【ホープフルS/血統傾向】想定“5人気”前後に妙味
いつもの図を見ていくと、最多勝利はディープインパクトの2勝。2019年にコントレイルが優勝して以来3年連続で3着以内に入っており、得意なコースと言えそうだ。またディープインパクト産駒とほぼ同等レベルで走っているのがハーツクライ系。ハーツクライ産駒、ジャスタウェイ産駒それぞれ1勝ずつ上げており、累計成績は【2.1.1.5】と非常に高い好走率を誇っている。
というのも近年の中山芝2000mのGIはトニービンの内包馬の活躍が目立っており、2022年の皐月賞では2・3着に内包馬が入り、21年の皐月賞も内包馬のワンツー、20年のホープフルSではジャスタウェイ産駒のダノンザキッドが優勝を果たしている。
これは中山芝2000mがローカルに近い小回りコースで、2度の急坂があるためタフさも求められるためだろう。そこで最後の急坂をこなすパワーとスピードの持続力に富んだトニービンの血が浮上してくるのだろう。
今回はトニービン内包種牡馬のルーラーシップ産駒に注目する。
■キングズレイン
父はルーラーシップ、母は2015年のローズSを勝ったタッチングスピーチ(父ディープインパクト)、祖母は英GI馬リッスンという良血馬。デビュー戦は3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦でトーセントラムとの叩き合いを制し勝ち上がると、次走には多くの重賞馬を輩出している出世レースの百日草特別を勝って、2連勝でオープン入りを果たした。好位の内で脚を溜め、直線危なげなく抜け出したように若駒離れしたレースセンスがありそう。
また、父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの牡馬が、右回りの芝2000mに出走すると【9.2.6.18】、勝率25.7%、連対率31.4%、複勝率48.6%、単回収値173と非常に好成績を挙げている。同配合構成のエヒトが今月阪神芝2000mで行われたチャレンジCで8番人気の低評価のなか3着に好走したのは記憶に新しいだろう。
さらに良馬場かつ1勝クラス以上のレースに絞ると【8.1.4.8】、勝率38.1%、連対率42.9%、複勝率61.9%、単回収値282と抜群の成績。重賞だけでもキセキが2着に入った2019年大阪杯やワンダフルタウンが勝利した京都2歳S、今年の七夕賞を6番人気で勝利したエヒトなど好走例がたくさんあり、高いレベルでも十分通用しそうで、穴馬候補して挙げておきたい。
文●中井達也(SPREAD編集部)