くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(71)

2019-06-10 20:43:23 | 「機械仕掛けの青い鳥」
 肩を振るわせ、含み笑いをするシルビアを見ながら、マーガレットが首をかしげて言った。
「でもおばさま、いくら仕掛けにかかっているとはいえ、布を貼り合わせて作った急ごしらえの森ですもの、なにかの拍子に破れてしまって、外に出て行っちゃうかもかもしれませんわよ」
「……」と、あごに手をやったシルビアは、マーガレットに背を向け、しばらく考えるように天井を見上げていたが、名案をひらめいたように手を叩いて振り返った。
「――確かに。おまえの言う事ももっともだね」
「おばさま……」マーガレットが、不安そうな声を洩らした。
「私のかわいいマーガレットや、悪いがちょいと下に降りて行って、ひと働きしておくれでないかい」
 マーガレットは、こくりとうなずいた。
 ――――……
「ウミ、準備はいい?」と、リュックを背負ったソラが言った。
「ちょっと待って、お兄ちゃん――」
 ソラと違い、重そうなリュックを背負ったウミが、家の中から飛び出してきた。ウミは、先に歩き出したソラの後を追いかけて、小走りに駆けて行った。
「お兄ちゃん。待って――」ソラに追いついたウミが、息をはずませて言った。
「どうしたのさ、ひどく重たそうじゃないか」と、ソラは歩く足を遅くして言った。
「もう戻れないかもしれないんだから、いろいろ持って行くのは当然でしょ」ウミは、むっつりと口を尖らせた。
「ちぇっ――。重たくて歩けなくなったって、交代なんかしてやらないんだからな」
 ウミはソラの顔を見上げて、不安そうに言った。「迷わないように、ゆっくり行こうね」
「いいけど、ちゃんとお兄ちゃんの言うこと、聞くんだぞ」
 ソラが少し偉そうに言うと、ウミは怒ったような表情を浮かべたが、すぐに元に戻して、
「わかった――」
 と、少しふてくされたように言った。
 二人は、くるぶしまである下草を踏みしめながら、森の奥へ奥へと進んでいった。どこまで深い森なのか、絶滅したはずの恐竜の生き残りが、今にも木の陰からひょっこりと、恐ろしげな牙を剥き出しながら、顔をのぞかせそうだった。
 しかし実際には、恐い思いをするようなことはなにひとつなかった。二人が木々の間を通るたび、チチチッ  と、人を怖がらない、好奇心旺盛な小鳥達が、楽しげな鳴き声を上げながら、枝から枝へと、二人の後を追いかけるように飛び交っていた。
 歩き始めていくらも経たないうち、みるみる日が暮れてきた。青かった空の色がオレンジ色に染まり始めると、森の中があっという間に暗くなった。ソラとウミは、こんもりとした丘の上に荷物を下ろすと、あわててキャンプの支度を始めた。
 ソラが以前、課外学習でキャンプをした時の事を思い出しながら、なんとか火をおこすと、夕日で赤く染まっていた空もすっかり暮れ、まぶしい星が瞬いていた。
「お腹、空いたね――」火を前に膝を抱えたウミが、ぽつりと言った。
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よもよも

2019-06-10 06:15:14 | Weblog
やれやれ。

先週末は札幌でよさこいですか。。

タイミング悪くてまるで見られんかったけど、

土曜日の練習帰りに地下鉄乗ったら、

遅い便だったのもあるんだろうけど、

踊り子? さんらしき和服に祭りメイクの女性がぽつん。

どんな訳があるかわからんけどさ、

チームで祭りに出てたんだろうけど、

スケジュール終わりで打ち上げすることも無く

1人で地下鉄って、見た目がアウトだよね。

さみしすぎるわXXX
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