浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

地方議会の質問

2010-06-12 10:03:34 | 国際・政治

岐阜市議会の質疑・一般質問は、通常4日間の日程で行われ、最初の2日間はTV中継がされますし、インターネットでも見ることができます。各会派の代表が市政全般にわたる質問をした後、TV中継に入る優先質問、残る2日間で行われる一般質問と続きます。会派の質問順序は、議会運営委員会で決定され、原則としては人数の多い会派からということになっていますが、その都度で決定するのではなく1年間の枠組みの中で調整をします。

代表質問は会派を代表する質問ということで、当議会の中心課題や会派の意思を代表して質問を行うため、個人的な提言などはなるべく避けるということになっています。もちろんそれが会派の意思としての質問であれば問題はありません。一方、優先質問や一般質問は、個人的であったり地域性のある質問や提言となるケースが多いということになります。しかし、会派を組んでいる以上、会派の意思とかけ離れたものになってはいけないことは言うまでもありませんので、各会派の政調会にて事前に諮ることになります。また、議会での質問の内容は、提出された議案に限るのではなく、市政全般にわたるものとなっています。

議会開会日に当議会の議案が上程され、その後議案精読として1週間ほど休会します。休会といってもその休会中は、議案の説明があったり各行政部署の状況を会派ごとに尋ねたり、また質問者と行政側の調整期間に当たります。質問者はある程度質問内容とともに得たい回答を引き出すための調査期間を与えることも必要になるため、事前のやり取りは欠かせません。とかく議会質問は形式となりがちであるといわれますが、限られた時間内での質問を有効にするために必要不可欠なことであり、むしろその調整が政治的な力の発揮ということになります。

通常20人から22,3人の質問者が予定されますが、質問者にとって困ることは、話題が集中するとき質問内容が重なってしまうことでしょう。同じことを聞いてもよいのですが、同じ答えしか期待できないので臨機応変に対応していくことが必要です。一議員当たり4つから5つの質問項目がありますので、それぞれの議員の専門性や特徴を出すのですが、話題が同じであっても切り口が違えば議員の力が発揮できることになります。議場での発言はすべて記録され、発言者は責任を持たなければなりませんので、慎重なやり取りに見えることがあるかもしれません。

議会質問の後、各常任委員会(総務、産業、厚生、文教、建設委員会)が開催され、議案の審議を議会質問も踏まえ具体的に行います。議案以外の議会の決議事項や市民から提出される請願や意見書の審査も行われるため、個々の案件に興味ある方はこの委員会審査のほうが面白いといえます。また、発言に特別の制限がないこともあり、自由な議論が行われます。ただ、これもすべて記録され、実際の対面方式の審査決定になりますので、会派や議員また行政の力量が問われます。そして、委員会の議案可否と審査報告を決定し、議会最終日に委員長報告をし、議場にて委員会審査報告の可否を決します。

議会質問や委員会での意見表明は、普段から問題意識を持ち自らの政治理念の確立に努めていないとできないのではないかと思っています。数の論理で発言が必ずしも影響しないからといって、安易な対応では議員の価値が問われてしまいます。外から見れば何もしていないのではないかと思われがちですが、民主主義における議会の重要さを考えるのであれば、議員の評価をもう少ししていただいてもよいのではないかと思うのは私だけでしょうか。

以上