一国の国産拠点 一国オート からのお知らせです。

横浜のバイクショップ 一国オート からのお知らせを発信しますので、お見逃し無くよろしくお願いします。

カーボン噛み、、、なりにくくするには、、、暖気運転です。

2017年01月24日 | 修理

 

 

 

 

カーボン噛み、、、

 

 

今回修理した50ccスクーターは、、、メカとしての作業は先日の記事で終わりましたが、、、

 

 

今後のオーナー様の使用状況で、、、また再発する事もあります。。。

 

 

そのあたりの使用法などを説明させていただき、、、オーナー様にお渡しいたしましたが。。。

 

 

 

 

 

では、、、

 

 

なぜ? カーボンは発生するのか。。。

 

 

なぜ?カーボンは噛み込むのか???

 

 

です。

 

 

 

 

 

カーボンの発生は、、、どうしても燃えカスが出るので、、、大なり小なり発生します。

 

 

ですので、、、発生を少なくする使用方法というのも必要かと思います。

 

 

 

 

 

今のバイクは、、、コンピューターがインジェクションのシステムを管理して走行に最適な(地球環境にも)ガソリン燃焼にコントロールしています。

 

 

が、エンジンが冷えている時には、、、ガソリンの燃焼状態が悪いので、ガソリンを多く噴射してエンジンの運転が停止しないようにしています。

 

 

昔のキャブレターのバイクの時代だと  チョーク  を使ってガソリンを濃くしている状態ですが、、、今のインジェクションのバイクだと、、、気温やエンジン温度などのセンサーからの信号を元に、ガソリン噴射量を増量して止まらなく保っています。

 

 

ですのでインジェクションのバイクでも、、、セルを押し、エンジンが始動したばかりでは、、、空燃比が過濃(ガソリンが多い)の状態で、、、

 

 

そんな過濃の状態ですぐに走り始めてしまうとカーボンが発生し易いですね。。。

 

 

また、、、エンジンが温まりきらないで目的地に着いてしまい、、、エンジンを止める、、、という繰り返しでも、カーボンの発生が多くなります。

 

 

 

 

 

では、、、なぜカーボンを噛み込んで、、、エンジンが止まってしまうのか、、、ですが、、、

 

 

 

 

シリンダーヘッドに組み込まれている バルブ は、、、

 

 

カムシャフトなどの部品で精密に開閉しているのですが、、、

 

 

燃焼室に堆積したカーボンの一部が、、、たまたま剥がれて、、、

 

 

 

 

バルブの密閉する部分(写真のの部分)に挟まってしまうのが  カーボン噛み といわれる症状です。

 

 

挟まったカーボンで密閉が保てなくて、、、圧縮圧力が上がらないで、、、空回りの症状の事です。

 

 

このカーボンをバルブスプリングのチカラで噛み砕いてくれれば、、、エンジンが止まる事がありませんが、、、

 

 

硬いカーボンの場合は復活しない事もあります。

 

 

 

 

 

バイクの使い方でも、、、なり易い条件というものがあるようです。

 

 

エンジン始動後に、すぐに全開走行してしまう、、、そしてエンジンが温まる前にカーボンを噛んでしまい、エンジンが止まる。。。

 

 

この発生の状況の方が、、、たぶん多いのかなと思います。

 

 

 

 

 

↓ の図ですが、、、

 

 

 

 

ホンダからのサービス資料で、、、エンジンの始動直後から完全に温まるまでのバルブクリアランスの変化を表したグラフです。

 

 

赤い線は、、、エンジンの暖気が緩やかに行なわれれば、変化の少ないクリアランスで暖気しますが、、、

 

 

エンジンを始動してその直後から 全開走行! をすると、緑の線のように、、、クリアランスが極端に狭くなる時があり、その後クリアランスは通常に戻ります。

 

 

この極端にクリアランスが少ない時に、、、カーボン噛み  が発生し易いのです。

 

 

 

 

 

さらに、、、走行が進んだバイクだと、、、エンジンの整備状態によっては、、、バルブクリアランスの調整が狭くなってしまう事もあります。

 

 

で、そんな状態で始動直後に全開走行をすると、、、

 

 

 

 

 

この様な圧縮漏れをする事もあります。。。

 

 

圧縮漏れを起こさないとしても、バルブクリアランスが0に近い状態の時は、、、バルブを密閉するチカラ(バルブシートにバルブフェイスを押し付けるチカラ)が弱いので、カーボンを噛んでしまった場合、砕く事が出来ないので、、、カーボン噛みを起こし易いのです。

 

 

 

 

 

 

 

以上の説明でオーナー様に行なっていただきたい、、、必要、重要、、、な使用方法は、、、

 

 

暖機運転をしてから走行。。。

 

 

オーナー様の気遣いで十分防げるトラブルがカーボン噛みですので、、、

 

 

暖機運転の励行  をお願いします。

 

 

 

 

 

http://www.ichikoku.com/

 

 

暖気運転をする事によって、カーボン噛みを防ぐ事ももちろん出来ますが、、、

エンジンオイルの白濁や増量のトラブルも防ぐことが出来ます。

 

 エンジンオイルの白濁とは、、、エンジン内に結露した水がエンジンオイルに混ざり、白く濁ってしまう事です。

 エンジンオイルの増量とは、、、エンジン始動直後は増量したガソリンを噴射しますが、すべて燃えきれずに残ったガソリンがエンジン内に溜まってしまう事です。

 

どちらもエンジンの健康に良い事ではありません。

 

 

 

 

 

暖機運転ってそんなに難しい物ではありません。

 

エンジンを始動して少し温めていただければ良いだけです。

 

たとえば、、、エンジンを始動して、、、

 

 ヘルメットやジャケット、グローブなどの身支度を整える。

 バイクの日常点検をする。

 

これをしていたら1~2分はすぐに暖機が出来ますよね。

 

 スマホでSNSをチェックする。

 

でもよいし。。。

 

暖機運転 簡単ですので、是非!

 

 

 

 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バルブクリアランスを変更しま... | トップ | 車検、XR650R。 E-Vin... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なべ)
2019-05-12 20:27:52
わかりやすく、温かい
バイク愛溢れるブログに、心が温かくなりました!。
これからも、温かいブログを続けて下さいね!。
ありがとうございました😊。
Unknown (老メカ)
2019-05-13 20:23:35
なべ様
参考になっているのでしょうかね?
バイクをお使いになる方にプラスになれば良いかなと思っています。
コメントありがとうございます。
Unknown (浪速のバイク初心者)
2019-06-29 07:25:30
大変参考になりました。
先日初めて仕事帰りにカーボン噛み状態になり歩いて押して帰るはめになりもうダメかと凄くあせりました。💦翌朝再度エンジンかけるとやっと復活しました!
確かに暖気せずにバイクに負担をかけてたと思います。
今後大事に暖気運転心掛けたいと思います。
ありがとうございます🙇
Unknown (老メカ)
2019-06-30 09:46:16
浪速のバイク初心者様

カーボン噛み、主原因の挟まったカーボンが時間が経つと砕けてまたエンジンが復活する場合もあります。
が、中には復活しない事もあり、最終手段は分解して清掃、、、という事も。。。

大事なのはカーボンを発生させない事です。
それをユーザー様として出来るのは暖機運転の励行ですね。

とりあえず、直ってよかったですね。

コメントを投稿

修理」カテゴリの最新記事