DVDのレンタルで見逃していた映画「孤高のメス」を借り出して鑑賞しました。1989年当時の小さな街の市立病院をめぐる物語で、脳死患者の臓器移植の是非を世間に問う問題作と認識していたのです。主演は堤真一と夏川結衣で余貴美子が脇役で好演している。
米国の著名な病院帰りの外科医の医師が小さな市立病院に赴任する。赴任した日に担ぎ込まれた患者の容態が急を要する処置が必要だったが、外科部長も手が出せない。連携している大学付属病院に送るにも容態が許さない。即座に新任医師が手術を担当して外科手術を成功させ患者を救う。
物語はこの市立病院に、大学病院から送り込まれた事なかれとリスクを恐れる怠惰な医師たちの多くに絶望している看護師の女性の目を通して描かれる。患者を救うために敢然と外科手術に立ち向かう新任医師に、この看護師も信頼を寄せ自己研鑽も怠らない。
市立病院に多大な援助を惜しまなかった市長が肝臓の病で倒れる。この市長を助けるためには生体肝移植しかないと診断するが、申し出た娘の肝臓では小さすぎて無理と分かる。あとは脳死の患者からの臓器移植しか方法はないと判断された。そこに看護師の隣家の若者が事故で脳死状態で病院に運び込まれる。そして母親は息子の命を繋ぐためにも臓器移植を申し出る。しかし当時は脳死段階での臓器移植は法では認めていなかった。
当然に周囲の猛反対が渦巻き、同じ病院の医師たちも報道陣や警察にも悪意のリークをする。心配した大学病院の旧知の教授も移植手術を止める様に説得する。しかし医師は断固として移植手術を敢行する道を選ぶ。かくて移植手術は成功するが、果たして売名行為だったのか?。
そして今は別の小さな病院で地域医療に取り組む主人公の元に、かって看護師だった女性の息子が新任医師として赴任するところで映画は終わる。
最近のTVドラマにも多くの医療ドラマが氾濫している。しかしこの映画では地域医療の貧困さを救おうとする、さらに患者を救うために殺人罪の適用さえ受けかねなかった脳死患者の臓器移植に敢然と挑んだ、医師の確固たる信念を貫いた姿を描いていて秀抜な出来だと思いました。
映画の出来は他の医師たちを類型的に描いている点に不満は残るが A クラスの出来だと評価したい。
新しいデジブック「真冬のチューリップ」を下記サイトで紹介中です
http://www.digibook.net/d/f415a1d3b1ddb07124af05d355023df3/?m
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物語はこの市立病院に、大学病院から送り込まれた事なかれとリスクを恐れる怠惰な医師たちの多くに絶望している看護師の女性の目を通して描かれる。患者を救うために敢然と外科手術に立ち向かう新任医師に、この看護師も信頼を寄せ自己研鑽も怠らない。
市立病院に多大な援助を惜しまなかった市長が肝臓の病で倒れる。この市長を助けるためには生体肝移植しかないと診断するが、申し出た娘の肝臓では小さすぎて無理と分かる。あとは脳死の患者からの臓器移植しか方法はないと判断された。そこに看護師の隣家の若者が事故で脳死状態で病院に運び込まれる。そして母親は息子の命を繋ぐためにも臓器移植を申し出る。しかし当時は脳死段階での臓器移植は法では認めていなかった。
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そして今は別の小さな病院で地域医療に取り組む主人公の元に、かって看護師だった女性の息子が新任医師として赴任するところで映画は終わる。
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