ハワイ音楽はファミリー・ミュージックなのだよ
お父さんがギターを弾いて歌い、お母さんが娘たちとフラを踊る、ご近所の人が集まってパーティーは続く
日本ではなかなか見かけない光景だが、彼らにとっては餅つきを楽しむくらい日常的のようだ
だから職業ミュージシャンはいなかったし、観光向けミュージックがハワイ音楽だという誤解が長く続いた
英国国王から贈られた牛が繁殖してしまい、その管理のためにテキサス、メキシコあたりのカウボーイがやってきた
彼らはギターを携えて来ていて故郷を懐かしんだという
やがてカウボーイたちは帰郷したが、ギターは置いていった
ギターを手にしたハワイの人々は緩んでしまったチューニングを思い思いの調弦で演奏する
オープン・チューニングのスラック・キー・ギター奏法はこんな経緯からハワイで生まれた
個々に開発された調弦と奏法テクニックは家伝となって他人へは教えなかった
レイ・カーネ先生が少年の頃、ビーチで弾いている老人に教えを乞うと断られたのはこういう歴史があったからだろう
レイ少年は海に潜って魚を獲って老人に渡したがそれでもダメだった、これを何回も繰り返して根負けした老人がついに教えてくれた
ギャビィ・パヒヌイのレコーディング「Hi'ilawe」を聴いて音楽の道へ向かった人は多いようだ
サニー少年は母に連れられてギャビィを訪ねる、キングストン・トリオのデーヴ・ガードも感化され後年ギャビィのインタビュー、ソロアルバムを作ることになる
スティーブ・シーグフリードによるパニニ・レコード創設に至る意気込みもすごい
米本土にてスーベニール音楽のレコーディングに駆り出されて十分なギャラも得ずプライドを傷つけられたハワイのミュージシャンの地位と名誉回復を打ち立てたのだから
ハワイにバカンスにやってきたライ・クーダー夫人はお土産にギャビィのセピア・アルバムを買う
これを聴いたライは「ぶっ飛んだ」、ライは米本土へギャビィを呼んで、聴いてまたぶっ飛んだ
The Pahinui Family & Friends1
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