浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

箱モノ行政の付け

2010-06-24 07:45:39 | 国際・政治

昨晩、岐阜県が休止を決定した未来会館の存続を求める集会に出席しました。

岐阜県は、バブルの時期を通して多くの行政施設を造ってきた結果、厳しい財政状況に追い込まれています。今年度よりかなりの緊縮財政で、事業仕分けを進め財政再建に努めています。その事業仕分けの中で、岐阜市にある築後15年というまだ新しい未来会館がターゲットになりました。行政サービスが一度拡大してしまえば、そのサービスのストップに対する抵抗は当然出てきます。未来会館を多く利用してきた団体や地域住民にとっては、今後の活動にも支障きたすため切実な問題であるともいえます。こうした文化的行政施設は、多少の利用収入があるとはいえもともと採算を度外視して作られるため、過剰な設備投資であったり維持管理費が過大であったりするため、費用対効果を図ることが難しいということになります。大きな債務を抱える岐阜県にすれば、建物の耐用年数を無視して取り壊し及び売却が検討されてもよいということなのかもしれません。このように、財政規律のための行政サービスの低下という問題を今後もどう対処していくか問われるところです。

今一つの問題は、行政の硬直的組織です。岐阜市にある未来会館の休止に当たって、岐阜県は岐阜市に対して何も働き掛けをしていないという現実です。岐阜市の市議会議員として非常に気になったため、説明に来ていた県職員に問いただしたところ、その件に関する担当ではないとしながらも、岐阜市に対して何もしていないという返答でした。岐阜市の住民が多く利用する未来会館であり、利用する住民の目線で考えるならば、授業主体である県は、直接の行政担当である岐阜市に対して何らかのアクションをすべきと考えるのは私だけではないでしょう。休止をすることの説明はできても、本来の行政の役割である行政サービス、つまり箱ものだけでない人へのサービスの視点が欠けていると言わざるをえません。今の時点で岐阜市に何ができるかは議論の俎上にもありませんので明言できませんが、少なくとも困っている団体や地元住民への対応に知恵を絞ることができるのではないかと思います。もちろん、岐阜市も厳しい財政状況にあることは間違いありませんので、すべてに対応できるとは思いませんが、県・市ともに協力して対応するのが本来の姿です。硬直的組織と言いましたが、県と市がうまくいっていないことを表すような今の行政組織の問題かもしれません。

以上