「山路さん、急に休んだから心配してたんだよ、大丈夫なの?」
「すいません、永瀬さんには連絡するつもりでしたけど、遅くなりました」
ドライバーサ―ビスの会社には、元経営者から元タレントまで実に多彩な人達が集まってくる。
永瀬は国税局に努めていた。
「実は条件のよい仕事が見つかって、試しに行ってみたんです」
「よかったじゃない、運転の仕事は大半の人が仮なんだから」
「ところがですね、なんて言ったらいいか、変な感じなんですよ」
「何ていう会社なの?」
「丸一倉庫ですけど」
「その会社、小名木川沿いにあるんじゃない?」
「知っているんですか?」
「以前、物流倉庫の事業所を調べた事があってね、古い同族経営の会社だったけど、3代目になった後、確か貿易関係の会社に買収されたはずだよ」
「じゃあ名前だけは残しているってことなんですね」
「そうなんだ、近い内昔の後輩に会うので聞いてみるよ」
永瀬と連絡を取り合う約束をして、啓子の家に戻るとまだ留守で、20時過ぎに帰ってきた。
「子供は母に預けているし、これで暫く大丈夫ね」
「何かあるの?」
「わたしね、2、3日出掛けてくるから」
「何処にいくの?」
「今は言えないけど・・でも儲かる事だから」
彼女はにやっと笑った。
山路は追求したかったが、簡単に喋りそうもなく、黙るしかなかった。
ひとり留守番で、胡散臭い職場に行くのも億劫だが、給料だけはドライバーの仕事よりかなり良かったので、直ぐには辞められなかった。
焼けたアパートから早く新しい部屋を探さなければならない。
永瀬から情報が入るまでおとなしくしていようと思い、丸一倉庫にいつもより早めに出勤してみると、大沢所長が知らない女性と話をしている。
「山路さんちょうどよかった、こちら緒方靖子さん、きょうから働いて貰うことになった」
「緒方です、よろしくお願いします」
小柄で髪の長い女性が挨拶してきた。
「すいません、永瀬さんには連絡するつもりでしたけど、遅くなりました」
ドライバーサ―ビスの会社には、元経営者から元タレントまで実に多彩な人達が集まってくる。
永瀬は国税局に努めていた。
「実は条件のよい仕事が見つかって、試しに行ってみたんです」
「よかったじゃない、運転の仕事は大半の人が仮なんだから」
「ところがですね、なんて言ったらいいか、変な感じなんですよ」
「何ていう会社なの?」
「丸一倉庫ですけど」
「その会社、小名木川沿いにあるんじゃない?」
「知っているんですか?」
「以前、物流倉庫の事業所を調べた事があってね、古い同族経営の会社だったけど、3代目になった後、確か貿易関係の会社に買収されたはずだよ」
「じゃあ名前だけは残しているってことなんですね」
「そうなんだ、近い内昔の後輩に会うので聞いてみるよ」
永瀬と連絡を取り合う約束をして、啓子の家に戻るとまだ留守で、20時過ぎに帰ってきた。
「子供は母に預けているし、これで暫く大丈夫ね」
「何かあるの?」
「わたしね、2、3日出掛けてくるから」
「何処にいくの?」
「今は言えないけど・・でも儲かる事だから」
彼女はにやっと笑った。
山路は追求したかったが、簡単に喋りそうもなく、黙るしかなかった。
ひとり留守番で、胡散臭い職場に行くのも億劫だが、給料だけはドライバーの仕事よりかなり良かったので、直ぐには辞められなかった。
焼けたアパートから早く新しい部屋を探さなければならない。
永瀬から情報が入るまでおとなしくしていようと思い、丸一倉庫にいつもより早めに出勤してみると、大沢所長が知らない女性と話をしている。
「山路さんちょうどよかった、こちら緒方靖子さん、きょうから働いて貰うことになった」
「緒方です、よろしくお願いします」
小柄で髪の長い女性が挨拶してきた。
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