「なにすんだよ」
立ち上がったソラが、足早に部屋を出て行ったウミの後を追いかけようとすると、
ピンポーン――。
インターホンが、一階の自分達の部屋に逃げるウミを助けるように鳴った。
「はーい」
と、大きな声を出したソラはあわてて立ち止まり、先にどちらに行くべきか迷ったが、妹を追いかけようとしていた足を引っこめ、小走りに玄関に向かった。
くつ下のまま、靴も履かずにドアノブに手をかけたソラは、トントントン――と、せかすようにドアを叩く来客を不審に思い、大股でドアから離れると、靴をつま先に引っかけ、丸いのぞき窓から外をうかがい見た。
ドアの向こうにいたのは、知らない女の人だった。背が高く、のぞき窓では顔がはっきりと見えなかったが、明るい色のスーツを着て、金色のネックレスを首に掛けていた。
ソラは、用心のためにドアチェーンをかけると、「どちら様ですか」と言いながら、ドアを開けた。
わずかに開いたドアの隙間から、金色の長い髪をさらりと垂らした外国人の女の人が、ソラと同じ目線まで、前屈みをするように顔をのぞかせた。
「こんにちは――」と、外国人の女の人は、少したどたどしい口調で、にっこりと笑いながら言った。
ソラは心持ちドアから離れ、顔をしかめるように言った。
「なにか、ご用ですか?」
「アーン……」と、女の人は少し考えるように言った。「あのー、この家に女の子はいませんか」
ソラは、困ったように言った。
「妹がいますけど、なにか?」
「アーン……」と、女の人はまた考えるように言った。「ワタシ、青色の鳥を探してるんですが、この家の女の子が拾ったって、聞いて来たんですけど」
「――いらっしゃいますか?」と、言われたソラは、青い鳥を探している人物がまた現れて、ちょっと驚いたが、顔には出さず、とぼけるように言った。
「青い鳥って、世界的に珍しいって鳥のことでしょ」
外国人の女の人は、ニッコリと微笑みながらうなずいた。
「さっきもこの近くで、男の人達に同じことを聞かれたんですけど、知りあいですか」
女の人は、ソラと目を合わせたまま、ため息をつくように言った。
「アーン……そうですね。もしかしたら、ワタシの仲間かも、しれません――」
「その人達にも言いましたけど、青い色の鳥なんて、見たことありません」
「オウ……」と、女の人は残念そうに言うと、がっかりしたように首を振った。「わかりました。ドモありがとうございます」
立ち上がったソラが、足早に部屋を出て行ったウミの後を追いかけようとすると、
ピンポーン――。
インターホンが、一階の自分達の部屋に逃げるウミを助けるように鳴った。
「はーい」
と、大きな声を出したソラはあわてて立ち止まり、先にどちらに行くべきか迷ったが、妹を追いかけようとしていた足を引っこめ、小走りに玄関に向かった。
くつ下のまま、靴も履かずにドアノブに手をかけたソラは、トントントン――と、せかすようにドアを叩く来客を不審に思い、大股でドアから離れると、靴をつま先に引っかけ、丸いのぞき窓から外をうかがい見た。
ドアの向こうにいたのは、知らない女の人だった。背が高く、のぞき窓では顔がはっきりと見えなかったが、明るい色のスーツを着て、金色のネックレスを首に掛けていた。
ソラは、用心のためにドアチェーンをかけると、「どちら様ですか」と言いながら、ドアを開けた。
わずかに開いたドアの隙間から、金色の長い髪をさらりと垂らした外国人の女の人が、ソラと同じ目線まで、前屈みをするように顔をのぞかせた。
「こんにちは――」と、外国人の女の人は、少したどたどしい口調で、にっこりと笑いながら言った。
ソラは心持ちドアから離れ、顔をしかめるように言った。
「なにか、ご用ですか?」
「アーン……」と、女の人は少し考えるように言った。「あのー、この家に女の子はいませんか」
ソラは、困ったように言った。
「妹がいますけど、なにか?」
「アーン……」と、女の人はまた考えるように言った。「ワタシ、青色の鳥を探してるんですが、この家の女の子が拾ったって、聞いて来たんですけど」
「――いらっしゃいますか?」と、言われたソラは、青い鳥を探している人物がまた現れて、ちょっと驚いたが、顔には出さず、とぼけるように言った。
「青い鳥って、世界的に珍しいって鳥のことでしょ」
外国人の女の人は、ニッコリと微笑みながらうなずいた。
「さっきもこの近くで、男の人達に同じことを聞かれたんですけど、知りあいですか」
女の人は、ソラと目を合わせたまま、ため息をつくように言った。
「アーン……そうですね。もしかしたら、ワタシの仲間かも、しれません――」
「その人達にも言いましたけど、青い色の鳥なんて、見たことありません」
「オウ……」と、女の人は残念そうに言うと、がっかりしたように首を振った。「わかりました。ドモありがとうございます」