夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

保存食づくり

2016年06月13日 | 日記・エッセイ・コラム


干物や粕漬けなどを好む私は本当に魚が好きではないかもしれない
魚臭さを嫌って食べやすさを求め大衆魚しか食さない、いや知らない

郷里が海から離れていたせいもあり冷蔵庫が普及していなかった頃、みりん干しやら醤油漬けみたいな魚が多かった
生きたカニや鮮度の良さそうな魚を売りに来るのを見るのは子供の好奇心をそそられた

海釣りをするわけではないが、天気の良い日に一夜干しを作るのは楽しい
魚は開くのが少々大変だが、イカなら生臭いのを我慢すれば塩水に漬けて天日に干すだけの手間で一夜干しが出来上がる

せっかく一昼夜干して仕上げたイカも、何の説明なしに冷蔵庫に入れておいたら煮物に変身してしまったという失敗もある
元来保存のために行われたはずの加工は、味をグレードアップする

今の時期なら梅干しやらっきょう漬けの材料が出回っている
梅干しも手間隙かかる分だけ市販の高級品とは異なるオリジナルを作ることができる

昨年農家の方の叡智に倣って完熟梅による梅干しを作ったら好評だった
ところが今年は全く梅が見当たらない、果樹は完熟するまで実を残してはいけないということかしら

仕方なく買ってきた中粒の梅を塩漬けにする
容器を殺菌するとか梅を洗い焼酎で拭くとか達人のセオリを尊重して塩加減をうまく塩梅すれば数日で梅酢が上がってくる

気をつけなければいけないのはカビ対策だ
冷蔵庫に入れればいいのだが、重石を結構利かせなければいけない

ベリー類のジャム作りも楽しい
これも完熟の実から作ることができるなら出来がいい

保存食づくり、買ったほうが早いとおっしゃらず、お試しあれ
面倒なプロセスが釣り糸を垂れるような安堵感を与えてくれる



Ka Lei o Punahou

Hawane Rios #2 Live Original Song @ BIMA 2013

キューバ、ヒロシマ、ありのままに

2016年06月10日 | 日記・エッセイ・コラム


オバマさんが広島を訪れた
彼のスピーチはパーフェクトで謝罪をするとかしないとかいう次元を遥かに超えて爽やかだった

被爆者の方との無言の対面シーンもいい、あれでいい
任期を終えるからと陰口を叩く人もいるが、キューバとの国交回復にせよ、今回の広島訪問にせよ歴代の大統領はできなかったのだから

しかし彼が黒人でハワイ出身で弁護士であろうと大統領となった今、核ボタンを収めたブラックボックスがついて回る
共産世界が様変わりしたとして以前に増して武力の背景が必要不可欠でなお複雑な様相を呈している

ただ日本が二度原爆の被害にあって、なお原発事故の後始末が完了していないのに原発を売り込んでみたり再稼働したりするのはいただけない
エネルギーの法則というものがあって永久機関は存在せず、垂れ流しのしわ寄せをどこかで享受しなければならない

「Aretha Franklin」のヒット曲「You make me feel like natural woman」
曲を作ったキャロル・キングが熱狂して我を失い、オバマさんが感動のあまり涙する

「ありのままの女にしてくれた貴方」
楽曲もいいが、歌い出しから聴衆を熱狂させるミュージシャンは素晴らしい

時代は変わり、考え方も変わらなくてはいけない
大昔の論理では通用しない世の中に移行しつつあるのだから



Obama cries during Aretha Franklin's performance at Kennedy Center Honors 2015

I'm Wandering (with Lyrics) - Aretha Franklin

スティール・ギターを

2016年06月06日 | 音楽


スティール・ギターは、魅力がある
バーで弦を押さえてスライドさせ、弦上の音を自由に出すことができ、サステインはどこか別世界へ連れて行ってくれるようだ

一方で音程が定まりにくいことと、直線のバーを斜めにしたりして和音を出そうとするのだがこれには所詮無理がある
フレット間を押さえれば正確な音程が得られるギター類と異なるのはここにあり、音程を聴き分ける繊細な耳とバーを操る手先の器用さが求められる

もう一つ空間を突き抜ける「ビヨーン」という音が楽しくて弾きすぎてしまう欠点がある、そう、初心者ほどのべつまくなし弾きまくる
したがって弾けないのを棚に上げて辛口を申し上げれば、弾く人は多いが弾ける人は少ない、のかもしれない

もう数十年前、おそらく初来日でご一緒した時、ギター一本で歌う彼女の演奏はそれほどインパクトはなかった
鋭角的でハワイ音楽のゆったりさからかけ離れていたからかもしれない

ところがスラックキーやスティールを前面に出したアルバムを聴いて驚いた
まさかスティールをいつの間にか仕込んでいたとは、、と

改めてウィキによれば王家の血を引き、カメハメハスクール、ハワイ大学と進み、音楽、フラを学んできたという
白人系のお顔立ちは、スパニッシュのお父上の遺伝かおばあちゃまのプリンセスにヨーロッパの血が入っていたのかしら

老後の楽しみに取っておいたスティール・ギター、私より若い彼女の演奏を聴くと少なからず衝撃だった
高校の軽音楽部時代のスティール弾きKくんに先日再会したのも、何かの縁

そろそろ勉強しなければ、、、、


Hi'ilawe -- Waterfall -- Owana Salazar

Hula Jazz - Owana Salazar

Owana Salazar - How D'Ya Do (2014)

毒くらわば皿まで

2016年06月05日 | 音楽


映画「ジャージー・ボイズ」をまた見てしまった
何回となくビデオ映像を見ているのに、たまたま流れた再放送は日本語吹き替え版だった

ヒットミュージカル作品の映画化ということで歌って踊れる俳優さんたちが演じているから面白いとは、郷里の音楽仲間Tくんの言葉
ミュージシャンの映画化作品は演奏や歌を当てぶりや口パクで行うことが多く興ざめだが、これは実力で歌って見せるからいい

フォーシーズンズを聴いていた頃には全く知らなかったが、バンド仲間が作った莫大な借金とそれを肩代わりするフランキー・ヴァリの生き様が生々しい
バンドの売り込みという大義名分で散財した仲間の後始末を彼が引き受け、興行収入から返し続け「君の瞳に、、」の大ヒットで完済する史実は強烈だ

決断の裏側に恩義や友情、憐憫と言った感情は、おそらくなかったのではないだろうか
降りかかる火の粉を払うのでなく、「毒くらわば皿まで」の心境だと思うのだ

曲作りをする仲間が「君の瞳に、、」を書いた時、ヴァリの意見を求めるシーンも興味深い
意見を求めて採用するのは、ジョンとポールのやり取りを見るようでもあり楽曲の完成に向けて重要なプロセスだ

車やファッション、楽器に至るまで当時のイメージを大事にしているのも嬉しい
あの時代アメリカから発信される文化は豊かさの象徴であり、海を越えた日本でも「シェリー」は毎日のようにラジオから流れたものだ

考えてみれば我々の世代は、あの当時の音楽を追い続けているのかもしれない
ヴァリのハイトーンとハーモニーは、ビーチボイズにも通じ、形を変え結局あの頃を追いかけている自分を見るようでもある

はてさてバンドとは不可思議な生き物よ
友情と信頼関係からスタートして決別や邂逅を繰り返しながら人間の様々な面を見せてくれる

しかし残るのは名声や名誉ではなく歴史に残る音楽ではないか
心に残るのはいい楽曲であり、いい演奏であり、人間はいつか消えてゆくものだから




Sherry / Oh What A Night !

Jersey Boys - Can't Take My Eyes Off You (The story of The Four Seasons) HD

Frankie Valli & The Four Seasons (Medley) HQ Sound


子供じゃないの

2016年06月01日 | 音楽


60年代初期のヒット曲、アメリカのものが多かった
一部ヨーロッパからの常連組もいたが、あまり細かくチェックしなかったのは日本語歌詞で歌われお馴染みになったせいもある

1961年の「Don't Treat Me Like A Child」を「子供じゃないの」としたのも名訳だ
ヘレン・シャピロは英国の人でビートルズが前座を務めたり曲を提供しようとしたこともあるようだ

あの当時の楽曲が未だに聴きやすいと思うのはなぜだろう
スタジオ・ミュージシャンたちによって制作されたサウンドの心地よいバランス

モノラル録音が当たり前で、スタジオでの一発録りが完成度を高める要因になったのか
声に特徴があり聴いただけで彼女だとわかるような個性も兼ね備えていた

もっともオーディオ装置で聴いていた人は少なくラジオかレコード・プレーヤーから流れる音は全てに鮮明でないといけない
レコーディング音源をわざわざ安直な装置で聴いてみて確認するなどということが行われた

彼女が歌う日本のポップスがあるようで聴いてみたいものだ
英国発のヒットを日本人がカバーし、日本のポップスを彼女が英語で歌う

嗚呼、悲しき片思い




Helen Shapiro (With John, Ringo, George) - Look Who It Is [Ready Steady Go!, TV, London] 04.10.1963!

HELEN SHAPIRO - YOU DON'T KNOW

Helen Shapiro - Don't Treat Me Like A Child (1961)