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小倉城庭園に白鷺遨(あそ)ぶ

2020年03月21日 | 綺物日記
春まだ浅い午下り

小倉城庭園で開催されている「文様をよむ〜宮廷装束•時代衣装における季節の彩り〜」企画展を訪れました

「文様をよむ」
先日仕立てあがってきた総刺繍のきものと帯の「文様」について、興味が湧いていたところだったのです
ナイスタイミングな企画展の開催に興奮しました

 
今回の企画展は「文様をよむ」という表題で時代を反映する文様にスポットがあてられてはいましたが、
その文様は染め、織り、様々な手法で表現されていて
きもの文化の奥深さを改めて思い知りました
 


「文様をよむ」企画展を堪能して、書院棟へ
 
 




書院の広縁から「浮見の庭」を眺めながら、春爛漫のお干菓子とお抹茶をいただきました
 


 
書院からは勇壮な小倉城も臨めます
 
 
 
春の日差しを浴びて、私の装いも一段と輝きを増しているようです



 
「書院」から「池泉回遊式庭園」へ足を運びました









 
 
芽吹きを待つ庭に一足早く花を咲かせた今日の綺物合わせでした



 
白鷺が春を寿いでいるようではないですか?












さて、本日の私のきものについて・・・
 
きものは「紫紺地総刺繍訪問着」
 
 
世界三大刺繍 蘇州 汕頭 相良のうちのひとつ
2,500年前から脈々と受け継がれてきた「蘇州刺繍」の総刺繍訪問着です
極めて細い糸を用いるため刺繍表面が滑らかで、一体どこに糸の結び目があるのか分からない両面刺繍という技法により表裏どちらから見ても美しい蘇州刺繍
その繊細さ優美さから“絹の絵画“と称されている
 
「蘇州刺繍」で描かれている
 
花車
 百花繚乱
  舞い嬉ぶ蝶
   雲取り鹿の子
 
これらの文様は
 
招福招幸
 不老長寿
  子孫繁栄
   五穀豊穣
    無病息災
     を願う
      吉祥文様なのです
 
 
帯は
古くから伝わる日本の意匠
観世と籠目を配し水辺を現した地模様に
吉兆文様でもあり、岐阜県本巣市の春日神社に伝存する狩衣(かりぎぬ)白鷺葦模様を大胆にあしらった唐織の逸品です
 
 
 
【ちょっと解説】
 
重要文化財 狩衣 紺地白鷺葦模様(かりぎぬ こんじしろさぎあしもよう)
安土桃山時代・16世紀 岐阜(本巣市)・春日神社蔵
岐阜県内の神社には室町~安土桃山時代の能装束が数多く遺されており、中世に神事能が盛んに行われたことをうかがわせます。本巣市・春日神社に伝存する狩衣は、舶来織物ではなく日本中世特有の「渡し繍(ぬい)」によって美しい白鷺の文様を表わした他に類例をみない狩衣です。
中国では、鷺は「路」と同じ音を持つため一路連科いちろれんか・科挙の試験に合格すること)を連想しおめでたい文様とされてきました

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