「そう言えば私、見つけたの。朝起きたらなくなっていたけど、二人で追いかけた青い鳥にそっくりの模型が、家の中に落ちてたの」
「えっ――」と、ソラは驚いたように言った。
「もしかすると私達、この森の中に閉じこめられちゃったのかもしれない」
「じゃあ今いるあの家は、もともと二人でいた家ってこと?」
「夕べ見た時から、そっくりだとは思っていたけど、同じ家に違いないよ」と、ウミがうなずきながら言った。
「間違って、偽物の青い鳥を追いかけちゃったからなのかな……」と、ソラは考えるように言った。「けど、本物の青い鳥って、この森の中にいるんだろうか」
「ううん……」と、ウミは首を振った。「わからないけど、だからって探しに行かなければ、いつまでもみつけられないよ」
「……」と、ソラは自信なさげにうつむいたまま、じっとなにかを考えているようだった。
「お兄ちゃん……」と、ウミがじれったそうに言った。
チチッ、チチッ……
と、小鳥の鳴き声が聞こえた。森に来てから、すっかり慣れてしまった音だった。
チチッ、チチチッ……
と、かわいらしい鳴き声が、また聞こえた。
「――あっ、お兄ちゃん」と、ウミが声をひそめて言った。「見て、木の上」
ソラが顔を上げると、ウミは、ソラの後ろを小さく指さした。
こくんとうなずいたソラは、静かに息をしながら、そっと後ろを振り返った。
青い鳥にそっくりな鳥が、すぐ後ろの木の枝に止まっていた。青い鳥は、ひそひそと話しをしているソラとウミを見て、不思議そうに首をかしげていた。
「あれって、本物、だよね?」ソラは、木の枝に止まっている青い鳥を見て言った。
グビリッ……とつばを飲みこんだウミが、信じられないというように言った。
「捕まえてみなきゃわからないけど、きっと、本物の青い鳥に違いないよ」
――――……
「ほっほう、やっとあいつが出てきたねぇ」
樹上に造られた小屋の中、シルビアは双眼鏡でソラとウミの様子を見ながら、うれしそうに言った。
「ようし」
と、シルビアは気合いをかけるように言った。
「あとは、うちのマーガレットが、家の中に追いこんでっと……」
シルビアが見ていると、ソラとウミは、足音を立てないように抜き足差し足で、木の枝に止まっている青い鳥から目を離さず、そのまま後ろに進んで、家に戻って行った。
「えっ――」と、ソラは驚いたように言った。
「もしかすると私達、この森の中に閉じこめられちゃったのかもしれない」
「じゃあ今いるあの家は、もともと二人でいた家ってこと?」
「夕べ見た時から、そっくりだとは思っていたけど、同じ家に違いないよ」と、ウミがうなずきながら言った。
「間違って、偽物の青い鳥を追いかけちゃったからなのかな……」と、ソラは考えるように言った。「けど、本物の青い鳥って、この森の中にいるんだろうか」
「ううん……」と、ウミは首を振った。「わからないけど、だからって探しに行かなければ、いつまでもみつけられないよ」
「……」と、ソラは自信なさげにうつむいたまま、じっとなにかを考えているようだった。
「お兄ちゃん……」と、ウミがじれったそうに言った。
チチッ、チチッ……
と、小鳥の鳴き声が聞こえた。森に来てから、すっかり慣れてしまった音だった。
チチッ、チチチッ……
と、かわいらしい鳴き声が、また聞こえた。
「――あっ、お兄ちゃん」と、ウミが声をひそめて言った。「見て、木の上」
ソラが顔を上げると、ウミは、ソラの後ろを小さく指さした。
こくんとうなずいたソラは、静かに息をしながら、そっと後ろを振り返った。
青い鳥にそっくりな鳥が、すぐ後ろの木の枝に止まっていた。青い鳥は、ひそひそと話しをしているソラとウミを見て、不思議そうに首をかしげていた。
「あれって、本物、だよね?」ソラは、木の枝に止まっている青い鳥を見て言った。
グビリッ……とつばを飲みこんだウミが、信じられないというように言った。
「捕まえてみなきゃわからないけど、きっと、本物の青い鳥に違いないよ」
――――……
「ほっほう、やっとあいつが出てきたねぇ」
樹上に造られた小屋の中、シルビアは双眼鏡でソラとウミの様子を見ながら、うれしそうに言った。
「ようし」
と、シルビアは気合いをかけるように言った。
「あとは、うちのマーガレットが、家の中に追いこんでっと……」
シルビアが見ていると、ソラとウミは、足音を立てないように抜き足差し足で、木の枝に止まっている青い鳥から目を離さず、そのまま後ろに進んで、家に戻って行った。