映画「ジャージー・ボイズ」をまた見てしまった
何回となくビデオ映像を見ているのに、たまたま流れた再放送は日本語吹き替え版だった
ヒットミュージカル作品の映画化ということで歌って踊れる俳優さんたちが演じているから面白いとは、郷里の音楽仲間Tくんの言葉
ミュージシャンの映画化作品は演奏や歌を当てぶりや口パクで行うことが多く興ざめだが、これは実力で歌って見せるからいい
フォーシーズンズを聴いていた頃には全く知らなかったが、バンド仲間が作った莫大な借金とそれを肩代わりするフランキー・ヴァリの生き様が生々しい
バンドの売り込みという大義名分で散財した仲間の後始末を彼が引き受け、興行収入から返し続け「君の瞳に、、」の大ヒットで完済する史実は強烈だ
決断の裏側に恩義や友情、憐憫と言った感情は、おそらくなかったのではないだろうか
降りかかる火の粉を払うのでなく、「毒くらわば皿まで」の心境だと思うのだ
曲作りをする仲間が「君の瞳に、、」を書いた時、ヴァリの意見を求めるシーンも興味深い
意見を求めて採用するのは、ジョンとポールのやり取りを見るようでもあり楽曲の完成に向けて重要なプロセスだ
車やファッション、楽器に至るまで当時のイメージを大事にしているのも嬉しい
あの時代アメリカから発信される文化は豊かさの象徴であり、海を越えた日本でも「シェリー」は毎日のようにラジオから流れたものだ
考えてみれば我々の世代は、あの当時の音楽を追い続けているのかもしれない
ヴァリのハイトーンとハーモニーは、ビーチボイズにも通じ、形を変え結局あの頃を追いかけている自分を見るようでもある
はてさてバンドとは不可思議な生き物よ
友情と信頼関係からスタートして決別や邂逅を繰り返しながら人間の様々な面を見せてくれる
しかし残るのは名声や名誉ではなく歴史に残る音楽ではないか
心に残るのはいい楽曲であり、いい演奏であり、人間はいつか消えてゆくものだから
Sherry / Oh What A Night !
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