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📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

S

2024-03-01 | 翻訳物

 

 



シルヴィア・ヴァンケス=ラヴァド
訳 多賀谷正子
夜明けまえ、山の影で』★★★

 
 
2022年11月20日 第一刷発行

昨年から少しずつ合間読書していた本
なんせ大江健三郎にいっぱいいっぱい(^▽^;)

最近予約本を取りに行くのみな図書館
山関連本の棚にあり何気に手に取ってみたら新書並みに綺麗だった。
登山家の田部井さんの本を読んでみたいなと思っていた(予約中)
 
『夜明けまえ、山の影で』
帯もなくどんな話なんだろう?
見開きに「征服するために山に登るのなら、人はひとりきりだ。」うむ。
自分も単独行をするけど、その孤独が心地よい時がある。
誰かと一緒に登る安心さもあるけど、たまに緊張感も持ちたい。
 
これからも山関連本は読んでゆきたい。
 
 
--------(抜粋)
 
 
2016年、エベレスト。最も暗い夜明けまえ。性暴力の記憶の影を振り払い人生を取り戻すため、女たちはこの山を歩いた。
過去から、未来から、女たちの声が響き合う。連帯と共助の登山記


「シルヴィアは戦士だ。その力強く温かい声は、彼女がいかに人生における最悪の瞬間から立ち上がり、誰かの標になろうとしてきたかを物語る。この本は弱さ、共感、無私の心がもつ力の証明だ。ここに描かれた、彼女が手にした強さと勇気に敬意を覚える」
——セレーナ・ゴメス(俳優、本書原作映画主演)

幼少期の性的虐待や父による支配が少女に落とした影
それはやがて、さらなる苦悩と喪失を連れてきた。
人生を取り戻すために登山家となった彼女が挑んだのは、同じ性暴力サバイバーの女性たちとエベレストを歩く旅。互いの心の傷を差し出しあい、守りあうことで得た力を手に、彼女はそのままひとり、この母なる山の頂上へと向かう。凍てつく吹雪、世界の果てまではびこる男性至上主義、そして幾たびも訪れる死線。その先に見た光景とは——。
オープンリー・レズビアン初の七大陸最高峰登頂者が実体験と半生を綴った、心震わせる極限のシスターフッドの記
Silvia Vasquez-Lavado “In the Shadow of the Mountain”の完訳



[本書について]

著者シルヴィア・ヴァスケス=ラヴァドはペルー生まれの登山家
2018年にオープンリー・レズビアン(レズビアンであることを公にしている人)として初の世界七大陸最高峰登頂を成し遂げています。
彼女は幼いころ近親者に継続的な性的虐待を受け、また権力志向の強く厳格な父親の支配する家父長制的な家庭環境に苦しんだトラウマから逃れるためアメリカにわたり、自分の心の傷を誰にも話せないまま過度の飲酒、ワーカホリック、野放図なセックス、無謀な行動などによってしか充実感を得られない20代を過ごしました。
やがて、アルコール依存症の自覚をきっかけに己のトラウマと向き合ううち登山と出会い、救いを求めるように世界の名だたる高山を登り始めます。その途上で他者と向き合うことを少しずつ覚え、自分と同じように性暴力を受けた経験のある若い女性たちが山や自然へと向かい、人生を取り戻すきっかけを作るための「カレイジャス・ガールズ(勇敢な女の子たち)」というNPOを立ち上げました。

そして2016年、エベレスト登山史に残る大規模雪崩の翌年に彼女が挑んだのは、同じ性暴力サバイバーの女性たちとエベレストを歩き、そのまま自身は初めての登頂に向かうという挑戦でした。悪質な人身売買の横行するネパールや自身の暮らすアメリカで性暴力を受けた経験のある、そして登山は完全に素人である5人の女性とともに、己の限界——そして「お前たちはしょせん無力な、奪われるだけの存在なのだ」と事あるごとに語りかけてくる過去の影を乗り越えること。
果たして自分は皆に光を示し、そして自分自身に巣くった心の影を振り払えるか。「世界の母神」と呼ばれるエベレストにそれを問いかけながら歩いた二か月間の思いを綴りつつ、著者自身の人生を振り返ったのが本書「In the Shadow of the Mountain(原題)」です。エベレストに挑む現在と、その人生に影を落とす過去が一章ごとに交互に描かれる構成となっています。
同じくラテン系の世界的なセレブリティ俳優であるセレーナ・ゴメスが彼女の人生に激しく共感し、自身のプロデュースと主演で映画化が決定。当初予定よりは遅れつつも、2023年には制作が開始される予定です。

「山」と「女」という、古くから男性の世界が「征服」の対象とみなしてきたふたつの存在。その魂と交信しながら自分の姿を探した一人の女性の独白が、読むものを力ではなく、共助の意思でエンパワーする回想録です。
 
 
--------

昔じゃあり得ないカミングアウト
多様性が求められている昨今に合致した本でもある。

セレーナで映画化は知らなかった!
是非観てみたい。
 

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J

2023-11-24 | 翻訳物

 

 

J.D.サリンジャー
訳:野崎孝
ライ麦畑でつかまえて』★★★

 



1984年5月20日 第1刷発行
1996年7月15日 第68刷発行

実家の本棚に眠っていた本
再読です。
知る人ぞ知る名作である。
子供の頃読んで全く通じなかった、おもしろみがよく分からなかった本📘

この帰省時の合間に少しずつ昔を思い出しながら読む。

アクリー坊や、ストラドレーターは覚えていた。
その当時でも「坊や」ってどうなの?って。
野崎孝訳のみ出版されていた。
1950年代のアメリカの少年の口調を真似ての訳だとしても。

裏に訳者紹介文
野崎孝 1917年生 帝京大学教授

これのみ あまりにシンプル・・(笑)

 

 

 



 

 

村上春樹の新訳は8年前に読んでます。

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J.D.サリンジャー訳村上春樹『キャッチャー・イン・ザ・ライ』★★★★以前は野崎さん訳で何度か読んでいたけど、どこか違和感を感じていた。例えば「アクリー坊や」そんな表現...

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A

2023-07-02 | 翻訳物

 

アンソニー・ホロヴィッツ
訳 山田蘭
『殺しへのライン』★★★
 
 
出ました~!エンターテイナー!アンソニー・ホロヴィッツ!
図書館予約本ですが(^▽^;)エヘ
少々お待ちでした。


こちらはGET📘

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アンソニー・ホロヴィッツ訳:山田蘭『メインテーマは殺人』★★★★カササギからの~OGPイメージA-◆BookBookBook◆アンソニー・ホロヴィッツ訳:山田蘭『カササギ殺...

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--------(抜粋)
 
 
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!
著者ホロヴィッツと探偵ホーソーンが挑むのは、
文芸フェスで起きた奇妙な殺人
『カササギ殺人事件』の著者による最高の犯人当てミステリ!

『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。
年末ミステリランキング完全制覇の『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に続く、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ最新刊!
 
 
--------



📘読書メモ📘
(ネタバレありかも?)

 
P370
21 生粋の英国式

ここまで一気にきた。
残り約P70
 
さて犯人は誰か??推理する時間です。
デレク・アボットのはずはなくて・・
 
そこで一つの謎が解ける。


P384
22 ガネット・ロック
 
---
 
 
ホーソーンとわたしはといえば、行く先々で会う人すべてに破滅をもたらしているかに見える
 
 
どんな殺人事件にも、犠牲者は存在するのだ。けっして、殺された被害者だけでなく。
 
 
---
 
 
---
 
 
「きみがやったんだ」
「おれは何もしちゃいない」ホーソーンが答える。
 
 
---
 
 
P401
23 本を好きでいて
 
 
---
 
 
「ホーソーンはあなたの好きにできる手札じゃないのよ、アンソニー。それを言うなら、あなたがホーソーンの手札よね」
 
 
---
 
 
アンに万年筆を返しに行く。
そして待ち合わせにホーソーンが読んでいた本は、読書会の課題本
『エアーズ家の没落』
 
もしかしたらアンが本当の犯人!?
そんな思いがわく。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
全然アンソニー・ホロヴィッツとは関係ありませんが・・
週末何気に観たドラマがおもしろかった。

こういう静かで渋い主人公が今はちょうどよい。

警視グレイス|AXNミステリー ~日本唯一のミステリー専門チャンネル~

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ピーター・ジェイムズの世界的ベストセラー小説を、「ルイス警部」「刑事モース」の脚本家が脚色した正統派の英国ミステリー!

 

 


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P

2023-04-22 | 翻訳物

 

パット・マガー
訳 大村美根子
『七人のおば』★★★

 

会社のコとの交換読書
ホント色々な作家さんを知っているわ。

創元推理文庫の隠れた(隠れてはない?(笑))名作です。

 

1986年8月22日 初版

 

--------(抜粋)

 

結婚し渡英したサリーの許へ届いた友人の手紙で、おばが夫を毒殺して自殺したことを知らされた。が、彼女にはおばが七人いるのに、肝心の名前が書いてなかった。サリーと夫のピーターは、おばたちと暮らした七年間を回想しながら、はたしてどのおばなのか、見当をつけようと試みる。一作ごとに趣向を凝らすマガーの代表作!

 

--------

 

 

---

 

「ご心配なく。ひと月もしないうちにクリスマスが来るわ。二週間のお休みを利用して、盛大に飲み歩きましょうよ。あたしのしたいことがわかる?五十二丁目の酒場全部をまわりたいの。ちっぽけなジャスの店から高級クラブに至るまで、ただの一軒も見落とさずにね。二週間でそのスケジュールをこなせると思う?」
「やってみよう」彼は即座に答えた。「きみがそうしたいなら」

 

---

 

---

 

「人間ってものは必ずしも、然るべき事柄を悲しみ、然るべき機会に幸せを感じるってわけにはいかないの。世間のしきたりや陳腐な格言とは違ってね。日中とか他人の前では、もっともらしい反応をしてみせるつもりだけれど、夜に自分をごまかすのは無理よ」

 

---

その通り夜に隠し通すことは無理・・

 

 

 

ちょうど半分ぐらいで一旦離脱
と言うかたくさんの登場人物のどたばた劇に疲れを覚えた次第
(あと時代錯誤的疲労も・・)

 

標題の通り7人のおばがいるわけで、その夫達を含め最低でも14人の人物把握は必須
集中力が持たないわ(/o\)

まぁ単純に考えればドリスが黒っぽく描かれているけど、そう単純でもないはずだし、
さて誰なのでしょう?

 

 

---

 

「時々、ひどく不幸な、むなしい気持に襲われるのよ。自分の人生には何の意味もないって気がするの。まわりを石の壁で囲まれているみたいな感じ。頭をぶつけてみても、逃げ道は見つからないし、どこに行くあてもない。でも、ちょっとお酒を飲めば、そんな気分は消えてしまうわ。人生はそれほどひどいものじゃない、あたしの居場所はあるんだって思うのよ。何杯か続けて飲むと、ゆったりした波のように、満足感が全身にひろがるの。もう気持の乱れはなく、不幸でもない。物事がはっきりと見えて、自分の行く先がつかめるわ。くよくよしていた事柄を考え直し、取るに足らない悩みだったと悟るのよ。力があふれて、何に対してもちゃんと立ちむかえるの。自分の人生を見つめ、感謝したり幸福になったりする理由なら、いくらでもあるように感じるわ。いろいろ決心をして、必ず実行できるって自信が沸いてくる。まわりの状況を立派に処理することができて、失敗だってこわくない。だからこそ、物事を考えるためには飲まなくちゃならないの」

 

---

 

 

 

P270 そろそろ後半戦
意外や意外な展開 バードが失踪 まさかね・・
さすがに二人のオンナに挟まれて疲れたんだろうね。

しかし下世話な世界だわ。

 

 

 

最後の数Pで真相が分かり終了

 
その前にまず7人のおばの誰が犯人かを考える。
 
・クララ これはない こんな世間体を気にしまくっている人に毒殺なんてナンセンス
・テッシー 一番あり得る!陰鬱だしやり兼ねない。
・アグネス 激情型だから毒殺という手段は取らなそう。
・イーディス アル中を脱したはずだからない気がする。問題は姑
・モリー あるかな?イマイチよく読めない人
・ドリス ホントこの方はヤバ過ぎる 姉妹の夫を食いまくっている。。ただ毒殺はない。
・ジュディ この甘えん坊もない。
 
ってことで、ここまで家庭の内情をグダグダ読んできて思うのはテッシーです。



ご清聴ありがとうございました。
(聞いてないって?)
ネタバレ書いても問題ないかもですが、控えておきます(笑)♪

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D

2022-09-25 | 翻訳物

 

ディーリア・オーエンズ
訳 友廣純
『ザリガニの鳴くところ』★★★

 

図書館の予約本 結構待ったかな?
確か日本橋の本屋さんで見かけて気になり予約した記憶
淡いピンクの装丁がよい感じ。

それがいつの間にか「全世界ベストセラー」と明記

 

--------(抜粋)

 

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……
みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。

 

--------

 

 

 

Ⅰ 湿地

 

---

 

 

潟湖(せきこ)

 

 

---

 

 

「この子ブタちゃん、おうちに残った」カイアは波にささやいた。

 

 

---

 

 

母さんからはいつも口を酸っぱくしてこう言われていた。「町なかでは絶対走っちゃだめよ。何か盗んだと思われてしまうから」それでも、砂の小道に着いたとたんにカイアはたっぷり一キロ近くも走り、残りの帰り道も早歩きで進んだ。

 

 

---

 

 

「今日はわたしの誕生日なの」カイアは鳥にささやきかけた。

 

 

---

 

 

砂は泥よりも隠し事をするのに向いている。

 

隠し事をするなら、貝殻がいちばんだと言えるかもしれない。

 

 

---

 

前情報でたったひとりで生きていくことを知っていたから、
「父さん」が帰って来ないことは分かっていた。
一瞬だけ盛り返した親子の時間に笑顔があり、切ない気持ちになってしまった。
(それは降り続く雨のせいもある)

 

 

 

 

 

 

 

---

 

 

母さんは、女には男の相手以上に女の仲間が必要だと言っていた。でも、どうすればその群れに入れるのかは教えてくれなかった。

 

 

---

 

 

オオアオサギは、青い水面に映る灰色の靄のような色をしている。だから、靄のように景色に溶け込み、射的の的のような目だけを残して姿を消すことができる。彼女は忍耐強い孤独なハンターで、どんなに時間がかかろうと、素早く魚をくわえるその瞬間までひとりじっと立ちつづける。
あるいは、標的を目で追いながら、あたかも獲物を狙う花嫁付添人のごとく、ゆっくり脚を上げて慎重に一歩を踏み出す。ごくまれにだが飛びながら狩りをすることもあり、そんなときは体を矢のようにして急降下し、剣状のくちばしから一気に水中へと突っ込んでいく。

 

 

---

 

 

その晩、手を頭の下で組んでポーチに横たわっていたカイアは、顔にかすかな笑みを浮かべた。
カイアの家族は彼女を捨て、ひとりで沼地に生きることを強いたが、いまは自分のほうからやって来て林に贈り物を置いていく人がいる。怪しむ気持ちはまだ残っていたものの、考えれば考えるほど、あの男の子がカイアを傷つけるとは思えなくなった。鳥の好きな人が意地悪だなんて、想像ができない。

 

 

---

 

 

「いまはどこにいるの、母さん?どうしてそばにいてくれなかったの?」

 

 

---

 

 

母さんがいつもこう口にして湿地を探検するよう勧めていたことを思い出した。
"できるだけ遠くまで行ってごらんなさい―—ずっと向こうの、ザリガニの鳴くところまで"
「そんなに難しい意味はないよ。茂みの奥深く、生き物たちが自然のままの姿で生きてる場所ってことさ。」

 

「クマになんかビビんないわ」
「クマなんて恐くない、だよ」

 

「初めて文章を読んだ日のことを覚えてるかい?あのときのきみは、言葉がこんなにたくさんのことを表せるのかと言ったんだ」ある日、小川のほとりに腰を下ろしてテイトが言った。
「うん、覚えているわ。なぜ?」
「詩はとりわけそうなんだ。詩の言葉は、口で語るよりずっと多くのことを表わせる。人の感情を目覚めさせるし、笑わせることだってできるんだよ」

 

 

---

 

 

秋の葉は落ちるのではない、飛び立つのだ。飛躍できる一度きりのチャンスに、彼らは与えられた時間を精いっぱい使って空をさまよう。日の光を照り返して輝きながら、風の流れに乗ってくるくると舞い、滑り、翻る。

 

 

---

 

 

カイアが生物学の本のなかに探しているのは、なぜ母親が子を置き去りにすることがあるのか、という疑問を解いてくれる言葉だった。

 

 

---

 

 

潟湖には、生命と死のにおいが同時に漂っていた。成長する有機体と、腐敗する有機体が交じり合ったにおい。カエルが嗄れた声で鳴いていた。カイアはどんよりしたまなざしで、夜空に線を描いて飛まわるホタルを眺めた。

ここには善悪の判断など無用だということを、カイアは知っていた。そこに悪意はなく、あるのはただ拍動する命だけなのだ。たとえ一部の者は犠牲になるとしても、生物学では、善と悪は基本的に同じであり、見る角度によって替わるものだと捉えられている。

 

 

---

 

 

寂しさは、もはやカイアが抱えきれないほどに大きく膨らんでいた。誰かの声を聞きたい、そばにいたい、手で触れていたい、そう願ったが、自分の心を守りたいという気持ちはそれ以上に強かった。

 

 

---

 

 

 

Ⅱ 沼地

 

---

 

 

「あなたにも女の友だちが必要よ。女友だちは消えたりしないから。誓いなんてなくてもね。この世には、女の握手ほど優しくて強固なものはないの」

 

 

---

 

 

「なぜ私に近づいたの?」カイアは訊いた。「本当のことを教えて」
「いいかい、おれは嘘をつくつもりはない。きみは魅力的だし、自由だし、竜巻みたいにワイルドだ。このあいだは、とにかくきみに近づきたい一心だったんだ。誰だってそう思うさ。だけど、あれは間違ってる。あんな形で事を進めるべきじゃなかった。おれはただきみといたいだけなんだ。わかってくれるかい?きみと知り合いたいんだよ」
「それでどうなるの?」
「互いにどう感じるかわかるだろう。もうきみが望まないことはしないよ。それでどうかな?」
「いいわ」

 

 

その日の午後、チェイスが帰ったあと、カイアはひとりで湿地にボートを出した。けれど、ひとりぼっちだという感覚はなかった。いつもよりスピードを上げ、風に髪をなびかせた。カイアの口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。またすぐに彼に会える、誰かと過ごせるとわかっているだけで、これまで知らなかった世界が見えるのだった。

 

 

---

 

 

身は凍えども心は凍らじ

 

 

---

 

 

「つまらない男ほど騒がしい音を立てたがるものよ」

 

自然の摂理とは不思議なもので、不誠実なメッセージを送ったり雌を渡り歩いたりする雄には、たいてい最後は相手がいなくなってしまう。

 

昼が押し流されて夜が腰を落ち着かせると、遠くの岸のあちこちで村の明かりが躍るようになった。二人がいる海と空の世界の上で、星が瞬いていた。

 

 

---

 

 

なぜ傷つけられた側が、いまだに血を流している側が、許す責任まで背負わされるのだろう?

 

 

---

 

P285 29 海草 1969年

ここで一息・・溜息ものです。

 

 

 

 

 

 

 

---

 

 

砂嘴(さし)

 

青空と雲がせめぎ合う上空を見つめながら、カイアははっきり声にして言った。「ひとりで人生を生きなければならない。わかっていたはずじゃない。人は去っていくものだなんて、ずっとまえから知っていたはずよ」

 

カイアは母親と同じように男の策略にはまってしまったのだった。

 

 

この孤独を理解してくれる者がいるとすれば、それは月なのだろう。

流れのなかにあっても揺らがないものは、ただ、自然だけなのかもしれなかった。

 

 

---

 

 

彼の目は依然と変わらなかった。苦労をすれば顔は変わってしまうものだが、目はいつでも本当の姿を映す鏡になる。カイアには、彼がまだそこにいることがわかった。

 

 

---

 

 

カイアは小さくうめいた。「私に孤独を語らないで。それがどんなふうに人を変えてしまうものか、私ほど知っている人間はいないと思う。ずっとひとりで生きてきたんだもの。孤独なのは私よ」

 

「きっと、世のなかには説明のつかないこともあるんだよ。許すか許さないか、そのどちらかしかないことが、おれには答えはわからない。たぶん答えなんてないんだろう。おまえに悪い知らせしかもってこられなくて、本当に残念だよ」

 

「だけどな、カイア、不誠実なのは男だけじゃないぞ。おれだって、だまされたり捨てられたり、遊ばれたりしたことが何度かある。認めるしかないんだよ。愛なんて実らないことのほうが多いってな。だが、たとえ失敗しても、そのおかげでほかの誰かとつながることができるんだ。結局のところ、大切なのは"つながり"なんだよ。」

 

 

---

 

 

夕暮れはまやかし。
真実を隠して、嘘を秘める。

        ——アマンダ・ハミルトン

 

 

---

 

 

「だめよ」自分に向かって言った。「また彼に惹かれるなんてだめ。これ以上傷つくなんてごめんだわ」

 

孤独に耐えて生きることと、怯えながら生きることはまったく別ものだ。

 

"死ぬべきときを決めるのは、いったい誰なのか"

 

命綱になるのは自分だけだった―—自分しか頼れる者はいない。

 

 

---

サンディ・ジャスティス
やっぱり生き物には心を和ます力がある!
にゃーん(=^・^=)

 

 

 

 

 

 

 

 

---

 

 

法廷の言葉には、湿地の言葉のような詩情はない。けれど、その本質には似たところがあるとカイアは思っていた。

 

"自然界では優劣順位が場の安定をもたらすが、人間社会も似たようなものなのだ"とカイアは思った。

 

 

---

 

 

「~いまこそ私たちは、湿地の少女に公平な態度を示さねばならないのです」

 

 

---

 

 

 

現在山本周五郎に夢中で・・あまり物語に乗り切れなかった(^▽^;)
数章でストップしてしまい、返却期限の前日に「ヤバッ!」となり一気に完読
後半まではノースカロライナ州の湿地の描写を楽しむ余裕はあったけど、読み飛ばしになったかな。

ネタバレはなしですが、やはり著者が動物学者だけあって、自然が活き活きと描かれていた。
伝わる湿地帯のむっとした匂い、湿地帯に溢れる手つかずの自然
野生に生きる動物たちの息遣い、森に響きわたる鳥たちの鳴き声が聴こえる。
カイアとかもめとの情景なんて勝手に映画化 映えますな。

私的にはカイアに対して寄り添うことは出来なかったし、
何よりテイトはあまりに出来過ぎている(見捨てたことも含)
チェイスに関しては「こういう男はいるな」と逆に人間味

ただとんとん拍子過ぎと言うか、綺麗過ぎやしないかな?
孤独だけど描写が美しくて危うさがないと言うか、アメリカ的ストーリーなのかもしれない。
差別やら何やら、時代を感じさせる場面が多々有
この時代だからこそ、今では失われた懐かしさを感じさせるものがあった。

納得する(そうかと思っていた)ラストで(そうだろうね)

ただこのお話がベストセラー!?
ベストセラーがベストセラーを呼び込んだ感
アメリカに踊らされている@宣伝効果

人それぞれの感じ方はあるかもしれないけど、
もっと心に響く物語はあるもので・・周五郎さんと比べては何だけどね。

 

 

 



映画化されたみたいです。
観に行くかは・・どうかなぁ?DVDor配信を楽しみに。


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E

2022-08-31 | 翻訳物

 

エラリー・クイーン
訳 越前敏弥
『Xの悲劇』★★★

 

先日の鮎川哲也の『クイーンの色紙』に感化され、初クイーンです(^▽^)/
本格ミステリの不朽の名作です。
未読の名作で読む機会があったら、是非手に取ってみないとね。

こちらは会社のコから借りた新装版です。
装丁がカッコよいですな。
解説は有栖川有栖

この際Xときたら、YZと読んでゆきたい。

 

--------(抜粋)

 

ドルリー・レーン氏初登場! ミステリの古典が新訳で生まれ変わる。

結婚披露を終えたばかりの株式仲買人が満員電車の中で死亡。ポケットにはニコチンの塗られた無数の針が刺さったコルク玉が入っていた。
元シェイクスピア俳優の名探偵レーンが事件に挑む。決定版新訳!

 

--------

 

エラリー・クイーンが二人のペンネームとは知らなんだ。
藤子不二雄みたいな感じかしらね。

 

第二幕途中でトーンダウン(^▽^;)集中力が切れ。。

 

---

 

 

"危険が大きいときこそ、かすかな望みも見逃してはならぬ"

 

「わたしたちが力を合わせれば、ゲーテの言う"かすかな望み"を生かすことができるのではないかと‥‥‥」

 

 

---

 

P241 ロジャー・シェルドンって誰?(◎_◎;)
(探るも分からず・・ 翻訳あるあるですな)

 

3番目の殺人が起きて、自分なりに推理するも、
誰が犯人だったら意外性があるかな?そういう考えに陥ってしまう。
古典と言われる名作の犯人が被害者の妻とかだったら、味気なくつまらない。
(つい貸してくれた本人にヒントを尋ねるも「昔に読んだから犯人忘れた」・・(^▽^;))


しかしこの名俳優であり、名探偵・・引っ張るなぁ(笑)

「もう殺人はおこりません。Xは目的を果たしました」

ってXって誰ーーー!!
(と独り盛り上がっておりました はは)

ネタバレはなしです。
それなりに納得ゆく結末でした。

しばらく翻訳物はお休みかな(続くYZはいつの日か)

なんせ周五郎に魅せられてしまったので💛



ただ未読本は片付けなければならない・・
あと新刊も読みたいし、読書会の課題本も未着手(今度は日本のSF)
追いつ追われつ どこへゆく?

 

明日も引き続き読書備忘録です。


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A

2022-06-20 | 翻訳物

 

アンソニー・ホロヴィッツ
訳 山田蘭
『ヨルガオ殺人事件㊦』★★★★★

 

いやーおもしろかったです!王道エンターテインメント!!

下巻の始まりはピュントの物語の続きです。
(少しネタバレ?物語の中に物語があります)
一気に読まないと双方の登場人物が混同してしまう。





「ヨルガオ」の花言葉は「夜の思い出」「夜」(そのままね)「妖艶」

これは、夕暮れから明け方の暗い時間に、白く美しい花を咲かせることに由来
例えば「妖艶」は、月の光を浴びて白い花が宙に浮いているように見える姿にちなみます。

妖艶の館

 

--------(抜粋)


“すぐ目の前にあって──わたしをまっすぐ見つめかえしていたの"名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』を読んだ女性は、ある殺人事件の真相についてそう言い残し、姿を消した。『愚行の代償』の舞台は1953年のイギリスの村、事件は一世を風靡した女優の殺人。誰もが怪しい事件に挑むアティカス・ピュントが明かす、驚きの真実とは……。
ピースが次々と組み合わさり、意外な真相が浮かびあがる──
そんなミステリの醍醐味を二回も味わえる、ミステリ界のトップランナーによる傑作!

 

--------

 

 

 

---

 

「どんな場所でも起こりうる、それが殺人というものなのだよ」ピュントが答える。

 

---

 

10 甘き死よ来たれ

「いらっしゃい。ようこそ≪臨床屋敷(ベッドサイド・サマー)≫へ」

 

---

 

犯罪捜査において、けっして偶然などというものは存在しないのだと、アティカス・ピュントはよく口にしていたではないか。‘’人生のすべてのできごとには決まった様式があり、その様式が人間の目にとまった一瞬を偶然と呼ぶにすぎない‘’と。

 

---

 

 

 

 

 

 

 


「はいタッチ!」この短い手足が癒し(#^.^#)



💚 💚 💚

偶然の出逢いについて考える。
それは出逢うべくして出逢ったのか、それとも?
「縁」という運命的でもある便利な言葉
受け入れると気持ちが楽になります。


前向きに前向きに。


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A

2022-06-16 | 翻訳物

 

アンソニー・ホロヴィッツ
訳 山田蘭
『ヨルガオ殺人事件㊤』★★★★



は~いカカサギときて、お次はヨルガオです。
みんな大絶賛!!
出版社もがんばって宣伝活動

私的にも創元推理文庫は好きです。

ミステリー,SF,ファンタジー,ホラー,小説,文庫,東京創元社

ミステリー,SF,ファンタジー,ホラー,小説,文庫,東京創元社

東京創元社。創元推理文庫、創元SF文庫、ミステリ・フロンティア、創元クライム・クラブなどを刊行。鮎川哲也賞、ミステリーズ!新人賞を主催。

東京創元社

 

普段読書しない方でも迷わず手に取って読んでみて(^▽^)/
王道なエンターテインメント推理小説です。
図書館は予約しないと無理です(忘れた頃届く系)

 

--------(抜粋)

 

*第1位『このミステリーがすごい! 2022年版』海外編
*第1位〈週刊文春〉2021ミステリーベスト10 海外部門
*第1位『2022本格ミステリ・ベスト10』海外篇

あの『カササギ殺人事件』の続編登場!
合計16冠獲得、累計70万部突破の
ミステリ界のトップランナーによる極上の犯人当てミステリ


『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』
それは、かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件!
『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!

 

--------

 

 

 

---メモ

 

P67 ノリッジ

 

---

 

世の中には、できるだけ議論せずにおきたい相手というものが存在する。まちがいなく、リサはそんなたぐいの人間だ。

 

---

 

もうノンストップでぐいぐい読ませます。
翻訳した山田さんの力量を感じる。

誰だったかな・・読めたもんじゃなかったオー・ヘンリーの訳(^▽^;)

翻訳家もただ訳すだけじゃなしってね。

 

現在下巻の1/3ぐらいまできてます。
推理云々より物語を楽しんでます(Wで美味しい!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



巻末書籍紹介

「だ~れが殺したクックロビン」じゃないですか!!
(これは分かる人には分かるなつかしネタ)

『僧正殺人事件』読みたい本リストに入れました。


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E

2022-06-10 | 翻訳物

 

エドワード・ゴーリー
訳 柴田元幸
『華々しき鼻血』


随分強烈な題名だわ(^▽^;)
どこからきたのかしら・・
確かに表紙の方、鼻血を流されてますけど。
お隣のお二方はスル~してますな 見て見ぬふり。

村上春樹ライブラリー 中央階段の書棚からつい手に取って読んでしまった。






さて柴田さんが翻訳しているこのエドワード・ゴーリーとは?
「怖いけれど美しい」と言われ、残酷で冷酷な作風、カルト的人気のある作家さんです。

エドワード・ゴーリー - Wikipedia











膨大なる書籍群の中には気になる本がいくつもあった。
この本は帯にもあるように江國香織が絶賛していた本
うーん気になる!

ただ現在の状況を考えても未読本は山積み。

来月の読書会の課題本がまた一癖も二癖もあり・・

 

 

 



哀しいかな。今は表紙から惹かれた本を読んでいる時間がない。

子供の頃は永遠かのような時間があったのに。


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A

2022-06-02 | 翻訳物

 

アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集⑨ シャーロック・ホームズの事件簿』★★★

 

これが本当の最後

『冒険』、『思い出』、『帰還』、そして『最後の挨拶』
残りの12編がこの『事件簿』となります。
ホームズあるあるレンガ並みのボリュームP749!

 

---(前書きより)

 

片時とはいえ、浮き世の憂さを忘れ、気持ちよい気分転換になったというのであれば、作者冥利につきる。

 

---

しかし批評家達は「紙屑」呼ばわり・・
(ホント昔から評論家って一方的過ぎますね(世論はいつの時代も厳しい))



 

--------(抜粋)

 

「高名な依頼人」、「這う男」など数々の難事件を鮮やかに解決するホームズともついにお別れ。四十年間のホームズ物語が幕を閉じる、最後の短編集
決定版「シャーロック・ホームズ全集」の最終巻

 

--------

 

49作目
・マザリンの宝石

 めずらしく第三者目線で描かれた作品
 なつかしき古巣を訪れたワトスン
 ホームズのダミー人形はマンガでも再現さえていたのを覚えている。
 子供心に斬新だなと。



50作目
・トール橋★★★★

 お金にも名誉にも興味がない、事件そのものだけに興味があるホームズ
 そのブレない姿勢に拍手!
 気に入らない依頼者にはガンとした態度 応援したくもなる。
 (ただP79の挿絵は弱々しく頼りない(^▽^;)・・)

 トリックは微妙だけど、語り通すホームズに惹きこまれた。
 男と女の物語



51作目
・這う男

 ホームズが引退する直前の事件
 自制と配慮

 「すぐ来い」と命令口調で言われても、気にしな~いワトスン

---

わたしは、彼の精神を研ぎ澄ます砥石であった。

---
 
 卓越してるわ(笑)
 二人の同盟関係は誰も邪魔出来ない。

 狐憑きじゃないけど、廊下を這う教授を想像して苦笑・・

 いつの時代も若返りの媚薬を求めて止まない。

 

 

52作目
・サセックスの吸血鬼

 「ぼくたちの探偵局は地に足をつけた方針で行っているのだから、それを貫いていくべきだ」
 ホームズの言葉とは思えない(^▽^;)
 違和感を感じた。
 



53作目
・三人ガリデブ

 がりとでぶ・・違います人の名前です。

 

 

54作目
・高名な依頼人

 よくある代理人が訪れ「依頼人の名は明かせません」パターン
 名声を轟かせているホームズですから、みな藁にも縋る思い。

 恋は盲目 誰にでも言えます。
(現にわたしもそうですし)

 裏をかくホームズにも慣れて、他の書籍でも疑うことになってしまう。
 知ったようなトリックもこの当時は斬新だったんだろう。

 

---(注・解説より)

 

「罪から来る報酬は死です」(新約聖書『ローマ人への手紙』第6章第23節)

 

---

 

 

55作目
・三破風館

 最も手強い敵登場!?お相手は絶世の美女
 しかし全くなびかないホームズです(^▽^;)
 ご用心!ご用心!(笑)

---


「ご不在というのは、あなたに対してだけです」

---

 

『千一夜物語』

 

 

56作目
・白面の兵士

 新事件ごとに白紙状態のワトスンを絶賛・・(苦笑)

「シャーロック・ホームズ自身が語る、最初の冒険譚」との宣伝文句が掲載された。

 

---

 

「ものごとを知るのが私の仕事です。それが私の商売です」

 

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57作目
・ライオンのたてがみ

 続ホームズ本人による語り(ワトスンが不在で淋しそう・・)

 鞭で打たれた背中から想像する世界
 しかし犯人は意外な・・

 どこかで聞いたことのあるフレーズ
 先日もどこかで聴いたことのある似ている音階にリピートして何度も聞いたけど、
 結局は思い出せなかった。

 

 

58作目
・隠居絵具屋

 ワトスンの語りがしっくりくるなぁ
 そう思わずにはいられない。
 相変わらずホームズにパシられてますが(笑)
 もう挿絵を見ると偉そうなホームズに苦笑です。

 分かち合った友よ。

 

 

59作目
・覆面の下宿人

 

---

 探すことではなく、選択することであった。

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 このホームズ譚はたくさんの事件の中からワトスンがチョイス(ホームズの意向あるが)
 ちなみにホームズは隠居するまで23年間探偵として活動しました。

 

 

60作目(本当のラストです!!!)
・ショスコム荘

 ロンドンっ子の二人は郊外に釣りに出かけましたとさ(^▽^)/

 最後は平和で。
 終わりよければ全てよしって言いますものね。

 

 

 

物語を読み終わっても大ボリュームな解説+付録が残されてます。
(正直滅入ります)

 

 

 

最後に「今さらですが名探偵コナンってコナン・ドイルからですよね。」
「そらそうだよね 他の可能性を考えてなかった・・」

 

以上 シャーロック・ホームズ全巻制覇でした。
またいつの日か!!


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