ひょうたんの栽培は楽しい。
花こそ白い花で、同じくつる性の「へちま」の鮮やかな黄色に劣るものの、実の形のユニークさでは負けない。
乾燥させると思いの外硬質な殻になるので、古来から容器に使われたことは想像できよう。
この空洞を利用して楽器に使われるケースも多い。
アフリカの楽器もインドのシタールも共鳴部分に使われている。
ハワイでは「Ipu」と言われる打楽器に加工される。
大きいひょうたん2個を連結して「Ka'eke'eke (Grand Ipu)」という面白い形の打楽器にもなる。
底部を床に当てては片手で側胴を叩いてリズムを作り出す。
「Chant 」と言われる祝詞に似た詠唱をこのひょうたんでリズムを刻みながら行う。
「Malae」という祭壇で行われる儀式はまさに神に捧げるという厳粛さを感じさせる。
つる性植物の栽培で、留意すべきは成長期の親づるの摘芯だ。
親づる、子づる、孫づるへと広がる成長を横に促して実をつけさせるためには本葉何枚かで親づるの先をカットする。
勿体無いような気がして躊躇するこの作業を怠ると、いつまでも実がつかないままになりかねない。
中身を空洞にする加工方法には二通りあって、水に浸けて腐らせる方法と、自然乾燥。
水に浸けて腐らせる方法がスピーディで綺麗に出来上がるが、一般家庭ではお勧めできない。
腐った異臭が近所迷惑でうっかり素手で触ろうものならしばらく動物園の動物になったような気にさせられるからだ。
自然乾燥は雨に当てないようにしてひたすら乾燥を待つだけでよい。
表面にカビが発生して独特な文様をつけるが、これがまた良いという見方もある。
ハワイでは自然乾燥したものの上部をカットして中身をかき出し、海に持って行って海水で洗うようだ。
海水の塩分の殺菌作用で脱臭、防虫などの効果があるそうな。
ハワイの巨大なひょうたんを栽培しようと試みたことがあったが発芽しなかった。
地球温暖化と言われるが、日本の気候ではトロピカル植物栽培にはまだまだ温暖化が足りない。
古来からひょうたんは水を汲んだり酒を入れたりしたようだが、液体は入れないほうがいい。
飾りか、マスコットくらいが似合う。
うまく栽培すると棚からぶら下がり風に揺れるひょうたんを楽しむことができる。
やや上級者向けになるが、鉢植えでも栽培可能だと思う。
沖縄ではへちまの幼果を食するようだが、ひょうたんも漬物が販売されている。
さて今年は久しぶりにひょうたん栽培に挑戦しようかしら。
Ipu Farm
A Little About Ipu, Hawaiian Gourds
Gourd Garden Tour II - June 18, 2010
The Lost Art of Ipu Pawehe: Tattooed Gourds of Hawaii
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