ウミは、模型飛行機を拾い上げると、唇を固く結んで「うん」と小さくうなずき、ソラの所に向かった。
「――どうしたの、これ?」と、ウミは目を丸くして言った。
まるで、レストランに来たようなおいしそうな料理が、食卓テーブルの上にびっしりと、隙間もないほど並べられていた。
「これ、マーガレットが一人で作ったんだぞ、すっごいごちそうだろ。ウミも一緒に食べようよ」
口の周りにケチャップをつけたソラが、おいしそうにモグモグと頬張りながら言った。
「家にあった材料で作ってみたの。味は自信がないけど、どうぞ召し上がれ――」
と、台所に向かっていたマーガレットが、大きな皿に盛りつけられた料理を運んできた。いい匂いのする湯気が、マーガレットの顔が霞んでしまうほど、ゆらゆらと白く立ち上っていた。
グビリッ、と喉を鳴らしたウミは、持っていた模型飛行機をテーブルの下に置くと、椅子に座って食器を手に取った。
「おいしい!」
はじめは、お行儀良く料理を口に運んでいたウミだったが、すぐにがつがつと、ソラにも負けないくらい、口いっぱいにごちそうを頬張りながら、夢中になって舌鼓を打った。
お腹が一杯になったソラとウミは、「もう食べられないよ、少し休むね」と言って、席を立った。二人は、部屋に戻ってふかふかのソファーに体をあずけると、あっという間にスヤスヤと、心地よさそうな寝息を立てて眠ってしまった。
食べ終わった食器を片づけ終えたマーガレットが、子供部屋にあった毛布を二人に掛けてあげていると、玄関のドアがすっ――と音もなく開き、シルビアが中に入ってきた。
「やれやれ、ここに来るまでどうしてたのか、相当疲れていたみたいだね」
シルビアが言うと、マーガレットがこくりとうなずいた。
「とにかく、子供達を連れ戻すのには、成功したようだね」と、シルビアが言った。「あとは、青い鳥がおびき出されるまで、この子達を家に繋ぎ止めておかなきゃならないんだけど、どうだい、できるかい?」
マーガレットは、ムスリと顔をしかめると、口をとがらせるように言った。「心配しなくても大丈夫ですわよ、おばさま」
「クックックッ……。ひどく自信たっぷりじゃないか――」シルビアは、からかうように言った。
「――どうしたの、これ?」と、ウミは目を丸くして言った。
まるで、レストランに来たようなおいしそうな料理が、食卓テーブルの上にびっしりと、隙間もないほど並べられていた。
「これ、マーガレットが一人で作ったんだぞ、すっごいごちそうだろ。ウミも一緒に食べようよ」
口の周りにケチャップをつけたソラが、おいしそうにモグモグと頬張りながら言った。
「家にあった材料で作ってみたの。味は自信がないけど、どうぞ召し上がれ――」
と、台所に向かっていたマーガレットが、大きな皿に盛りつけられた料理を運んできた。いい匂いのする湯気が、マーガレットの顔が霞んでしまうほど、ゆらゆらと白く立ち上っていた。
グビリッ、と喉を鳴らしたウミは、持っていた模型飛行機をテーブルの下に置くと、椅子に座って食器を手に取った。
「おいしい!」
はじめは、お行儀良く料理を口に運んでいたウミだったが、すぐにがつがつと、ソラにも負けないくらい、口いっぱいにごちそうを頬張りながら、夢中になって舌鼓を打った。
お腹が一杯になったソラとウミは、「もう食べられないよ、少し休むね」と言って、席を立った。二人は、部屋に戻ってふかふかのソファーに体をあずけると、あっという間にスヤスヤと、心地よさそうな寝息を立てて眠ってしまった。
食べ終わった食器を片づけ終えたマーガレットが、子供部屋にあった毛布を二人に掛けてあげていると、玄関のドアがすっ――と音もなく開き、シルビアが中に入ってきた。
「やれやれ、ここに来るまでどうしてたのか、相当疲れていたみたいだね」
シルビアが言うと、マーガレットがこくりとうなずいた。
「とにかく、子供達を連れ戻すのには、成功したようだね」と、シルビアが言った。「あとは、青い鳥がおびき出されるまで、この子達を家に繋ぎ止めておかなきゃならないんだけど、どうだい、できるかい?」
マーガレットは、ムスリと顔をしかめると、口をとがらせるように言った。「心配しなくても大丈夫ですわよ、おばさま」
「クックックッ……。ひどく自信たっぷりじゃないか――」シルビアは、からかうように言った。