マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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桃香野龍王祭

2006年07月18日 09時27分12秒 | 奈良市(旧月ヶ瀬村)へ
奈良市月ヶ瀬桃香野にある史跡龍王の滝は、役の小角が修行したと伝えられています。

7月に入ったばかりの今日、桃香野八幡神社の氏子大人衆らが早朝に集まり、滝を前にして雨乞いを祈願する「龍王祭」が行われます。

次々と訪れる大人衆や子どもたちは持ってきたキリコモチやカキモチを、滝ツボに目掛けてへ投げ入れます。

この所作は魚に食べ物を与え、自然の恵みに感謝する意味があります。

同神社の宮守神職が大祓いを唱えると、大人衆らは一斉に唱和します。

次に、雲影山善法寺の僧侶がお経を唱えると、参列する子どもたちの一緒になって神妙に手を合わせます。

当地は古来より女人禁制とされていたことから、男性だけが参ることを許されていましたが、近年に婦女子も参加を認められるようにしたと大人衆は話される。

龍王祭は明治時代の頃、個人的な民衆信仰として始められていたものを同神社の祭事に加えたもので、神職や僧侶が祈願する神仏習合の珍しい行事です。

滝の祭事を終えると、大人衆は同神社に再び集まり、お神酒、ジャコ、大豆、昆布豆の神饌を供えて大祓いを唱和する月並祭が営まれます。

最後に社務所に集まった一同は、龍王の持ち物であったとされる剣の掛け軸を前に、僧侶とともに祈り一連の祭事を終えます。

(H18.7.1 Kiss Digtal N撮影)