ゴールデンウィークの5月3日、史跡・小牧野遺跡に新たな施設が2ケ所オープンしました。
ひとつは「小牧野遺跡保護センター(縄文の学び舎・小牧野館)」。平成24年に廃校となった野沢小学校(小牧野遺跡から1.5キロメートル)を改修して、遺跡の出土品等の保管や展示、遺跡に関する情報を発信することを目的としています。二つ目は、「小牧野遺跡観察施設(小牧野の森・どんぐりの家)」。こちらは小牧野遺跡に隣接しており、遺跡を解説する機能や休憩ホール、トイレ等がありました。
初めに、小牧野遺跡についてご紹介いたします。
---この遺跡は、土地造成と特異な配石で構築された後期前半の大規模な環状列石を主体とする遺跡です。当時の精神生活や社会構造、墓制等を明らかにするとともに、土地の造成や多量な大型石の運搬・設置など、土木工事の実態を知る上で重要な遺跡です。(参考:青森市教育委員会 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部 北海道・北東北の縄文遺跡群リーフレットシリーズ8による)---
◎縄文の学び舎・小牧野館(道順が分かりにくいので、事前に経路を調べてお出かけください。駐車場・トイレ有)
センター全景
センター入口付近
展示物左から(土器、土坑墓、アクセサリー)
環状列石の作り方
※展示物は多数あり、上記画像はほんの一部です。
このほか、海外のストーンサークル、ストーンヘイジなどをパネルで紹介するコーナーもありました。
◎小牧野の学び舎・どんぐりの家(小牧野遺跡保護センターから現地までは未舗装のジャリ道です。駐車場・トイレあり)
どんぐりの家全景
木の香りが心を癒してくれます
環状列石
見晴し台
小牧野遺跡も三内丸山遺跡と同様に高台にありました。その頃の平均気温は現在より2℃高く、海面はそれぞれ両遺跡のすぐそばまで達していたそうですが、地形を目の当たりにすると納得!
遠く青森市街地を望む
環状列石についてはまだまだ未知の部分が多いようですが、この遺跡から新たな発見を期待します。また単に環状列石の解明ばかりではなく、近隣の三内丸山遺跡との関係や秋田県・大湯環状列石などとのつながり、北海道、北東北との交わりなどいにしえの人々の生活に夢が膨らむばかりです。