くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(2)

2019-04-02 20:55:05 | 「機械仕掛けの青い鳥」

 ――――

「じゃあな、サトシ。また明日――」
 ソラは走りながら手を振ると、すぐに背中を見せ、風を切るような勢いに乗って、真っ直ぐ家に向かった。
 鍵のはずれたランドセルの蓋が、まるで生き物のように口をパクパクさせ、ちらちらと危なっかしく顔をのぞかせる教科書やノートが、今にも外に飛び出してきそうだった。
「あっ、ニンジン」と、あわてて足を止めたソラが、驚いたように言った。
「おっ、今日は早いじゃないか、お兄ちゃん」と、格子柄の長袖シャツ着た男が、足を止めて言った。
「どうしたのさ、こんな所で」と、ソラはニンジンと呼んだ男の頭から靴の先まで、めずらしいものを見るように言った。
 一見すると、少し老けた大学生にも見える男は、長袖シャツのボタンを、窮屈そうに全部はずしていた。男は、ソラがよく遊びに行く近所の公園で、子供達の先頭に立って野球をしてくれる、年の離れた友達のような存在だった。本当の名前は知らないが、公園に遊びに来るみんなから“ニンジン”というあだ名で呼ばれていた。子供達の間では、私立探偵をやっていて、テレビに出ない小さな事件ばかりを追いかけている、とまことしやかに噂されていた。
「おいおい、小学生に混じって、野球ばっかりしてるわけじゃないんだぜ」と、ニンジンがため息をつくように言った。「こう見えても、ちゃんと独立した社会人なんだからな。おまえ達と同じにすんなって」
「もしかして、事件なの?」と、ソラは目を輝かせた。
 ニンジンは、にやりっ、とまんざらでもなさそうな笑みを浮かべて言った。
「するどいな。いいか、ここだけの話だぞ。今度の仕事はとっておきなんだ。生きた宝石って呼ばれてる、世界で最も貴重な鳥を探してるんだ」
「――へぇ」と、ソラは相づちを打つようにうなずくと、「なんて鳥?」と聞いた。
 ニンジンは「ええっと……」と、額にしわを寄せ、自信なさげに目を伏せたが、思いついたように顔を上げて言った。
「悪いが、それは誰にも言っちゃいけない秘密なんだ。けどな、探してほしいって依頼されたのは、事実さ」
「うそでしょ」と、ソラは疑うような目でニンジンを見上げた。「本当に探偵なの?」
「ちょっと待て、信じないってか――」と、ニンジンはなにか言いかけたが、少し考えてから、声を潜めるように言った。
「――仕方がない。ほかの連中には内緒だからな」
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よもよも

2019-04-02 06:17:05 | Weblog
やれやれ。

1日からくそいそがしくってさ、

夕方近くになって新しい元号見たんだけど、

それはさておき音楽プレーヤーさ。

大昔に買ったクラシックとナノ持ってたんだけど、

そういや新しい機種出てんのかな、なんて

ポチったら、生産止めたって・・・。

まだ買い換えるほど困っちゃいないけど、

ウェイトやりながら音楽聴くのに

あの大きさってちょうどいいんだよね。。

だからって今さら歩く人買うのもなって思うし、

タッチとかってのもあるらしいけど、

あれなら携帯に突っこんだ方がいいような気もするし、

あーあ、時代にも世の中の流れにも乗れずに沈んでる気がする。
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