ビートルズの来日公演以来50年の歳月が過ぎたようだ
白黒のTV画面から流れる映像を見ていた私は確か中学生だった
その後進学した高校の軽音楽部のM先輩から「武道館へ見に行った」という話を聞いて驚いた
東北大へ進んだ彼が後輩のYくんから寺内タケシの「運命」の弾き方を教わっていたのを今でも鮮明に覚えている
ビートルズの出現はあの時代を生きた人間にとって天地が裂けるような衝撃があった
作詞作曲して演奏するだけでなく神がかり的な完成度を常に開発していた上に、彼ら4人が突出したパーソナリティで「イギリスのプライド」を発信していた
病める英国と言われた大英帝国が彼らに勲章を与えなければいけないほど経済効果、外貨獲得に貢献したらしい
いや経済的な貢献以上にリヴァプールという港町から出てきた若者が世界に向け「誇りを持ってイギリスを発信した」ことに注目した
先日、日立の高速鉄道車両製造プロジェクトが他国を差し置いて英国に採用されたニュースが流れた
1825年イギリスで実用化された蒸気機関鉄道は、1853年に日本に紹介され翌年にはペリーの献上品である蒸気機関車が横浜で走った
日立製作所の英国での製造拠点は鉄道の聖地に設定され現地での雇用を創出し日本から技術を移転、「英国への恩返し」とする心意気に感動した
1兆数千億のプロジェクトは英国から欧州諸国への展開を目論んだもので実現すれば本当に日本は英国への恩返しができるかもしれない
そこへ国民投票による英国の「EU離脱」の報道が流れた
科学技術も民主主義も始祖であるはずの英国から「多数決」という一見合理的でいて無責任な政治決着が行われがっかりした
「移民受け入れはけしからん」とする離脱派のリーダーが米国のトランプ氏との共通項を指摘される
純血主義や排斥を主張する「タカ派」は「そうだ、そうだ」を連呼したい大衆の支持を得やすい
しかし排斥とか覇権というエゴイズムを主張する国は、自ら「病める要素」を持っている
数々の名車を生んだ英国自動車メーカーは今や他国で製造されたり外国資本に支配されているではないか
英国は「離脱」するのではなくて「EUのリーダーとして機能する国」だと思うのだ
移民受け入れが嫌なら欧州全体で一定のルールを作ればいいのではないか
共産主義社会もあちこちほころびが出てきている一方で、資本主義、民主主義も整合がとれなくなってきている
「自分だけに都合の良い論理」は通用しないということだろうか
*The Beatles: Yes It is*
The Beatles - I'm Happy Just To Dance With You