先日の朝日新聞「声」欄に「高齢者の喫煙大目にみては」との投書を拝見しました。
「最近の禁煙運動の拡がりのなかで、飛行機も新幹線もタクシーも劇場もレストランも、およそ公共の場所では、たばこが吸えない。全くの出不精になられた。申し訳程度の喫煙所は、戸外か、遠くてへんぴな所、いすも置いていない。特に高齢者の冬場の戸外での震えながらの喫煙は、たばこの害で死ぬより、風邪をひいて肺炎で死ぬほうが、多くなるのではないか。
そして高齢喫煙者は何十年、公然とたばこを吸い、健康を損ねることもなく、生き抜いてきた人たちだ。しみじみとたばこをくゆらすのが、何よりの楽しみという人もいる。人生の一部ともいえるたばこを、急にやめるのは、からだによくないというひともいる。せめて70歳以上は、いつどこで喫煙してもよいと、大目にみてくれるとありがたい。」
こんな主旨のご発言と思います。たしかに最近の「たばこは¥1000に」運動のように、喫煙者には大変厳しい意見も多くなりました。喫煙者を対象とした一種のバッシングに似た意見の高まりは、喫煙者の方にとって苦々しい想いと拝察はします。しかしながら高齢者の喫煙は大目に見て欲しいとのご意見には賛成しかねるところです。
多くの医学関係者の話でも、喫煙は健康面で実に多くの害をもたらしていることは論をまたないところだと思います。せっかく終戦という未曾有の体験をして、これまで健康で生き永らえてきた命です。先生には是非禁煙をなされて、これからの長い人生をお楽しみ頂きたい。先生のような方が禁煙を宣言されて、実行されることが、多くの喫煙者の方の禁煙への励みになると思います。
近年、喫煙者は減少しているとは言いながら、日本では25~600万人の方が喫煙していると言はれます。特に未成年者や若い女性の間でも喫煙者が増えているとの統計もあります。未来の日本を背負う人たちが喫煙により、健康を損なう事は問題があります。さらに喫煙者の方の周囲で受動喫煙のために健康を害される例も多く指摘されています。
そんなところからも是非、喫煙を大目にと言はれずに、先生も即日禁煙をされることをお奨め致します。
勝手な意見の陳述をお許し下さい。