与とほぼ同等』と、シレッとして答えていました。恐らくペーパーは職員が用意したのでしょう。自分たちをキャリア官僚と比べるあたりに、鼻持ちならないエリート意識がうかがえます。実際、平均給与は1200万円で、会長の報酬の高さを問題視する声も聞かれません」(NHK関係者)
会長の給与が是正されれば、自分たちにも波及する恐れがある。だから内部では問題視されないようだが、NHKを続けられるかどうかは別問題。野党は総務委員会での審議を手ぐすね引いて待っている。
前出の立花孝志氏が言う。
「籾井新会長は三井物産出身(元副社長)ですが、NHKにとって三井物産OBは鬼門です。1988年に初の財界出身者として会長になった池田芳蔵さん(元三井物産社長)は9カ月で辞任している。国会での質問に突然英語で答えたりして、NHKの労組もストライキで退陣を要求した。今の労組は弱腰だし、野党もどこまで攻められるか分かりません。ただ、慰安婦をめぐる発言に韓国や中国は反発しています。発言は国際紛争に発展しかねないもの。その一点だけでも辞任に値すると思います」
「なかった」ことにすべきは発言ではない。会長人事そのものだろう。
産経新聞 1月25日(土)21時14分配信
籾井勝人NHK新会長就任会見の要旨は次の通り。
【任期中の課題】
放送法を職員一同、順守し、それに沿った経営をする。また国際放送で(海外向けに)領土問題について、明確に日本の立場を主張するのは当然だ。
【放送センター建て替え】
(老朽化しているので)2020年の東京五輪に間に合えばいいと思っている。NHKは公共放送として放送を中断するわけにはいかない。新センターを作る必要がある。
【番組の印象】
民放化しているのではないか。NHKでみんながバラエティーを見たいと思っているのか、検討しないといけない。
【編集権と会長見解】
個人的見解を番組に反映させることはない。放送法に基づき判断する。
【政権との関係】
放送法があるがゆえに距離を保てる。
【慰安婦問題】
慰安婦は、今のモラルでは悪い。僕はいいと言っているのではない。しかし、そのときの現実としてあった。この2つを分けないと分かりづらい。個人的見解だが、韓国だけではなく、戦争地域に僕はあったと思う。ほかの地域になかったという証拠はない。ドイツにもフランスにも、ヨーロッパにはどこでもあっただろう。この問題は、韓国が日本だけが強制連行したように主張するから話がややこしい。それは日韓基本条約で国際的には解決している。それを蒸し返されるのはおかしい。
【領土問題】
尖閣、竹島は明確に日本の領土。弁解がましくいうことはない。それを国民にはっきり理解してもらう必要がある。
NHKは「何とかウヨ」が好みそうな番組体制になるかも?
暴言連発 NHK籾井会長に年俸3100万円のアホらしさ
日刊ゲンダイ 2014年1月28日 掲載
就任会見で政権寄りの発言を繰り返したNHKの籾井勝人会長(70)。“身内”の菅官房長官は、「すべて取り消すと言っているので問題ない」と擁護したが、いまさら「なかった」で済むわけがない。一日も早く辞任すべきだ。
籾井会長は「不偏不党」「表現の自由」を定めた放送法を守ると話している。「放送法を守れば、右だ左だ真ん中だと言われることはない」とした。だが、会見での発言は明らかに右だ。安倍首相に近いことがよーく分かる。
元NHK職員でジャーナリストの立花孝志氏が言う。
「安倍首相の靖国参拝について、『良い悪いという立場にない』と話す前に、『総理は信念で行かれた』と前置きしている。参拝を肯定したわけです。問題が指摘されている特定秘密保護法も、『通っちゃったんで、言ってもしょうがない』としていた。不偏不党を守れば“真ん中”になるはずなのに、それまで否定するような発言をしているのもおかしい。NHK会長=ジャーナリストということを理解していないのでしょう。こんな人に編集権を与えたくないし、こんな人が会長なら受信料を払いたくないという視聴者が増える危険性もあります」
NHK会長には月額報酬と期末手当を合わせ、年間3092万円(2013年)の給料が支払われる。退職金もあるので、実質給与はさらに高い。原資はもちろん、われわれが支払っている受信料だ。
「NHKは職員の給与からして高い。松本正之前会長は、衆院総務委員会で『国家公務員I種の給与とほぼ同等』と、シレッとして答えていました。恐らくペーパーは職員が用意したのでしょう。自分たちをキャリア官僚と比べるあたりに、鼻持ちならないエリート意識がうかがえます。実際、平均給与は1200万円で、会長の報酬の高さを問題視する声も聞かれません」(NHK関係者)
会長の給与が是正されれば、自分たちにも波及する恐れがある。だから内部では問題視されないようだが、NHKを続けられるかどうかは別問題。野党は総務委員会での審議を手ぐすね引いて待っている。
前出の立花孝志氏が言う。
「籾井新会長は三井物産出身(元副社長)ですが、NHKにとって三井物産OBは鬼門です。1988年に初の財界出身者として会長になった池田芳蔵さん(元三井物産社長)は9カ月で辞任している。国会での質問に突然英語で答えたりして、NHKの労組もストライキで退陣を要求した。今の労組は弱腰だし、野党もどこまで攻められるか分かりません。ただ、慰安婦をめぐる発言に韓国や中国は反発しています。発言は国際紛争に発展しかねないもの。その一点だけでも辞任に値すると思います」
「なかった」ことにすべきは発言ではない。会長人事そのものだろう。