家の中に入った二人は、すぐにマーガレットを連れて外に出てきた。どこから見つけてきたのか、ソラは、長い柄のついた虫取り網のようなものを持っていた。ウミは、藁で編まれた大きなカゴを両手で抱えていた。マーガレットは、なにかの種が入っているガラスの容器を持っていた。
と、家から出てきたマーガレットが、ちらりとシルビアのいる小屋に顔を向けた。
気がついたシルビアは、のぞいていた双眼鏡から目を離すと、にやりと薄ら笑いを浮かべて、すぐにまた双眼鏡をのぞきこんだ。
どんな作戦なのか、それぞれに道具を持った三人は、一度顔を近づけて打ち合わせをすると、真っ先にソラが網を持ったまま、青い鳥が止まっている木に登り始めた。どうやら、持っている網で青い鳥を捕まえようとしているらしかった。
カゴを持っているウミは、さっとそばの木の陰に身を隠した。マーガレットは、持っている容器の中に手を入れると、ひとつかみの種をウミが隠れた木のそばに蒔いていった。
「おやおや、なにをする気だい、まったく。それじゃ、話が違うじゃないか」と、シルビアは、もどかしそうに唇を噛みながら言った。「なにをやってるんだいマーガレットは、おまえは動物の言葉がわかるんじゃなかったのかい――」
ソラは、太い木の幹に手を焼きながらも、なんとか青い鳥のそばに近づき、狙いを定めて、持っていた網を思い切り振るった。
「あー!」
という悲鳴にも似たソラの声が、シルビアがいる小屋にまで聞こえてきた。
「はぁ……。見ちゃいらんないねぇ」と、シルビアはため息をついた。
ソラが振るった網は、青い鳥の鼻先にも届かず空を切ると、足をすべらせたソラは、そのままドシンと大きな音を立て、地面に倒れてしまった。青い鳥は、大きな音に驚いて羽根をばたつかせると、違う木の枝にひらりと飛び移った。
と、その下にはマーガレットが待っていた。マーガレットは、手にした種を青い鳥に見せながら、なにやらこっちにおいで、と話しかけているようだった。
チチッ、チチッ……と、小鳥の鳴き声が聞こえた。
と、家から出てきたマーガレットが、ちらりとシルビアのいる小屋に顔を向けた。
気がついたシルビアは、のぞいていた双眼鏡から目を離すと、にやりと薄ら笑いを浮かべて、すぐにまた双眼鏡をのぞきこんだ。
どんな作戦なのか、それぞれに道具を持った三人は、一度顔を近づけて打ち合わせをすると、真っ先にソラが網を持ったまま、青い鳥が止まっている木に登り始めた。どうやら、持っている網で青い鳥を捕まえようとしているらしかった。
カゴを持っているウミは、さっとそばの木の陰に身を隠した。マーガレットは、持っている容器の中に手を入れると、ひとつかみの種をウミが隠れた木のそばに蒔いていった。
「おやおや、なにをする気だい、まったく。それじゃ、話が違うじゃないか」と、シルビアは、もどかしそうに唇を噛みながら言った。「なにをやってるんだいマーガレットは、おまえは動物の言葉がわかるんじゃなかったのかい――」
ソラは、太い木の幹に手を焼きながらも、なんとか青い鳥のそばに近づき、狙いを定めて、持っていた網を思い切り振るった。
「あー!」
という悲鳴にも似たソラの声が、シルビアがいる小屋にまで聞こえてきた。
「はぁ……。見ちゃいらんないねぇ」と、シルビアはため息をついた。
ソラが振るった網は、青い鳥の鼻先にも届かず空を切ると、足をすべらせたソラは、そのままドシンと大きな音を立て、地面に倒れてしまった。青い鳥は、大きな音に驚いて羽根をばたつかせると、違う木の枝にひらりと飛び移った。
と、その下にはマーガレットが待っていた。マーガレットは、手にした種を青い鳥に見せながら、なにやらこっちにおいで、と話しかけているようだった。
チチッ、チチッ……と、小鳥の鳴き声が聞こえた。