夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

バラ色の人生

2016年03月03日 | 音楽


誰にでも優しい気持ちで接することは難しい
人間は感情の生き物ゆえ攻撃されれば反撃するしきれいごとではすまない現実がある

音楽を愛し、書を楽しみ、水墨画や油絵を描いた人が逝った
凡そ人の悪口を言ったことを聞いたことがない、怒りという感情を見せたことがない人だった

苦労してきた分だけ、人生は楽しむためにあるのよ、を実践しているかのように
努力家でもあった、乗れなかった自転車に挑戦したり、年老いてからスキューバダイビングを楽しんだり

油絵を始めて結構な大作を何点も残した
夢中で描き続けて徹夜してしまったことも

写実から抽象画に興味を持った頃、タイトルに悩んだ
「森羅万象」という言葉を口にしたら採用されたことがあったっけ

日曜画家が「賞」をとっては友人に見てもらうのが楽しかった
それからシャンソンを習い始めた

ステージ衣装を考えるのが楽しかったようだ
着物の柄や刺繍のデザインをする位だから洋装もいけるのだろう

家の間取りやアプローチなど夢中になって考えたりした
親から継いだ店舗を離れ、いわゆる住宅を設計するのが夢だったと思う

そしてそれは実現した

誰にでも優しかった彼女でも、老いと病気は容赦なく襲ってきた
でも神様は彼女の優しさにちゃんとご褒美を用意してくれていた

苦しまないであっという間に逝ってしまった、涙を流す余地もないくらいに
同じように苦労して生きてきた私の母の仏前に彼女と並んで写った写真を置いてきた

今頃天国で仲良くやっているだろうか
ありがとう、母さんたち

合掌


リュシエンヌ・ボワイエ「聞かせてよ愛の言葉をParlez-moi d'amour」

La Mer. Charles Trénet

ばら色の人生 ジャクリーヌ・フランソワ