ヴェルデは、新婚旅行でイタリアに行った時のショッピング中に、
日本人店員がみな接客中で、
「あの緑色のが欲しい」と必死に使ったので(笑)、緑色というのは覚えていたんですが、
主人公、山咲みどり(松坂慶子)が、第三者の受精卵を子宮に受け入れ、妊娠
→マドンナは、処女のまま、懐胎する
からついたタイトルなんですね。
「ジーンワルツ」も原作の「マドンナ・ヴェルデ」(いずれも海堂尊著)もまだ読んでないのですが、
とても気になっていて、録画しながら結局最後まで見てしまいました。
みどりの一人娘、理恵(国仲涼子)が、「私の赤ちゃんを産んで欲しい」と、
必死に訴える姿に、子供を望む切実な想いがわかるだけに、涙が出てきました。
悩んだ末、娘の赤ちゃんを産む命がけの挑戦に決心がつくみどり。
受精卵を子宮に戻すシーン、そして、
おなかに戻した後、みどりが、愛しそうにおなかに手を当てるシーンに、
自身の体験が鮮やかに蘇り、胸が詰まってしまいました。
妊娠と同時に子宮・卵巣ともに摘出せざるをえなかった理恵。
それでも自分達の遺伝子を持つ子供が欲しいと思った時、代理母という選択肢は
大きな希望となるのだと思います。
先日の「あさイチ」(NHK)で、第三者の精子を受けて誕生したことを
後に知ることになり、なぜ、そんなに大切なことを知らせてくれなかったのか、
隠されていたことがとても悲しく、親のことも信じられなくなってしまう、と
訴えていた男性のインタビューがありました。
第三者の精子提供は、今のように体外受精や顕微授精が比較的よく聞かれるようになる前から、
すでに行われていたようですが、こうして生命を受けた方々の中には、
その事実を知った時、「自分の体の半分が消えたような思い」
「(遺伝子上)本当の父親は誰なのか」という問いで苦しまれる方々が少なくないということ。
マドンナ・ヴェルデは、あくまで両方の遺伝子を持った赤ちゃんを産む方法を取り上げていますが、
それでもまだ日本では法律的に認められていない、代理母。
少し前であれば、センセーショナルな内容、というだけで終わってしまったかもしれませんが、
子供を欲しいと願いながら、なかなか授かることが出来ない夫婦が増えてきた現代では、
これまであまり関心のなかった方々へも、考えるきっかけとして
一石を投じてくれるのでは、という思いです。
民放ではなく、NHKでドラマ化されたことも、いたずらに刺激を与えるのではなく、
少しでも多くの人に、真面目にこの問題を知って欲しい、という感じで嬉しいです。