9/23(金) 曇り
朝6時過ぎに目が覚めた。10時間ぐらい寝てしまった。雨は止んだようだ。
林の中の朝は新しい空気に満ちている。
オンネトーを一周歩いた。オンネトーはアイヌの言葉で年老いた沼と言う意味だ。太陽が出ていないので湖の色の変化はあまり見られなかったがこうして歩くのは気持ちいい。
簡単な食事を済ませて帯広に向かった。途中足寄のセイコーマートで休憩した。携帯が繋がったり暖かい飲み物をすぐに飲めるのはありがたい。
給油したスタンドのおじさんと話をした。スタンドで話をするのはだいたいおじさんだ。おじさんは学生時代下北沢に住んでいたそうだ。昨日雌阿寒岳で遭難事件があったと教えてくれた。そう言えばオンネトーに向かう途中の雌阿寒温泉に消防と警察が集まっていた。
以前足寄を通った時にあった千春の家はこちらと書かれた看板を見つける事ができなかった。今もあるのだろうか。
中士幌でヒマワリが満開だったのでUターンして観に行った。
太っ腹な農場主だ。牧草を丸めたロールベールに登って撮影もできる。素晴らしい農場主だ。ここに登るだれもがが笑顔になっていた。
帯広の街でまず向かったのは柏葉高校だ。16年前に訪れた時この裏口に向かう道は砂利道でこの辺りに古びた木造の講堂があったと記憶している。まだ高校生の中島みゆきが文化祭でステージに立った講堂だ。
ちなみに吉田美和もこの学校の卒業生だ。みゆきが通った帯広第三中は以前行ったし昔の面影はないと予想され行くのはやめてしまった。その代わりにみゆきが眺め
ていたであろう帯広川の土手に行ってみた。
お腹も空いてきたので豚丼の店ぱんちょうに向かった。慣れぬ街で駐禁を取られるのを恐れて普通の駐車場にバイクを停めてしまったがバイクの駐車には寛容だったかもしれない。以前偶然入った店だが超有名店でこの日は長蛇の列ができていた。実は食べ物屋に並ぶのはディズニーリゾートを除けば初めてだ。
店に入ると東京のハーレー乗りと相席になって話をした。彼は北海道に来ると必ずこの店に来ると言う。松、竹、梅の順に豚の枚数が増えていくのだがこの上に華と言うのができていたのでそれを注文した。梅がいいのは梅ばあさんがいたからだと聞いている。味噌汁が別料金なのは玉に瑕だがまぁ許そう。
すごいボリュームだ。しまった、この後六花亭に行ってデザートを食べようと思っていたのだ。柔らかいが歯ごたえのある豚肉に塗られた醤油の焦げた香りがいい。完食し、甘い物は別腹、別腹と唱えながら六花亭の本店に向かった。
店舗でのみ販売されているサクサクパイを食べるのが目的だ。勇んで2階の喫茶部に突入した。店内は家族連れや恋人同士、友達同士で賑わっていた。男1人は俺だけのようだ。じゃじゃーん、これが140円。ほんとにサクサクで上品な甘さ、3本ぐらい行けそうだ。
そしてモンブラン200円、こちらはちょっと甘くてコーヒーと一緒に戴くと丁度よかった。ここはピザも有名らしいので今度はピザにも挑戦してみたい。
1階で家と職場にお土産を買ってクール便で送った。1階にはケーキを買って食べられるスタンドコーナーがあってコーヒーを無料で飲めたらしい。こっちでも良かったか。そしてきびきびと働く六花亭の女性スタッフは印象的だった。また来よう。今日はもう夕食は要らないだろう。お腹いっぱいだ。
今日の宿泊予定地のキャンプ場国設然別峡に向かった。帯広は曇りであったが山の中はまたしても雨だった。もうすっかり雨に慣れてしまったので早めに雨具を身に着けた。
山の中のキャンプ場に着くと2日前の9/21から台風の影響で閉鎖中であった。困った。管理する役所に電話を使用かと思ったが今日は祝日、その前に携帯は無情にも圏外だ。キャンプ場の奥にある川沿いの露天風呂鹿の湯を見に行った。台風で水没したようで湯船の中は冷たくとても入れたものではない。
北海道の夜は早く5時をまわったらすぐに暗くなってしまう。他のキャンプ場にこれから行くよりここで夜を明かしてしまった方がいいだろう。駐車場を間借りして寝てしまおう。
6時頃熊鈴を鳴らしながらやってきた地元の人が温泉の様子を聞いてきた。テントの中から様子を話したがその後見に行ってやはり入るのはやめたそうだ。牡鹿がそこにいて逃げないので気をつけて下さいねと教えてくれた。外を見るのはやめておこう。半径6km以内にいる人間はおそらく僕だけと言う状況の森の中で寝ると神経が研ぎ澄まされてくる。でもすぐに寝てしまったのだった。
今日の走行距離は191kmであった。