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あの試合から30年(WBCジュニアバンタム級:1994年5月4日)

2024年05月03日 05時20分06秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の明日となる1994年5月4日、横浜文化体育館で行われた試合結果です。
WBCジュニアバンタム級戦(現スーパーフライ級):
挑戦者川島 郭志(ヨネクラ)判定3対0(116-110、114-112、114-113)王者ホセ ルイス ブエノ(メキシコ)

アマチュアの高校チャンピオンとして、1988年に鳴り物入りでプロデビューを果たした川島。しかしプロ転向1年の間に、打たれ脆さを暴露し2度のKO/TKO負けを喫してしまいました。その後、自身の怪我もありましたが、プロ6年目にしてようやく世界の檜舞台にその雄姿を見せる事になりました。

川島を迎え撃ったブエノは、前年1993年11月に韓国のリングで文 成吉(韓国)を予想外の判定勝利で破り世界王座を獲得。しかし長期政権を築いていた文を破ったとはいえ、ブエノは実力的には3流の世界王者。文のコンディションがあまりにも悪すぎました。しかしそれを差し引いても、この日に川島が見せたパフォーマンスは、「素晴らしかった」と形容するしかありません。

初回から段違いのスピード差を見せつけてブエノを圧倒していった川島。少々向きに打ち合いに持って行った場面もありましたが、サウスポースタイル(左構え)から放つ右ジャブからのワン・ツーでメキシカンに付け入る隙を与えません。

(初回からブエノを圧倒した川島)/ Photo: Boxing News

ハイペースだった川島は4回あたりから、自らを抑えるようにペースダウンします。そして5回からは川島の真骨頂の一つであるフットワークを駆使し、ブエノを突き放していきます。いくつかの強みがある川島ですが、試合中に作戦を切り替える事が出来るのもその一つと言っていいでしょう。

6回にホールディングにより減点1を科されてしまった川島ですが、それが試合の流れに影響を及ぼすことはありませんでした。

回を追うごとに点数差を広げていった(と思われた)川島は11回終盤、左カウンターで王者からダウンを奪い試合を決定づけます。そのダウンの直後にゴングが鳴ってしまったため追い打ちをかけられませんでしたが、あと数秒あればストップに持ち込むことも可能だったでしょう。

(11回終了間際、試合を決定づけるダウンを奪った川島)/ Photo: 時事通信

世界初挑戦とは思えない落ち着いた、そして安定したボクシングで判定勝利を収めた川島。出された判定が予想以上に競っていたのには驚かされました。11回のダウンがなければ、2対0だったということになってしまいますね。判定、そして6回の減点と、少々川島には厳しい試合だったのではないでしょうか。まあ、問題なく新王者誕生となったため、結果オーライと言ったところでしょう。

雨天の横浜のリングで、日本ボクシング史上屈指の技師である川島が見事なボクシングを披露し世界王座を奪取。その試合が行われてからもう30年も経つんですね。


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