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福島原発事故は坊ぎえた人災である

2012-05-03 14:02:35 | 日記
転記
  
今回事故は防ぎえた人災である
       「チリ津波級で福島第一の機器冷却の取水不能」
           住民運動の指摘を東京電力は無視


 福島原発の機器冷却系が、チリ津波級で機能しなくなることが、社団法人土木学会がまとめた「原子力発電所の津波技術評価」(二〇〇二年二月)のデータに示されていた。
 当センターは、原発の安全性を求める福島県連絡会とともに東京電力に抜本的な改善を求めてきた。
 伊東筆頭代表委員、柳町事務局長、早川代表委員らは福島県連絡会とともに二〇〇五年四月二十二日、現地の福島第一原発で交渉・申し入れを行った。これは情報紙『げんぱつ』(同年四月二十五日)で「チリ津波級の引潮・高潮時 福島第一原発1~6号機 機器冷却海水の取水不能」の見出しで伝えられている。
 福島県連絡会は、勝俣恒久社長宛に「チリ津波級の引き潮、高潮時に耐えられない東電福島原発の抜本的対策を求める申し入れ」(同年五月十日)、「福島原発一〇基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」(二〇〇七年七月二十四日)を行い、福島原発とも繰り返し交渉を重ねた。しかし、東京電力はまったく耳を貸さず、無視してきた。
 電力会社と国には、「崩壊熱の冷却」が原子炉安全の基本課題であるとの認識がきわめて弱い。
中部電力も同じである。浜岡原発1・2号機(現在廃炉措置中)の機器冷却系の海水導管は当初は砂地盤上に支持する構造となっていた。私たちは、東海地震時に砂地盤が液状化すると指摘し、抜本的対策を要求した。中部電力は、浜岡3号機増設時(一九八一年)に初めて、当該の砂地盤の液状化は避けられず、補強工事も不可能として、3号機の海水取水槽から岩盤中に連携トンネルを掘って機器冷却系を1・2号機に繋ぐ工事を行った。しかし、中部電力は今日に至るも液状化対策を認めていない。
 東北電力も同じである。女川原発3号機増設の公開ヒアリングの際、住民運動は『女川町史』にチリ津波の引き潮がマイナス六㍍の海底まで引いたとあることを示し、これでは取水口から取水できないことを指摘し、対策を要求した。東北電力は、3号機増設時に初めて1・2・3号機の海底を10・5㍍浚渫して取水口の設置を変更した。
 中部・東北・東京電力は、万一の時、機器冷却系の海水取水が不能である状況で原発を運転していたが、中部・東北は遅いとは言え対策工事を行った。東京電力は住民運動の指摘を一貫して無視してきて、今回事故となった。まさに人災である。

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