Kayaとののんびり生活 どいちゅらんど 

人生の半分ちかくになったドイツ生活のブログです。

74年前。

2012-11-09 | ひとりごと

ユダヤ人老人一家の記念写真。

今日、11月9日は74年前に水晶の夜と呼ばれる
反ユダヤ主義暴動が起こった日です。
ユダヤ人の住宅、商店、
シナゴーグなどが次々と襲撃、放火され、
砕け散ったガラスから水晶の夜と言われているようです。


毎年、この日はシナゴーグの前の広場で追悼集会が行われます。
私も仕事がない年は毎年参加させてもらっています。
屋外での集会ですが、年配の人たちで広場はいっぱいになります。
もちろん、シナゴーグ跡での集会なので警備の警察もいます。

私の住んでいる町にも当時シナゴーグがありましたが、
ドイツ各地の177のシナゴーグと同じように
9日の夜に焼かれてしまいました。



シナゴーグは再建されることはなく今に至っています。
今日は、跡に立てられた建物の壁に当時の建物が映し出されました。

去年は町に住んでいたユダヤ人家族の家族史の朗読。
今年はある年金生活者のユダヤ人老人と
その友人のドイツ人たちの言動の変化を小さな劇で演じてくれました。




今日の劇では1929年の世界恐慌からナチスが台頭して、
ユダヤ人を迫害していく時期を4人の老人の会話で演じていました。

主人公のユダヤ人の老人が、
「ユダヤ人はこれから差別されたり、
連行されたりするのではないか?」
と言ったときに友人のドイツ人の老人が
「連行されたりするのは問題があるユダヤ人だけで、
君のような一般市民は大丈夫だ、ぼくたちは友だちじゃないか」
と答えていたのに、
その数年後には、一緒にベンチに座って
会話をすることも避けていくのです。

そして、ユダヤ人の老人は水晶の夜、
暴漢に襲われ、重傷を負いながら家に帰り
その後、この町から引っ越したそうです。

毎年のこの日になると
いろいろと考えさせられるテーマです。